半側空間無視の発生機序、発生メカニズムを勉強していくと“空間性注意の神経ネットワーク”というものにたどり着きます。
そこで今回はこの空間性注意の神経ネットワークについて備忘録的にまとめてみました!

空間性注意の神経ネットワーク


“空間性注意の神経ネットワーク”とは、1999年に“M M Mesulam”によって提唱された仮説で、半側空間無視の発生メカニズム仮説としては有力な仮説の一つです。
これは、反対側空間の知覚入力統合を行う頭頂葉後部、動機づけを行う帯状回、運動出力統合を行う前頭葉、これら3つの領域を賦活する網様体賦活系が全体で脳内ネットワークを構成している…という説からなります。
これらの領域は相互作用しているため、どこか一つでも障害されれば空間性注意機能全体が破綻してしまう…ということになります。

損傷部位別で無視の症状の現れ方が変わる?

となると、空間性注意の神経ネットワークにおいて、損傷を受けた領域別で同じ半側空間無視でもその症状の出現のしかたが変わってくる…ということになります。

後方病変:線分二等分試験で無視が現れやすく、末梢試験の成績が比較的良好
前頭葉or基底核病変:末梢試験では無視を示すが、線分二等分線試験の成績が良好
…といった報告もあります。

前頭葉損傷の場合は運動的探索の側面に、頭頂葉損傷の場合は感覚・表象的側面に無視が現れやすいことになります!

空間性注意について



ではそもそもこの“空間性注意”とはどのようなものになるのでしょうか?
空間性注意(spatial attention)とは、空間上のある一からくる感覚入力に対して、検出力・弁別力が高まる現象…と定義されます。
ここでいう検出力とは物の中に隠れている必要なものを見つけ出す能力、弁別力とは2つ以上の異なる刺激の間の差異を感知する能力…と解釈されます。

空間性注意=感覚性要素+運動性要素

空間性注意は“感覚性要素”と“運動性要素”の2つの要素から構成されていると考えられます。
この感覚性要素は下頭頂小葉で、運動性要素は下前頭回から中前頭回の後部が担っていると考えられています。

それぞれの損傷部位で無視の側面が変化する?

上述した損傷部位と無視の症状の現れ方の変化に追記する形ですが、

・感覚性要素(下頭頂小葉)の損傷:線分二等分線試験での無視が目立つ
・運動性要素(下前頭回から中前頭回の後部)の損傷:標的を選択する探索課題で無視が目立つ
…と区別することができます。

まとめ

半側空間無視の発生メカニズムを考える際に、一概に頭頂葉の病変…とは言い切れないことがわかりました。
有力な仮説の一つとしてですが、この空間性注意の神経ネットワークを理解することで、目の前の半側空間無視のクライアントがどのような無視の症状を有しているのかを判別することができ、
そこからはじめて適切な作業療法プログラムを組むことができるんでしょうね!

作業療法士は語りたい!

…難しくてさっぱりです(笑)
確かに半側空間無視を発生メカニズムから紐解いていくと、かなりドツボにハマっていきそうだからね。
脳領域の機能と照らし合わせて覚えていく必要があるんでしょうね!
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