Rehabilitation

就労継続支援A型について – 対象・利用料金・平均工賃・作業内容・メリット、デメリットについて

 
就労継続支援A型について – 対象・利用料金・作業内容・メリット、デメリットについて

障害を持つ人への就労支援のサービスでも、雇用契約を結ぶことで生産活動の場を提供しながらその知識や能力を向上させるのが“就労継続支援A型”になります。
今回はこの就労継続支援A型の特徴やどのような人を対象にしているのか、また気になる平均工賃(賃金)や利用する際のメリット、デメリットについて解説します!

就労継続支援A型とは

“就労継続支援A型”は、障害を有する人が、一般企業からの雇用が困難であるが、雇用契約に基づく就労が可能な人に対して行う就労支援サービスのひとつになります。
事業所と利用者の間に雇用契約が締結された上で、就労や生産活動の機会提供と就労に必要な知識、技術、能力向上のための訓練も行います。
雇用契約を結んでいるため、社会保険への加入も義務付けているのが特徴とも言えます。

対象について

就労継続支援A型の支援サービスを利用できる対象についてですが、まず利用開始時の年齢が65歳未満…という条件があります。
その上で、一般企業からの雇用が困難な人ですので、具体的な例としては、

  • 就労移行支援事業を利用したが、一般企業の雇用に結びつかなかった人
  • 特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった人
  • 企業等を離職した方など就労経験のある方で、現に雇用関係がない人

…などがあげられます。

支援内容

就労継続支援A型での支援内容ですが、

  • 生産活動やその他の活動の機会提供
  • 就労に必要な知識、能力向上のための訓練
  • その他、利用者の就労に必要な支援
…などがあげられます。

全国の事業所数について

全国にある就労継続支援A型の事業所数についてですが、次のような統計データがあります。

年度 事業所数
平成26年度(2014) 2382
平成27年度(2015) 3018
平成28年度(2016) 3455
平成29年度(2017) 3776

出典:平成29年度社会福祉施設等調査の概況

平成29年度までのデータですが、確実に毎年増えていますし、事業所数だけでみれば就労移行支援事業所よりも多いようです。

平均工賃(賃金)について

平成29年度の厚生労働省から発表された就労継続支援A型事業所の平均工賃(賃金)についての報告によると、就労継続支援A型での作業工賃(賃金)については、

  • 月額:74,085円(104.8%)
  • 時間額:818円(102.9%)

*()内は対前年比

…となっています。

都道府県別での平均工賃(賃金)ランキングについて

平成29年度の就労継続支援A型事業所の都道府県別平均賃金の順位ですが、次のようなデータがあります。

1位:東京都(90,407円)
2位:和歌山県(89,939円)
3位:高知県(88,205円)

最下位:富山県(61,412円)

利用料金について

就労継続支援A型事業所の利用料金についてですが、利用者負担額はサービス提供費用の1割を上限としたうえで、世帯所得に応じて負担上限が設けられています。

区分 世帯の収入状況 負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯(*1) 0円
一般1 市町村民税課税世帯(所得割16万円(*2)未満) 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

*1:3人世帯で障害基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯
*2:収入が概ね600万円以下の世帯

*入所施設利用者(20歳以上)やグループホーム、ケアホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合は“一般2”となるので注意が必要です。

就労移行支援事業所就労継続支援B型同様、この利用料金は行政で定められているため、どの事業所でも基本的には同じ料金になります。

またその他に食費などについての実費負担もかかる場合があります。

交通費について

A型事業所の様々な案内をみても、基本的には交通費は利用者の自己負担としている事業所が多いようです。
しかし、市区町村や事業所によっては交通費の助成を行っている場合もあるので市区町村の障害福祉課などの窓口へ問い合わせてみるとよいかもしれません。

送迎について

利用者によっては「A型事業所に通いたいけど、通うための手段がない…」という方もいらっしゃいます。
実際、送迎の有無については各事業所によって様々なようですが、「通勤も就労への訓練の一部」と捉えると、自分で事業所まで通う方法を検討する必要性が必ずでてくると言えます。
しかし遠方からの利用者の場合、交通費が高額になり、得られる工賃の金額から交通費を差し引くと、結局ほとんど手元に残らない…なんてケースもあるようですので、事業所を選ぶ際には注意が必要かもしれません。

利用者数

就労移行支援を利用している人数は、平成30年3月の段階で、約6.9万人になるようです。

参考:社会福祉施設等調査、国保連データ、学校基本調査、障害者雇用状況調査、患者調査、生活のしづらさなどに関する調査

一般企業への就労移行率について

就労継続支援A型における一般就労への移行率についてですが、次のようなデータがあります。

年度 移行率
平成20年 2.4%
平成21年 2.2%
平成22年 2.5%
平成23年 3.7%
平成24年 3.5%
平成25年 4.9%

就労継続支援A型の作業内容について

就労継続支援A型事業所での作業内容についてですが、その事業所の特徴やどの分野に力を入れているか?によって変わってきますが、一例として次のような作業があげられます。

  • 飲食補助業務:カフェやレストランのホールスタッフとしての業務等
  • パソコン業務:Word、Excelなどへのデータ入力、ネットオークション代行業務等
  • 清掃業務:駐車場等の除草清掃活動、アパート・マンション・一戸建家屋等の清掃活動等
  • 軽作業:パッキング作業、加工業務、倉庫内での作業等

就労継続支援A型のメリット・デメリットについて

ここに画像コード

では、就労継続支援A型による支援サービスを利用するメリットとデメリットとはどのようなものがあげられるでしょうか?

