キャリア

自分の臨床に迷ったら、先人・偉人による名言から振り返ったらいいと思うんよ。

 

作業療法士は基本、悩んでいます。
「このやり方でいいのか?むしろ“作業”ってなんじゃい?」ってごっちゃごっちゃに悩みながら臨床や現場でがんばっています。
そんな時には作業療法の先人・偉人の名言からヒントを得てみるのもいいんじゃあないでしょうかね?

ガレン(Galen)


古代ギリシャの医師であるガレン“Galen(130~201AD)”は作業について、

「自然の最良の医師である」
「人間の幸福に不可欠である」
…と述べています。
まだ“作業療法”という言葉も、概念もなかった時代に、このガレンは、美術や音楽、仕事、遊びといった作業が心身の機能を回復させることに気づいていたということは驚きです!
ちなみにこのガレンの考えは、後にヨーロッパの医学に影響を与えたとされています!すごい!!

ラスク(Rusk)


アメリカ空軍の軍医であった“Howard A.Rusk(1901‐89)”は作業について、

「全体的ニーズに対応する治療手段である」
…と述べています。
第2次世界大戦中に、軍病院に放置されていた多くの負傷兵に対して訓練を行い、自立生活を可能にし、さらに労働に復帰させるという貢献をしたようです。
そうした経験から、その後の医学的リハビリテーションの体系を確立していったとされています!

キールホフナー(Kielhofner)


人間作業モデルの提唱者である“Gary Kielhofner”は、作業について、

「人間性の保持に大切で、除外は健康への脅かしになる」
人間作業モデルを勉強すれば必ずでてくるのがこのキールホフナー氏の名前。
作業の必要性を“人間性”という包括的に表現するあたりがさすがです(笑)。

ピネル(Pinel)


フランスの医学者、精神科医である“Philippe Pinel(1745-1826)”は作業について、

「道具と規律を保つ最良の手段、理性の回復、病的思考の連鎖を断ち切る」
「関心を楽しいものに向けさせる」
「興味を取り戻し、もとの仕事に復帰する。勤勉と忍耐に立ち戻ることは、完全回復への最良のきざしである。」
「開放的環境」
…と述べています。
何かしらの疾患、障害を抱えての生活はどうしても病的な思考に陥ってしまいます。
その結果ズルズルと負の連鎖でなかなか前に一歩進めなくなってしまうこともあります。
当事者自身が興味があり、関心がある“作業”そのものが、この負の連鎖を断ち切る効果があるってことをピネル医師は知っていたのでしょうね!

ダントン(Dunton)


アメリカの作業療法の父と称される“William Rush Dunton”は、作業について、

「病におかされた心、身体、魂は作業によって癒される」
「万人が喜びある作業:趣味をもつべきなり、趣味が豊かであるほど、より広い興味とより普遍的な知性がつくりだされる」
趣味活動の必要性とも解釈できるこのダントンの名言は、決して医学的な意味での作業療法を指しているのではない気がします。
病気や障害に関与する作業療法だけではなく、人間関係のトラブルや生きていくうえでの挫折といった広義での社会的なリハビリテーションとしても作業の必要性がある…と解釈できます(勝手にですが)!

マイヤー(Meyer)


作業療法の哲学を提唱した医師である“Adolf Meyer”によると、作業について、

「時間を組織化し、生存を維持し、均衡を保つ機能を持つ」
人間の活動、生活に関わる時間を組織化することで、安定した暮らしにつながる…ってことでしょうね!
規則正しい生活の必要性とも捉えられます。
…反省(苦笑)。

スパックマン(Spackman)


“Clare S. Spackman”によると、作業・活動について、

「活動は身体の部分で分析して選ぶべきであり、段階付けての使用が推奨される」
…とされています。
“作業”や“活動”を分析的な視点でとらえる必要性を訴えています!
ちなみにWFOTの設立にも関わった作業療法士です!

リヒト(Licht)


“Sidney Licht”によると、作業について

「対人関係の改善によって再建を方向付ける」
…と述べています。
様々な作業、活動における“対人関係”という人的環境の影響について考慮させられる名言と言えます!

ウエスト(West)


“Wilma L. West”によると、作業は、

「コミュニケーション、全体的ニーズへの適合、非言語的コミュニケーションの代償、人間関係のきっかけ、作業が導く反応、要望の高い一般的な作業、個人や集団への指導が求められる」
「何を治療媒体として使うかよりなぜ使うのかが重要、治療効果をあげるために、媒体をいかに使いこなすかが決め手、評価者・コンサルタント・指導者・研究者の役割をこなし、予防医学・地域社会で実践が望まれる」
実際にアメリカの保健医療福祉関係の機関でのコンサルタントとしても活躍していたため、視点が非常にアカデミックな印象を受けます!

トレーシー(Tracy)


看護師である“Susan Tracy”によると、作業について

「動物が罠にはまったような無力状態を生き生きとした状態に変える」
…という表現をしています。
また、作業療法におけるアクティビティでの作品作りについては、
「作品のできばえが問題ではなく大切な作品は患者さん自身である」
…とも述べています。
ちなみにトレーシーは作業療法士は最初は看護師として訓練、教育されるべきだと考えていたようです!

スレイゲル(Slagle)


“Eleanor Clarke Slagle”によると、ICFにおける“参加、参加制約”に対して作業は、

「習慣反応が健康の回復と維持に役立つ」
AOTAの創設者メンバーでもあるスレイゲルは作業、活動を日常的な“習慣”としての必要性として捉えていたようです!

バートン(Barton)


作業療法という名前を考案したアメリカの建築士“George Edward Barton”によると、個人因子における作業療法について、

「作業療法はものをつくることではなく、1人の人間をつくることである」
…と述べています。
自身もうつ病を経験し、そこから立ち直った経緯から作業が持つ“人を立ち直らせる力”に気づき、建築士という職業の幅を超えた活動が行えたのかもしれません!

まとめ

作業療法においての“作業”の重要性、作業そのものが持つ力についての先人の発言を“名言”として一部紹介させていただきました!
こうして改めて作業について振り返ってみると、“作業”というものについては非常に昔から考えられてきて、追求されてきたんだと気づかされます。
自分の臨床や現場での作業療法に悩んだら、過去の偉人による名言からヒントを得るといいかもしれませんね!

作業療法士は語りたい!

先人、偉人による“作業”の解釈、捉え方、定義はもちろん大事だけど、
それを大事にしながらも時代に合わせて変化をしていく必要はあると思うんだ!
“作業療法”がもつ力や恩恵についてもっと広めるためにも、
時代の変化に合わせた取り組みは重要でしょうね!
「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。」
って“進化論”で有名なダーウィンも言っていたからね!
“作業療法”自身も変化していかなきゃいけない段階なんでしょうね!

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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