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側頭葉 – 機能・区分・供給血管・障害・疾患などについて

 

側頭葉の機能や働き、そして障害された場合に起こり得る症状といてはどのようなものがあるのでしょうか?

本記事では、主に側頭葉の…

  • 機能
  • 損傷時の障害
  • 側頭葉が関わる疾患、疾病

…などについて解説します。

側頭葉とは?

側頭葉(Temporal lobe)は大脳葉のひとつで、脳の側面、外側溝の下に存在します。

英語では何という?

Temporal lobe

ラテン語では何という?

lobus temporalis

略号ではどのように表記する?

TL

側頭葉の機能について

では、側頭葉が担う機能とはどのようなものになるのでしょうか?

側頭葉は主に…

  • 記憶
  • 聴覚
  • 嗅覚
  • 言語理解

…といった機能を担います。

区分について

側頭葉といってもその範囲は広く、その領域で担う機能は変わってきます。

側頭葉は主に…

  • 横側頭回
  • 上側頭回
  • 中側頭回
  • 下側頭回
  • 紡錘状回

…に区分されます。

血液供給血管について

側頭葉への血液供給を行う主な血管は…

  • 中大脳動脈
  • 後大脳動脈

…になります。

中大脳動脈

中大脳動脈は,主に…

  • 前頭・頭頂・側頭葉の外側面

…への栄養供給に関与しています。

後大脳動脈

後大脳動脈は,主に…

  • 側頭葉内側面
  • 後頭葉

への栄養供給に関与しています。

側頭葉が関わる障害について

この側頭葉がなにかしらの病気や事故などで損傷を受けた場合、どのような障害を呈すう可能性が高くなるのでしょうか?

主に次のような障害があげられます。

  • 半側空間無視
  • 連合型視覚失認(意味型失認)
  • 同時失認
  • 感覚性失語(ウェルニッケ失語)
  • 皮質聾
  • 半盲
  • 読み書き障害(失読失書)
  • 記憶障害
  • 精神運動発作

以下にそれぞれ詳しく解説します。

半側空間無視

大脳半球病巣と反対側の刺激に対して、発見し報告をすること、反応すること、その方向を向いたりするといった認知的処理が障害される病態を言います。

半側空間無視の責任病巣の一つとして側頭葉もあげられます。
劣位半球の上側頭回は半側空間無視の病巣として、また下頭頂小葉が自己身体中心の半側空間無視に関わると考えられています。
また、上側頭回は対象中心の半側空間無視に関わります。

これは、従来の半側空間無視の責任病巣として“側頭-頭頂-後頭葉接合部付近”とされてきたことにもよります。

しかし、実際は側頭葉のみならず、頭頂葉や前頭葉の障害によっても半側空間無視の症状が現れるケースもあるようです。

関連記事:半側空間無視の責任病巣について

連合型視覚失認(意味型失認)

連合型視覚失認は、形態の認知は問題ない物の、認知された形に意味をもたすことができなかったり、それを意味に結びつけられない状態を言います。
両側の側頭葉辺縁系の損傷で生じると言われています。

同時失認

状況画の説明において細部の視覚認知は可能なものの、全体の意味理解が困難であることや、複数の視覚対象を同時に認知することが困難なことを言います。
部分ごとの視知覚は正常ですが、その部分と部分の互いの関係を把握することが困難になります。
その結果、全体の意味を理解することが困難になります。
損傷部位として、左後頭葉前方部あるいは後頭側頭葉損傷、もしくは両側後頭葉外側部損傷が報告されています。

感覚性失語(ウェルニッケ失語)

話し方としては流暢なものの、言い間違いが目立ち、言葉がうまく使えなくなる状態を言います。
特に聴いて理解することの障害と真似して言うことの障害を特徴としています。

優位側上側頭回後部の障害によって起こることが多いようです。

皮質聾

皮質聾とは、聾としての聴力低下を示した病態を言います。
両側上側頭回後部の障害によって起こります。

半盲

半盲でも、対側の上部同側性四分一半盲性視野欠損は側頭葉病変によるmeyer係蹄の障害によって起こります。

読み書き障害(失読失書)

側頭葉の障害によって、失語症に伴う読み書き障害を呈する場合があります。
加えて、左側頭葉後下部損傷によって、漢字に対しての失読失書の報告例も多くあります。

記憶障害

記憶障害でも、主にエピソード記憶に関しての障害が側頭葉の左右内側を損傷によって生じることがあります。
新しいことが覚えられない前進性健忘や、損傷イベント以前の記憶を失う逆行性健忘の両方の症状などがあげられます。

精神運動発作

精神運動発作とは朦朧状態を起こすことを言います。
側頭葉でも前内側部の障害によって起こります。

側頭葉が関わる疾患、疾病について

主に側頭葉が関わることで発症する疾患、疾病ですが次のようなものがあげられます。

  • 側頭葉ピック病
  • 側頭葉てんかん
  • 前頭側頭型認知症

以下にそれぞれ詳しく解説します。

側頭葉ピック病

ピック病の一種であり、側頭葉を中心に主病変があります。
超皮質性失語や言語常同症、無関心、失象徴症候群が出現しやすいと言われています。

側頭葉てんかん

側頭葉に焦点を有するてんかんのことで、上腹部不快感などの前兆、強直や自動症を伴う複雑部分発作など、発作の症状としては様々です。
また、海馬硬化を呈しするのも特徴といえます。

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症とは神経変性による認知症の一つです。
主に前頭葉と側頭葉前方の萎縮が確認されます。

症状としては社会性の欠如や抑制の欠如、感情の鈍麻や自発話の低下といったものがあげられます。

まとめ

本記事では、側頭葉の機能や損傷によって起こる障害や症状などについて解説しました。

側頭葉とは…

  • 脳の側面、外側溝の下に存在する大脳葉のひとつ
  • 主に、記憶や聴覚、嗅覚、言語理解といった機能を担う
  • 血液供給血管は中大脳動脈、後大脳動脈があげられる
  • 側頭葉が損傷することで、半側空間無視や感覚性失語、失認、記憶障害といった症状が生じる

作業療法士は語りたい!

側頭葉は主に読み書きや記憶に関わる領域ですから、
損傷すると学業や仕事といった活動に大きな影響を及ぼしそうですね。
高齢者の場合だと、記憶障害が生活上大きな問題となり得るだろうね!
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