前鋸筋は胸部の前筋で、胸の上外側部に肋骨と肩甲骨の間に位置する薄い筋肉になります。
今回はこの前鋸筋の起始、停止や支配神経、基本的な働きについて解説します。
目次
前鋸筋の起始・停止について
前鋸筋の起始、停止についてですが…
- 起始:肋骨(第1~第9)腱弓
- 停止:肩甲骨内縁
…となります。
以下に詳しく解説します。
起始
前鋸筋は胸郭の側面を被い、8~10個の筋尖が第1-第8~第10肋骨側面から鋸の歯の形をなして起こり、胸郭と肩甲骨との間を後内方に走ります。
停止
前鋸筋は肩甲骨内側縁と上角及び下角の肋骨面に停止します。
もう少し詳細に説明すると、第1,2肋骨とその間の腱弓からの筋束は上角に、第2,3肋骨からは分散して広く内側縁に、第4肋骨以下からは下角に集まります。
前鋸筋の支配神経
前鋸筋の支配神経についてですが…
長胸神経(C5~C7)
…となります。
前鋸筋への血液供給動脈について
前鋸筋へ血液供給している動脈には…
- 外側胸動脈(上部)
- 胸背動脈(下部)
…があげられます。
前鋸筋の主な働き
前鋸筋の主な機能としては、
・肩甲骨を前外方に引く
・肋骨を引き上げる(肩甲骨が固定されている時)
・肋骨を引き上げる(肩甲骨が固定されている時)
前鋸筋は主に肩甲骨をつきだす作用に働くと同時に肩甲骨の上方への回旋にも働きます(この時関節窩が上方に移動し肩甲骨を胸壁近くに保持します)
また、肩甲骨が固定されると、肋骨を拳上させる作用に働きます。
前鋸筋を英語で何て言う?
Serratus anterior muscle
前鋸筋をラテン語で何て言う?
M.serratus anterior
読み方
セレイタス アンテリア