前頭葉の検査でも、比較的古くからあるものとして“Verbal Fluency Test(言語流暢性課題)”があげられます。
今回はこの“Verbal Fluency Test”の方法や対象、関与する脳の領域などについてまとめてみました!

Verbal Fluency Testとは?

Verbal fluency task(VFT)とは、“言語流暢性課題”と訳され、主に臨床では前頭葉機能の検査に用いられる神経心理学的検査の一つになります。
FABなどの下位検査に含まれているものの、まだVFTとして単独での妥当性や信頼性の検討、標準化などはあまりされていないようです。

Verbal Fluency(言語流暢性)とは?

そもそもVerbal Fluency…言語流暢性とはどのようなものなのでしょうか?
定義としては、

一定時間に言葉を想起(検索)する能力
…とされています。

VFTの方法

ではまずこのVFTの方法について解説します。

VFTには大きく分けて2つの方法があり、

①Thurstone-type task
②category naming task

…になります。
以下にそれぞれ詳細に説明します。

①Thurstone-type task

Thurstone-type taskは、1つorある音で始まる言葉を列挙させる課題で、“頭音連想課題”とも呼ばれています。
例:「あ」で始まる名詞をできるだけ多く言ってください→「あじさい」「あんぱん」「あるみかん」…

②category naming task

category naming taskは“範疇語連想課題”とも呼ばれるもので、意味による言葉を連想させる課題になります。
例:「知っている“鳥”の名前をできるだけ多く言ってください→「すずめ」「からす」「白鳥」「ニワトリ」…

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h4>VFTの目的について

VFTは主に前頭葉機能を検査する目的で行われますが、特に

長期記憶貯蔵からの取り出しと、条件に合致しているかどうかor既に出力した単語でないかどうかの吟味、さらに発声や書字などの出力へ
…という一連の機能を検査することも目的としています。

VFTの対象について

VFTは主に

・認知症
・脳血管障害
・頭部外傷
・統合失調症
・うつ病(一部)
…などの疾患を対象に行われることが多いようです。

VFTでわかる責任病巣

被験者の責任病巣によってVFTの課題でもつまづき方が変わってくるようです。

Thurstone-type taskの場合は左前頭葉に責任病巣がある場合、非常に遂行が困難になりミスが多くなる一方、
category naming taskは、左側大脳半球に責任病巣がある場合に影響を受けるものの、Broca領域より前方の左側前頭葉に責任病巣がある場合には影響を受けないようです。

流暢性の責任病巣

ちなみに、言語流暢性の機能に関与する脳の領域としては、

・腹外側前頭前野(左側)
・運動前野
・右小脳
…などがあげられます。

語の流暢性課題を含む神経心理学的検査について

前述したようにVFT(言語流暢性課題)は単独ではまだその方法や結果に対して標準化がされていないようです。
そこで、下位検査として語の流暢性課題を含む検査は以下のとおりになります。

HDS-R
FAB

まとめ

言語流暢性課題は単独ではまだ基準値などが設けられていないため、はっきりと前頭葉機能検査として使用することはできにくいでしょうけど、
口頭で、簡単にできることからもスクリーニング検査としては有用かもしれませんね!
“Thurstone-type task”と“category naming task”の方法や責任病巣なども考慮したうえで検査すると、その後の作業療法プログラムの立案に役立たせることができると思います。

作業療法士は語りたい!

“Thurstone-type task”に関してだけど、どの語音を課題にするかによっても結果が変わるという報告もあるんだ。
たしかに「あ」で始まる単語と「や」で始まる単語とでは難易度が変わってきますからね!

その他の前頭葉機能検査について

Trail Making Test(TMT)
ウィスコンシン・カード分類検査(WCST)
ストループテスト
ロンドン塔課題
FAB

参考論文

神経心理学的テストバッテリーのためのVerbal Fluency Test言語流暢性検査における脳活動について

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