クライアントの髭剃り動作における問題点を抽出するためにはその工程や動作をしっかり分析的に評価する必要があります。
そこで今回は髭剃り動作の工程、動作分析についてまとめました。
目次
髭剃り動作の工程について
髭剃り動作一つでも、その人によって工程や方法は様々です。
そのなかでも基本的な工程としては次のようなものになります。
- <①プレシェービング
- <②髭と肌を柔らかくする
- <③シェービングジェルを使用する
- <④“順剃り”によるシェービング
- <⑤“逆剃り”によるシェービング
- <⑥“張り手”によるシェービング
- <⑦すすぎ洗い
- <⑧アフターシェービングローションを使用する
①プレシェービング
髭剃りの前段階の準備を“プレシェービング”と言います。
主に洗顔やプレシェービングローションを使用することを指しますが、目的としては顔に付着したほこりや汚れを落とすこと、髭や皮膚が痛まないように予防することとされています。
この工程を構成する動作としては
- ローションへのリーチ動作
- ローションの開閉動作
- ローションの顔への塗布動作
- 洗顔動作
…などがあげられます。
②髭と肌を柔らかくする
プレシェービングの工程後は、カミソリ負けを防ぐために蒸しタオルなどで髭と肌を柔らかくします。
髭は水分が与えられると膨張し柔らかくなる性質があること、また皮膚を温める事で毛穴の拡張を促し、汚れを落とし清潔な肌環境を整えるためとされています。
この工程を構成する動作としては、
- 蒸しタオルの準備
- 蒸しタオルへのリーチ動作
- 蒸しタオルの顔への押し当て動作
…などがあげられます。
③シェービングジェルを使用する
蒸しタオルなどを髭に押し当てるだけでなく、さらにシェービングジェルやフォームを使用する場合もあります。
シェービングジェルやフォームを使用することで、成分が皮膚を保護し、肌に潤いを与えて炎症トラブルを防いでくれます。
クライアントがどのような方法でカミソリ負けの予防策を行っていたのか聞き取りをしたうえでそれに合わせた工程を踏む必要があります。
この工程を構成する動作としては、
- ジェル(フォーム)へのリーチ動作
- ジェル(フォーム)の開閉動作
- ジェル(フォーム)の顔への塗布動作
…などがあげられます。
④“順剃り”によるシェービング
肌を守り、髭を剃りやすくする工程を踏んだ後に、はじめて髭剃りを行います。
まず初めに、自分の髭が生えている方向を確認しその方向に沿って剃る“順剃り”を行います。
この順剃りは比較的肌への負担が少ない剃り方の反面、どうしても剃り残しができてしまうデメリットもあります。
この工程を構成する動作としては、
- カミソリ(シェーバー)へのリーチ動作
- カミソリ(シェーバー)の準備動作
- カミソリ(シェーバー)による順剃り動作
…などがあげられます。
⑤“逆剃り”によるシェービング
順剃りによる髭剃りを行った後は、剃り残しの部分をピンポイントで剃る“逆剃り”を行います。
この逆剃りは髭の生えている方向とは逆に剃ることで深剃りをすることができるので、より剃り残しを少なくすることができます。
この工程を構成する動作としては、
- カミソリ(シェーバー)へのリーチ動作
- カミソリ(シェーバー)の準備動作
- カミソリ(シェーバー)による逆剃り動作
…などがあげられます。
⑥“張り手”によるシェービング
最後の仕上げとして行う剃り方が“張り手”になります。
この張り手は剃刀やシェーバーを持っていない側の手で皮膚を剃る方向とは反対の向きに引っ張ることで深剃りを行う方法です。
皮膚を引っ張ることで、寝ていた髭が立ち、よりきれいに剃ることができます。
この工程を構成する動作としては、
- カミソリ(シェーバー)へのリーチ動作
- カミソリ(シェーバー)の準備動作
- 剃る部位の皮膚を引っ張る動作
- カミソリ(シェーバー)によるシェービング動作
…などがあげられます。
⑦すすぎ洗い
3つの髭剃りの工程を行った後は、冷水によってシェービングジェルやフォームを洗い落とします。
冷水を使用するメリットとしては、開いた毛穴を引き締めることでかゆみや赤みを抑えることができます。
この工程を構成する動作としては、
- 洗顔動作
- タオルで拭きとる動作
…があげられます。
⑧アフターシェービングローションを使用する
よりカミソリ負けなどによるダメージを減らすためにも、“アフターシェービングローション”を使用する場合があります。
この工程を構成する動作としては、
- ローションへのリーチ動作
- ローションの開閉動作
- ローションの顔への塗布動作
…などがあげられます。
まとめ
髭剃り動作を分析的に評価すると、非常に多くの工程で構成されているのがわかります。
またそれぞれの工程に必要な動作は比較的同じ動作の繰り返しで成り立っていることもみて理解できます。
クライアントが髭剃り動作を自立できない、行えてもどこか努力的…という場合は、これらの工程に当てはめた上でどの動作に問題を抱えているのか明確にする必要があると言えます。