これからはパソコンや様々なデバイスで音声操作が一般的になると言われています。
音声操作といえば、SiriやGoogleの音声操作が有名ですが、実はWindowsだってVista時代からアクセシビリティ機能として音声操作機能が搭載されていたんです。
そこで本記事ではWindowsの音声操作は重度身体障害者への応用について解説します。
目次
Windowsで音声認識を行う方法
Windowsのパソコンで音声操作を行う際には…
- マイクのセットアップ
- チュートリアルの利用
- コンピューターに学習させる
…といった項目があげられます。
以下に詳しく解説します。
マイクのセットアップ
なによりもパソコンに音声を入力するためのマイクを接続する必要があります。
[スタート] ボタン → [コントロール パネル] → [コンピューターの簡単操作] → [音声認識] の順にクリックし、[マイクのセットアップ] からマイクのセットアップをはじめます。
パソコンマイクについてはこちら
チュートリアルの利用
Windowsにはこの音声操作を学ぶための手順…、チュートリアルが搭載されています。
初めて音声入力をする場合はこのチュートリアルに沿ってトレーニングする必要があります。
*すべて終わるのに30分程度かかるようです。
[音声認識]コマンド内の[音声認識チュートリアルの実施]によってチュートリアルの使用が可能です。
コンピューターに学習させる
Windowsの音声認識機能は音声認識を繰り返し使用し、学習させればさせるほど認識能力が向上するようです。
[音声認識]コマンド内の[コンピューターをトレーニングして認識精度を上げる]によって自分のコンピューターをより音声認識しやすいパートナーに育てることが必要です。
音声操作によく使用されるコマンド
音声認識で一般的に使用されるコマンドの例をいくつかあげてみました。
また、二重引用符のついた単語は、例に挙げた単語や語句の代わりに、さまざまな言葉を言うことができることを示しており、これにより有用な結果が得られます。
操作 | 使用する言葉 |
---|---|
名前により任意の項目をクリックする | “ファイル”、”スタート”、”表示”をクリック |
任意の項目をクリックする | “ごみ箱”をクリック、”コンピューター”をクリック、”ファイル名”をクリック |
任意の項目をダブルクリックする | “ごみ箱”をダブルクリック、”コンピューター”をダブルクリック、”ファイル名”をダブルクリック |
開いているプログラムに切り替える | “ペイント”に切り替え、”ワードパッド”に切り替え、”プログラム名”に切り替え、アプリケーションを切り替え |
一方向にスクロールする | 上にスクロール、下にスクロール、左にスクロール、右にスクロール |
ドキュメントに新しい段落または新しい行を挿入する | 新しい段落、新しい行 |
ドキュメント内の単語を選択する | “単語”を選択 |
単語を選択し、その修正を開始する | “単語”を修正 |
特定の単語を選択して削除する | “単語”を削除 |
適用できるコマンドの一覧を表示する | 音声操作の項目 |
現在利用できる音声コマンドの一覧を更新する | 音声コマンドを最新の情報に更新 |
コンピューターで聞き取りを開始する | 聞き取りを開始 |
コンピューターで聞き取りを停止する | 聞き取りを停止 |
音声認識のマイク バーを動かす | 音声認識を移動 |
マイク バーを最小化する | 音声認識を最小化 |
特定のタスクに関する Windows ヘルプとサポートの内容を表示する | “作業の実行”方法は? たとえば、「プリンターのインストール方法は?」と言うと、ヘルプ トピックの一覧が表示されます。 |
音声認識に使うマイクの種類について
マイクというと、デスクトップマイクとヘッドセットマイクが一般的ですが、音声認識の成功率の点で考えるとヘッドセットマイクの方が適しているようです。
音声操作機能が有効な対象疾患や障害
脊髄損傷の方に適応スムーズだと考えられますが、あまりにも高位のレベルでの損傷で構音障害を有している場合には音声の認識精度が低くなってしまう可能性があります。
ただしセッティング次第でカバーできる部分でもあるので、すぐに「できない」と諦めるのではなく試行錯誤が必要になります。
音声操作は今後期待される技術
Windowsのコンピュータアクセシビリティに限らず、iPhoneのSiri,Androidスマホの「OK!Google!」といった音声による認識操作はその精度の向上のため非常に一般化しています。
今後発展していくであろうIotの分野でも音声認識が標準になってきますから、そういった観点ではパソコン以外のあらゆる家電なども音声入力が可能になってくると考えられます。
さらにもっと一般化していくことで、重度心身障害を持つ方のパソコン操作のみならず、環境制御装置にも応用できる技術といえます。
音声操作は、今後の作業療法士としても非常に期待できるテクノロジーだと考えています。
まとめ
本記事では、コンピュータアクセしビリティ機能である音声入力について解説しました。
音声認識で使用されるコマンドは様々
- マイクのセットアップ、チュートリアルの利用、そしてコンピューターへの学習が必要
- 今後さらに発展していく技術なため、作業療法士は知識として身に着けておくべき