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ほぼ赤字経営?特例子会社の目的とメリット・デメリット、今後の課題について

 

障害を持つ人の就労や雇用支援に関わると、「特例子会社」というキーワードをよく目にします。
これは“障害者を雇用するための子会社”として扱われていますが、現在様々な課題があるようです。
今回はこの“特例子会社”について調べてみました!

特例子会社とは

特例子会社(とくれいこがいしゃ)とは、日本法上の概念で、障害者の雇用に特別な配慮をし、障害者の雇用の促進等に関する法律第44条の規定により、一定の要件を満たした上で厚生労働大臣の認可を受けて、障害者雇用率の算定において親会社の一事業所と見なされる子会社である。
引用:wikipedia

この歴史としては。1960年に制定された“身体障害者雇用促進法(現 障害者の雇用の促進等に関する法律)”が16年後の1976年に改訂され、企業の障害者雇用が義務化されたこと、さらに2002年10月に単一の親会社だけでなく、関連会社を含めたグループ全体で障害者実雇用率を算定可能に法改正がされたことを機に広まっていったようです。
ちなみに特例子会社は完全子会社の形で設立される場合が多いですが、地元自治体の出資を入れる事での第三セクターの形をとるものもあるようです。

目的

この特例子会社の設立の目的としては、“障害者の雇用の促進と安定”を図るためと言われています。
ただこれは主に障害者雇用率の向上と企業の社会的責任(corporate social responsibility:CSR)としての意味合いが強いようですね。

条件

この特例子会社が認定されるためには、以下のような条件が必要になります。

〇親会社への条件
・親会社が意思決定機関(株式総会etc)を支配していること
*具体的には、子会社の議決権の過半数を有すること

〇子会社への条件
・親会社との人的関係が緊密であること
・雇用される障害者が5人以上で、全従業員に占める割合が20%以上であること。
 また、雇用される障害者に占める重度身体障害者、知的障害者及び精神障碍者の割合が30%以上であること
・障害者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有していること
・その他、障害者の雇用の促進及び安定が確実に達成されると認められること

特例子会社のメリット・デメリット

では、企業がこの特例子会社を設立するメリットについて考えてみます。

メリットについて

〇企業(事業主)にとってのメリット
・障害者雇用率が高まる(その結果障害者雇用給付金の減額と、調整金等の支給を受けることができる)
・障害の特性に配慮した仕事の確保・職場環境の整備が容易となり、これにより障害者の能力を十分に引き出すことができる
・職場定着率が高まり、生産性の向上が期待できる
・障害者の受け入れに当たっての設備投資を集中化できる
・親会社と異なる労働条件の設定が可能となり、弾力的な雇用管理が可能になる

〇障害者にとってのメリット
・雇用機会の拡大
・職場環境が配慮されているので、個々人の能力を発揮する機会が確保される
・障害者の同僚が多いことから、気兼ねなく働くことができる
・サポートする社員(ジョブコーチ・産業カウンセラーetc)がいる

雇用する企業側、雇用される障害者側にとってそれぞれこういったメリットがあります。

デメリットについて

〇企業(事業主)にとってのデメリット
・障害者の雇用、育成、定着と経営とのバランスが難しい

〇障害者にとってのデメリット
・親会社やグループ会社のサポート事業に重きが置かれるため、人によっては物足りなさを感じる可能性がある
・給料が安い
・専門スキルが身に着かない

デメリットとしては業務内容と経営とのバランスがあげられます。
働く障害者にとっても負担ない業務で、かつ利益につながるものでないと事業を継続していくのは困難なのかもしれません。

特例子会社における雇用状況

平成28年6月の段階で、特例子会社の認定を受けている企業は448社であり、雇用されている障害者の数は26,980,5人のようです。
また雇用者のうち、

身体障害者:10,277.0人
知的障害者:13,815.0人
精神障害者:2,888.5人
とのことです。

特例子会社と障害者雇用枠との違いについて

では障害を持つ人が働くにあたり、“特例子会社”と企業の“障害者雇用枠”とのどちらで働くのが良いと言えるのでしょうか?
これは障害の程度と、その段階での「働き方」によって変わるのだと思います。
特例子会社と障害者雇用枠との大きな違いは、障害者が働くにあたっての「環境整備、配慮の程度」になるのかと思います。
「どちらが上位の働き方か?」という視点ではなく、「どちらが自分に合った働き方か?」という視点で選ぶとよいのかもしれません。

特例子会社における課題

調べてみるとほとんどの特例子会社の経営状況は赤字のようです。
その理由としては特例子会社の設立目的が「障害者雇用率達成の為」だけになってしまい、その結果黒字にしようとする意識改革や業務内容改革といった“カイゼン”がされないことがあげられます。
また、働く障害者の作業効率やそれをフォローする人的コストといったものも赤字の原因とされています。

しかし、中には特例子会社でも黒字経営の会社もあります。
その違いは、やはりその作業をしっかりと作業分析によって細分化し、効率化を図っているかどうか?にあるようです。
そして雇用されている障害を持つ人の特性に合わせ、業務分担を行ったり作業環境を整備したり…という工程を踏んでいるかどうかにあります。
「赤字でもいい」と業務を丸投げするか、「黒字にする」と言って業務を効率化するかの違いが、特例子会社の経営に関わってくると言えます。

まとめ

障害を持つ人が働く場合の一つの選択肢として「特例子会社」にフォーカスしてまとめてみました。
環境や規則といったものが整備されている分、障害を持っていても働きやすい環境にあるのかもしれませんが、その反面“やりがい”や“赤字経営”といった課題が顕在化していきます。
しかし、その“やりがい”という仕事への取り組み方も、“赤字経営”を解決するための作業分析と効率化も、どちらも作業療法士は解決策につなげることができる課題ともいえます。
そう考えれば、もっと作業療法士ができることって多いんじゃないでしょうかね?

作業療法士は語りたい!

もっと特例子会社で働く作業療法士が居てもいいですよね!
現段階ではほぼ皆無だろうね!
ただ僕のイメージとしてはその特例子会社内に作業療法士が独占的に雇用されるよりは、
外部コンサルタントとして委託されるような形の方が、後のフェイディングのことも考えるとピッタリなような気がするんだ。
やっぱりもっと企業や産業分野での作業療法士の認知度向上が必要なんでしょうね!
その一助になるための「産業作業療法研究会」なんだけどね!(営業)
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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