作業療法士がクライアントへ行う評価・測定のうち、基本的だけど非常に重要な技術として「観察」があげられます。
でもこの観察という技術は数値化できない分、その力量は個人差が大きく、観察を行う人やその環境によって大きくばらつきがあります。
今回はこの「観察力を高めるステップ」についてまとめてみました!!

観察とは

観察(かんさつ、英: observation)とは、対象の実態を知るために注意深く見ること。その様子を見て、その変化を記録すること。どれだけその変化を見つけられるかが重要である。
引用:wikipedia

ちなみに観察の「観」は、見ること、眺めることに加えて、直観、人間観、人生観、楽観、悲観、といった心中にとらえる見方、「察」は詳しく調べる事、察知、推察、明察のように推し測ることも意味していることから、
クライアントをただぼんやり眺めるだけではなく、情報を得ようと意識的に観る事、といえます。

観察力を高めるための3つのステップ

クライアントに対しての観察力を高めるためには以下の3つのステップがあげられます。

フォーカスする


クライアントの事象一つ一つに焦点を合わせ、客観的に捉えることが重要です。
先ずはそれぞれ観察をして気づいたことを箇条書きのようなイメージで羅列していくことがより多くのモノゴトを観察し捉えるためのコツと言えます。

類推する


フォーカスし観察したポイントから、「関係性」と「背景」を推理していくことがここでの工程です。
それぞれのフォーカスして得られたポイントをつなげ、まとめ、広げていく…というイメージです。

フィードバック


観察で得られた情報のいわば答え合わせの工程と言えます。
その答え合わせの方法は様々ですが、身体的な課題に対しての観察の場合は検査バッテリーによる検査や測定、触診や動作や活動によってその観察での情報を照らし合わせる…などがあげられます。
また精神、心理に関する観察の場合は、体系化された検査を行う、本人に聞く、状況や場面を変えて再度観察する、などがあげられます。
いずれにしても、観察で得た情報の精度を上げるためには、観察以外の評価の結果と照らし合わせてみる…という工程が必要と言えます。

この3つのステップは繰り返し行うことで、クライアントに対する観察力を高めることができます。

観察力を高めるコツ

では、そもそもこの「観察力」を効率よく高めるためにはどうしたらよいでしょうか?
臨床や現場ではもちろん、「普段から何気ない変化に気づくよう心掛ける」ことも大事ですが、どうしても個人差ができてしまいます。
経験を重ねることである一定の観察力は身に付きますが、やはり短期間で効率的に鍛えるには、「観察のための知識」を得る事だと考えます。

例として、クライアントが疲労しているかどうかを観察するには、ただ闇雲に観察するよりは、

・表情運動の不活発
・口のまがったような笑い
・眼球運動の遅鈍化
・瞳孔縮小
・生あくび
・乾燥した舌
・何度も聞き返す
・ためいき
・肩が落ちる
一部抜粋:疲労の研究 (1979年)

といった、観察目標に関する知識があるのとないのとでは、その結果に大きな違いが出てきてしまいます。
「観察するにもセンスがない…」と嘆く前に、知識を得る事でしっかりとそのセンスを補うことができるはずです!

まとめ

作業療法士にとってどんなクライアントに対してもまず行うのが「観察」です。
この観察がしっかりとされていないのに、どの評価を行ってもその精度は低いままであり、そのクライアントの課題解決には繋がりにくいものになってしまいます。
しっかりと観察に関する知識を身に着けることが、観察力を鍛えるには重要な項目と言えます!

作業療法士は語りたい!

いろんな理論やテクニックを身に着けることも臨床や現場には必要だけど、
こういう基本的な技術をしっかりと見直すことも必要なんだよね!
どんなテクニックにも応用できることですからね!
sponsored Link