不随意運動がある人がパソコンを使用する際、キーボード入力をしてもすぐにキーを離すことができないから連続して入力されてしまう…なんて場合があるようです。
また誤って違うキーを押してしまい誤入力ばかりになってしまい時間がかかる…という問題もあるようです。
そんなときはコンピュータアクセシビリティ機能である“フィルタキー”を使用するとよいかもしれません。
本記事では、このフィルターキーについて解説します。
目次
フィルターキーについて
フィルターキー機能とは…
…のことを指します。
この機能によってキーに触れてから入力が有効になる時間、最初のキー入力後、次のキー入力が有効になる時間の調整ができます。
フィルターキーにを使うことで瞬間的なキー入力が無視されるので、上肢の振戦や不随意運動に悩まされている方のタイピング誤入力防止になります。
フィルターキーの起動方法について
フィルターキーをONにして起動する方法ですが…
- 右の[shiftキー]を8秒間長押しする
- 「スタート」→「コントロールパネル」→「コンピューターの簡単操作センター」(Windows7以降の時)からフィルターキーを有効にする
…の2つの方法があります。
フィルターキーのアイコンについて
現在フィルタキーの機能がONになっているかどうかを確認する際には、モニタ画面の右下の通知領域に画像のような時計のアイコンが表示の有無で確認が可能です。
フィルターキーのオプションについて
このフィルタ―キーのオプションですが…
- バウンスキー機能の有効
- キー入力の間隔、速度のセットアップ
…のようなオプション設定が可能です。
以下にそれぞれ解説します。
バウンスキー機能の有効
意図せずに複数回キーを押してしまう場合は、このバウンスキー機能を使用することで、繰り返されたキー入力が一定時間無視されるようにできます。
キー入力を認識するまでの待ち時間は0.5秒~2.0秒まで0.5秒毎設定可能です(Windows7の場合)。
キー入力の間隔、速度のセットアップ
キー入力の繰り返しが行われるまでの時間の設定を細かく設定することができます。
フィルターキー機能が有効な対象疾患や障害について
フィルタキーの機能とは「キーの認識を遅くする」ことになるので、有効な対象疾患や障害としては…
- パーキンソン病による振戦症状が強い場合
- 小脳疾患による失調症状
- 不随意運動が強いアテトーゼ型脳性麻痺
…などがあげられるかと思います。
瞬間的、かつ正確な動きが難しい場合に非常に有効なコンピュータアクセシビリティ機能と言えます。
フィルターキー機能を知ることで、パソコン操作支援につながる
振戦や不随意運動が強い方がキーボード操作を行う場合はそのタイピングの特徴が故にやりにくさを感じてしまうと思います。
フィルターキー機能はキーボードの反応時間の設定が非常に細かく設定できます。
そのため導入の際はクライアントと何度も繰り返し試してみること、また使いにくくなっていないか、さらに使いやすくならないか定期的なフォローも必要だと考えられます。
まとめ
本記事では、コンピュータアクセシビリティ機能であるフィルターキーについて解説しました。
- キーボードを押した時から入力が有効されるまでの時間を調整できる機能
- バウンスキー機能やキー入力の間隔、速度調整のオプションがある
- 不随意運動など瞬間的なキー入力が困難なケースに有効な機能