メリット

就労継続支援A型事業所を利用することのメリットとしては、次のようなものがあげられます。

以下に詳しく解説します。

固定給がもらえる

まず就労継続支援A型事業所を利用することでのメリットとして一番は、この工賃(賃金)を受け取ることができるということです。
この平均料金については上述しましたが、月給の数字としてだけみれば決して十分とはいえないかもしれませんが、就職へのサポートを受けれる環境下で自身の健康管理や知識、技術を身につけながら工賃も受け取ることができる…と考えると、メリットとして見る方が大きいかもしれません。

社会保険に加入できる

A型事業所とは雇用契約を結ぶことから、最低賃金の保証と各種保険の加入、そして週30時間以上の労働の場合は社会保険の加入も可能になります。

無理な働き方をする必要がない

A型事業所はあくまで一般就労を目指すための支援サービスの一つです。
事業所と利用者間に雇用契約は結ばれていますので、それなりの基本的な働き方は必要とされますが、いわゆる“ブラック企業”のような無理強いな働き方をさせられることはありません。
また自分の障害の特徴に合わせた配慮がされやすいという点もメリットとしてあげられます。

一般就労につながる知識や技術が身につく

A型事業所の作業内容によっては、パソコン業務に力を入れている事業所も多くなってきています。
そのため、ホームページ制作の業務やアプリ制作といった今後どの企業でも求められるような専門的なスキルを学ぶ環境が整っている事業所もあるようです。
パソコンスキルを学ぶための高額な受講料を払わずに身につけることができた…という意見もみられます。

自分の得意、不得意を見極められる

A型事業所内での作業を通して、自分の障害について、自分自身の得意なこと、不得意なことを見極めることができるという経験は非常に重要なことと言えます。
またそれに対してのサポート体制も整っていますし、情報もたくさん集まるという点では、今後一般就労につなげていくための自分を客観視するためのトレーニングという扱いにすることも重要かもしれません。

就職支援だけでなく、定着支援も受けられる

A型事業所の目的はやはり一般就労につなげることです。
そのための支援はもちろん、就労して長く働き続けるための定着支援も受けることができます。

就労継続支援A型のメリットとしては、何より雇用契約を結んだうえでの就労の機会提供…ということで、「最低賃金が保障される」「社会保険に加入できること」があげられるね!
目的として一般企業への就職ですけど、あくまで就労支援事業ということで利用者自身が少ないストレスで生産活動を行うことができる…というのもメリットといえるでしょうね!
あとは利用者自身の得意なこと、不得意なことといった特性を働きながら見極めることができる点も大きなメリットだろうね!

デメリット

就労継続支援A型を利用することでのデメリットとしては次のとおり。

以下に詳しく解説します。

工賃(賃金)が安すぎる

やはりいくら工賃を受け取ることができるとはいっても、「安すぎる」という意見は多いようです。
その中で食費や交通費も支払うとなると、結局手元に残るのはわずか…ということも。
ただし、前述しましたが、単純に工賃の金額だけをみれば少ないですし、デメリットですが、いかにA型事業所を自分のスキルアップ、就労のためにうまく利用するか?という意識でいることで、長期的にみればメリットの方が多いような気もしますけどね。

年齢制限がある

A型事業所を利用開始するときの年齢が65歳未満という年齢制限があるため、高齢の方にとってはデメリットになり得ます。

ある程度のスキルが求められる

A型事業所自身も経営として利益を出していかないといけません。
そのため、利用者に対してはボランティア精神だけでは事業自体の継続が困難になってしまいます。
ある程度の作業をこなす技術が求められるかと思います。

関連記事:就労移行支援のメリット・デメリットについて

まとめ

障害を持ちながらも「働く」という社会参加、役割の提供を雇用契約を結んだ上で提供する就労継続支援A型ですが、今後はいかに就労移行支援へ橋渡しをするか…さらには一般企業への雇用につなげるか?ということも課題になってくると思います。
ただそこに過度なプレッシャーや負担をかけることなく、利用者自身が「自分らしく」「働きやすい」といったキーワードを盛り込んだ就労生活につなげるか?という点も作業療法士にとっては必要なことかもしれません。

作業療法士は語りたい!

就労継続支援A型の総費用額の推移をみると、ここ3年で約2倍以上になっているみたいだね!
それだけ必要性や重要性が高まっている…と捉えられますね。
もちろんA型の利用者数も増加している点を考えると、OTはもっとこの分野に力をいれていく必要があるんだよね!
「病院の外を向いた作業療法」ってやつでしょうね!
 

ピックアップ記事

Sponsored Link

PAGE TOP