キャリア

いま改めて、作業療法と他職種を掛け合わせる必要性を考えてみた。

 

作業療法士のキャリアアップを考えると、どのような方法があるんでしょうかね?
今回は少し、「他職種と掛け合わせる」という必要性をテーマに考えてみました!

作業療法は、その範囲の広さがボトルネックなんです


作業療法って非常に扱う範囲が広いです。
上肢や手指の専門家…という人もいれば、精神や心理のリハビリ…という人もいるし、
レクリエーションやアクティビティを得意とする作業療法士もいれば、福祉用具に特化した作業療法士もいるし…。

この広さが持ち味であり、強み…とも言えるでしょうけど、やはり一般的には「何をしている職種かわからない」とされる理由の一つじゃないでしょうかね?
だからどうしても「リハビリ=平行棒で歩く練習やマッサージ」という理学療法ライクなリハビリテーションのイメージなんだと思うんです。

「作業療法をもっと世間に!」っていうんだったら、まずはこの範囲の広さが自分たちの首を絞めていること、ボトルネックになっていること…という発想が必要なのかと。

短時間でのキャリアをつくるには差別化が必要


少し「キャリア」という点で考えてみます。
作業療法士という一つの職種、キャリアとしてみる場合どのようにデザインしていくか?って重要です。

手元に2015年のデータしかなかったので恐縮ですが、有資格者は74801人だそうです。

将来、作業療法士としてこの7万人強の中から生き残る人材とするには、早い段階で自身の作業療法士キャリアを作る必要があります。

世の中がものすごいスピードで変化している昨今を考えると、「ゆっくりとじっくりと経験年数を重ねて行けば強みになるだろう」…はもう通じない時代だと思います。
できるだけ短時間で、この7万人強の中から一つ抜き出た…差別化された作業療法士になる必要があると言えます。

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キャリアを考える“掛け算”という発想


どう差別化するか?という話になりますが、一つの提案として「他業種との掛け合わせ」があります。
作業療法士という職種のカテゴリーである“医療”や“介護、福祉”とは異なる業種との掛け合わせです。

キャリアデザインの手法に得意分野を掛け算てきに形成していく…という考え方があるのですが、
“作業療法士”に“福祉用具”という掛け算をしても、これだけでは抜き出たキャリアとは言えません。

これに“作業療法士×福祉用具×IT”と、医療、福祉業界とは異なる“IT”という業種をかけ合わせる事で、グッと差別化を図ることができます。

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他業種との掛け算はリスクヘッジにつながる?


この“キャリアの掛け算”の発想は実は自信が働くにあたってのリスクヘッジにもつながります。
万が一…作業療法士による診療報酬が激減し、作業療法士自身の給料が下がったら?
万が一…自分が病気をし、今までのように働けなくなったら?

自分の得意分野を一つの業界、業種に絞りすぎてしまうと、
万が一それが破たんしたときに次の一歩が非常に踏み出しにくくなってしまいます。

作業療法士はスペシャリストかゼネラリストかという課題について


よく話題にあがるのが、「作業療法士はスペシャリストであるべきか?ゼネラリストであるべきか?」という話題。
「医療人、セラピストとして自分の技術、知識を専門的に深めていくべき」という意見も正解。
「クライアントの生活支援の為、幅広い技術、知識が必要」という意見も正解。

…むしろ、どっちか?という発想自体がナンセンスなのかなと。

作業療法士はT型人材?


“新 将命”さんという株式会社国際ビジネスブレインという会社の代表取締役社長の著書でみたのですが、「何か一つの専門性を持っている上に、他の複数の分野についてもそれなりに知識とスキルを身に着けている人」を“T型人材”と呼ぶそうです。

これはアルファベットの“T”の形のように幅広い視野と1つの深めたスキルを兼ね備えている人材…ということになります(ちなみにスペシャリストは“I型”です)。

こう考えると、作業療法士って潜在的にT型な人が多いんでしょうね。

ニッチなターゲット選定の必要性


さて、作業療法士のキャリアデザインに話をまた戻しますが、掛け合わせる分野、業種は少しニッチなものでいいんじゃないかな?なんて思ってます。
ニッチって“隙間”って意味です。

作業療法というただでさえ幅を広い分野を扱う職種で、親和性が高いものだけを掛け合わせたところで、もっと偉い人、優秀な人が先に手を付けちゃっていますし、ちょっと調べれば先行研究をやっちゃってたりします(苦笑)。
僕のように地方在住の小さな病院の作業療法士が、メジャーなテーマ、メジャーな分野で勝負してもちょっと勝てそうもないのかと(まじで)。

だったら少し変化球な…マニアックなものを掛け合わせた作業療法士のキャリア形成をしたっていいのかと。
…もちろん、受容も考えないといけないですから、ニッチ過ぎても独りよがりになってしまうでしょうけど。

元トラック運転手の後輩作業療法士の例


例としてあげると、後輩に“元トラック運転手”の作業療法士がいるんです。
たまに「職業:トラック運転手」というクライアントが入院した場合担当になるのですが、彼の着眼点にはやはり一目置いてしまうことが多くあります。

いままでもいくつかトラック運転手としての復職をテーマにした学会発表もしていますが、ただの自動車運転に対しての支援ではできないような細かい評価、訓練、支援をしていました。
彼の作業療法士としてのキャリア形成は“作業療法士×自動車運転×トラック”って形になるでしょうかね。

自動車運転に力を入れている作業療法士は多くても、トラックの運転…にまで詳しい作業療法士ってほとんどいないんじゃないでしょうか?
この時点で彼は「トラック運転支援に特化した作業療法士」という意味ではトップだと思います!

多様化する社会、生活の変化に対応するには?


現在の生活様式って非常に多様化しています。
もちろんこれってインターネットの恩恵なんでしょうけど、仕事に関しては数十年前のように「有名になる為には東京にいかなければならない!」とか、「キャリアアップ=出世」というだけではなくなってきました。

誰だって自由に情報発信ができますし、多くの人と意見交換もできます。

こんな「いろんな生き方が認められるつつある時代」で、自身のキャリア形成をしていくには、非常に早いスピードが求められます。
そのためにも、誰も気づかなかった…、誰も手を出してなかった…、でも実は受容があるジャンル、テーマ、領域、業界、分野を自分に取り込んでいくことなのかなって思うんです。

まとめ

作業療法プレスの今後の運営方針も考えていくと、自分のキャリアをどのように組み立てていくかなーって考えたので、今回少し意見を吐き出すようにまとめてみました。
今後、作業療法士として生き残るにはどうしたらいいか?
メジャーな方法ももちろん大事ですが、ちょっと変化球…まあ、言ってしまえばインディーズ的な方法があってもいいのかなーって思うんです(笑)

作業療法士は語りたい!

作業療法士をはじめ、医療系の人ってよくも悪くも「まじめ」な人が多いから、
どうしても偏ってしまうことが多いような気がします。
「まじめ」であることは悪いんじゃないけど、「バカまじめ」だとちょっと困っちゃうだろうね!(泣)
でも、作業療法士は他の医療系の職種より「掛け算」しやすい職種な気がしますけどね!
そこに気づけると、自分の臨床や現場での考え方も広がるし、
なにより作業療法を楽しいと思えるようになるんだけどね!
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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