“散歩”や“外出”という活動も、扱い方によっては作業療法的な活動にすることができます。

本記事ではリハビリテーションにおける散歩や外出という活動の治療的効果について解説します。

想定読者は…

  • 作業療法士
  • 看護師
  • 介護福祉士

…となっています。

散歩・外出について

散歩とは、

  • あてもなくぶらぶらすること
  • 散策

…という定義で表されます。

また、外出とは、

  • 外にでること
  • 他所にでること

…という定義になります。

このどちらも、家などから外にでるという共通した意味をもっていますがその違いは、目的の有無にあります。

散歩となると、特に積極的に何かをするという目的の意味を含んで使用されることは少ないかと思います。
一方、外出となると、家などから外にでる、他の場所に行って何かをする…というような何かしらの目的の意味を含んで使用されます。

散歩・外出の特性について

散歩や外出といった活動が持つ特性としては次のようなものがあげられます。

  • 歩行ができれば実施可能
  • 最小限の能動性と受身性を有する
  • 幅広い多様性を有している
  • 緩やかな集団特性を有する
  • 休養を含む遊びの特徴を持つ

以下に詳しく解説します。

歩行ができれば実施可能

散歩という活動による効果を最大限に受けるためには、歩行という移動手段を前提することが必要になります。
ただし、車椅子の自力駆動の場合や、介助による移動手段を前提とした散歩・外出の場合でも、その要素として得ることはできると思います。

最小限の能動性と受身性を有する

あくまで散歩・外出は自分で行き先を決定していくことが前提となります。
ここに最小限の能動性が含まれていると考えられます。
その上で、散歩は特に明確な目的を持たず、いい意味での行き当たりばったりの要素も含むことから、最小限の受身性を持っている活動という解釈ができます。

幅広い多様性を有している

散歩・外出は特に決められた方法がないため、年齢、環境、工程などによって非常に個人や環境によって変化に富んだ活動とされています。
そのため幅広い多様性を有している点がメリットとも言えます。

緩やかな集団特性を有する

仮に集団で散歩という活動を行った場合、大枠での集団の特性は有したとしても、その活動内の細かい目的は個人にゆだねられるため、基本的には個人的な色彩が濃くなります。
グループで実施する場合でも緩やかな集団性は有していたとしても、やはり個人的な活動とされるようです。

休養を含む遊びの特徴を持つ

散歩や外出という活動は、日常性と非日常性の中間領域に位置するため休養という要素を含む遊びの特徴を持つ活動とされます。

散歩・外出の治療的効果

では、実際に散歩や外出という活動にはどのような治療的効果が期待されるのでしょうか?

期待できる効果としては次のとおりになります。

  • 筋力の強化効果
  • 心肺・血管強化効果
  • 体脂肪燃焼効果
  • 脳の活性化効果
  • 免疫力増強効果
  • リラックス効果
  • 自律神経の調整効果
  • 骨密度の向上効果

以下に詳しく解説します。

筋力の強化効果

散歩や外出をすることで下肢を中心とした筋力の強化が期待できます。

心肺・血管強化効果

散歩や外出によって酸素摂取量が増え、心肺機能の向上が期待できます。
また血管の強化にもつながり、心臓血管病の予防効果も期待できます。

体脂肪燃焼効果

散歩や外出をすることで体脂肪を減らし、代謝を活性化する効果が期待できます。
その結果、インスリンの働きをあげ、内臓肥満や高血圧、糖尿病などの内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)を予防できます。

脳の活性化効果

散歩や外出といった能動的な活動をすることは、脳の働きを活発にします。
その結果、認知症の予防や症状の進行の遅延化などが期待できます。

免疫力増強効果

散歩や外出をし、一定のリズムを伴った歩行運動をすることでナチュラルキラー細胞を強化することができます。
その結果、がん細胞の活性化を抑制する効果が期待できます。

リラックス効果

適度な運動をすることで、ストレスや不安感、うつ状態の改善などリラックス効果が期待できます。

自律神経の調整効果

生態リズム、自律神経のバランス、体温体調を整えることで、眠りの質を改善したり、便通の改善効果が期待できます。

骨密度の向上効果

散歩や外出によって運動をすることで、骨芽細胞の活性化を促し、骨密度を高め骨を丈夫にする効果が期待できます。
その結果、骨粗鬆症といった予防につながります。

まとめ

本記事では、散歩や外出といった活動について解説しました。

散歩や外出は…

  • 散歩はあてもなくぶらぶらすること
  • 外出は外にでること
  • その違いは目的の有無にある
  • 個人的かつ多様性に富んだ活動
  • 筋力や骨密度の強化、リラックスや免疫力の増強効果などが期待できる

作業療法士は語りたい!

散歩や外出といった活動も、作業療法士が扱えば立派な治療的活動になるんですね!
ただなんとなく散歩を行うのではなく、どのような治療的効果に結びつけるか?という視点を持って促す必要があるけどね!
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