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籐細工によるリハビリテーション – 作業療法における目的や治療的効果について

 

作業療法の場面で多く使われる“籐細工”ですが、きちんと目的をもって使用すると非常にリハビリテーションとして有益なアクティビティになります。
そこで今回はこの籐細工を用いた作業療法によるリハビリテーションについて解説します。

籐細工とは?

一般的に籐細工とは、

籐の茎で細工をすること。また、その細工物
…とされています。

特徴

籐細工の特徴としては、

籐細工を作業療法で利用する際の準備について

籐細工を作業療法で利用する際には、以下のような準備が必要になります。

使用道具

籐細工に必要な道具としては以下のとおりになります。

  • はさみ
  • 鉛筆
  • 目打ち
  • ドライバー
  • ものさし
  • 金槌

はさみ

先のよく切れるもので花鋏なども使いやすくておすすめです。
選び方としては刃先の短いものの方が力を入れやすく、きれいに籐を切ることができます。

鉛筆

寸法を割り出すことや作図に使用します。

目打ち

編み目の間に足し芯をする場合、すき間を作るのに便利な道具です。
“千枚通し”でも代用可能ですが、どちらも先が尖りすぎていないものの方が籐を傷つけずに済みます。

ドライバー

網み目、堅芯の間隔をきれいに整えるのに重宝します。

ものさし

採寸に必要な道具です。
巻尺もあれば、円周や縁回りの寸法を測るのに便利になります。

金槌

釘を打つのに必要になります。

大小の釘を用意します。
大きい釘は大きな作品を制作する際に、太い籐で土台を組む場合に使用します。
小さい釘は各編みの堅芯を組む際、はじめに数か所、寸法の書いてあるいたに、堅芯を仮に固定するのに使用します。

籐細工の特性について

作業療法における籐細工の特性については以下のとおりになります。

  1. 繰り返しの工程が多いこと
  2. 変化に富んだ動作も提供できること

①繰り返しの工程が多いこと

籐細工は基本的な編み方を理解すれば、1つの工程自体は繰り返しの要因が多いアクティビティになります。
そのことからも、対象者に連続した同一の動作を繰り返し与えることができます。

②変化に富んだ動作も提供できること

加えて、かご編みの場合は、胴の編み込みから縁の始末に至る工程において、編む、組む、結ぶ、ねじる、巻く…といった比較的変化に富んだ動作が求められます。
制作する作品の種類やその工程によっては、多くの変化に富んだ作業が必要となることから対象者を飽きさせず、かつ工程の切り替えなどの能力が求められます。

籐細工の治療的活用について

では、作業療法において籐細工はどのような治療的活用をされ、どのような効果が期待されるのでしょうか?
主なものとしては、

  1. 上肢機能の向上効果
  2. 手指機能の向上効果
  3. 作業耐久性への向上効果
  4. 集中力の向上
  5. 知的能力への働きかけ
  6. 動作学習の汎化

…などがあげられます。
以下に詳しく解説します。

①上肢機能への向上効果

籐細工は上肢の運動機能面において主に関節可動域や筋力の維持を目的とする場合が多いとされています。

②手指機能の向上効果

手指の巧緻性の向上についても、現在持ち合わせている能力として可能な動き(作業能力)を発揮する手段としての効果が強いとされています。

②作業耐久性への向上効果

籐細工の作業工程そのものよりは、作業肢位がこの作業耐久性への向上効果につながることとされています。
通常、籐細工は座位姿勢で行うことが多い作業であり、座位姿勢保持の向上を目的として活用される場面が多い傾向にあります。
しかし、制作物の形状や大きさを利用し、敢えて立位姿勢で実施し、立位姿勢の保持能力の向上を促すという応用的な活用も可能になります。

③集中力の向上

籐細工の工程を遂行していくにあたってはある程度の集中力を要します。
どの程度の時間を集中して行えるのかという評価的な視点だけでなく、少しずつ作業工程数を増やしていき集中力の持続時間の向上を図っていくという手法も利用できます。

④知的能力への働きかけ

籐細工自体は、その作品の大きさによっては短時間で完成することができます。
そのため作業遂行による成功体験を持たせることができやすいアクティビティの一つとも言えます。
作品を完成させる成功体験から、対象者自身の興味の拡大、余暇時間の過ごし方の提案や趣味の創出、そして社会参加や役割の創出といった課題にまで籐細工を利用して介入することができます。

⑤動作学習の汎化

籐細工の編み方は1つでも習得すると、他の作品に汎化することができる点から非常に動作学習の汎化に富んだアクティビティとされています。
つまりその編み方を一つの技術(スキル)として利用し、他のアクティビティにつなげ、拡大することも可能性としてはあるということになります。

まとめ

作業療法の場面では多くみられるアクティビティの一つである籐細工ですが、改めてその目的や治療的効果を考えると非常に汎用性に富んだアクティビティとも言えるかと思います。
今一度、この籐細工を見直してみるのもおもしろいかもしれませんね!

作業療法士は語りたい!

どちらかと言えば“座位耐久性の向上”を目的に籐細工を利用する場合が多い印象を受けます!
ただどんな目的でも、クライアント自身が興味とその作業に意味を持って取り組めるような前提を
作業療法士側が作った上で提供しないと効果は薄れてしまうだろうね!
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