就労移行支援事業所を利用していても、どうしてもその雰囲気やルールに合わなくて「行きたくない」「憂うつ…」と思ってしまう人も多いようです。
そこで今回は就労移行支援に行きたくないと思う理由とそれぞれの対策についてです。
結論から言えば、自分の周囲の”環境を変えようとすること”と“自分自身の捉え方を変える事”の2つが重要になります!

就労移行支援に行きたくない5つの理由

この就労移行支援に行きたくなくなってしまう理由についてですが、主に次のような理由があげられます。

  • 体力的な限界
  • 精神的な限界
  • スタッフとの相性が悪い
  • 利用者との相性が悪い
  • プログラムや支援内容が合わない
  • 朝起きるのが面倒
  • 漠然と意味がない気がする

以下に少し掘り下げて考えてみます。

体力的な限界

多くの就労移行支援事業所は朝~夕方まで様々な支援プログラムを行います。
これは実際に就労した際の体力作りも意識しているためのようです。
しかし利用者の中には長時間の作業やプログラムには体力がついていかない…という人もいます。
そのため午前中や週の始めだけは元気でも徐々に疲労困憊になってきてしまい、プログラム自体集中できずにいる…なんて人もいらっしゃるようです。

対策としては、体力作りだけでなく栄養摂取状況を把握する必要があります。
これはやはり就労するためには体力が必要ですし、正常な判断力や安定した精神力のためには基礎体力は必須になります。
運動習慣や体力作りを行うとともに、摂取している栄養状況を把握し、体力向上につながる食生活を支援することも重要です。

精神的な限界

精神障害の方に多いのですが、人前に出るというだけでも非常に精神的な負担が大きいです。
そのストレスの中で、さらにプログラムを行い自分自身を見つめ直す…というのは非常にメンタル面への負荷が大きくなり移行支援事業所に通うことすら困難に…なんてこともあるようです。

対策としては、「何が一番自分にとってストレスなのか?の明確化」を行うのと同時に認知行動療法といった方法を使い「自分自身の捉え方を変える」ということも必要かもしれません。
つらいこと、嫌なことはやっぱり継続することは難しいんです。
ならそこを我慢するのではなく、「どうしたら精神的な負担が少なくなるのか?」を考えるようにすることが有意義なのかもしれません。

スタッフとの相性が悪い

スタッフも人間ですから、どうしても相性があります。
個人的には無理に合わないスタッフと仲良くする必要性はないんじゃないかと思います。
人間関係に関する問題は就労したらなおさら起こり得ます。
「みんなと仲良くするコミュニケーション能力」も必要かもしれませんが、それと同時に「合わない人間との付き合い方、距離の取り方」をどう学ぶか?というのも就労移行支援事業所で身につける課題かもしれません。

対策としては、信頼できるスタッフに相談する、前述したような認知行動療法などで自身の捉え方を変えてみるなどがあげられます。
しかし様々な対策をしてもなかなか改善が難しく、自身が苦しむ場合には思い切って事業所を変えるということも重要かもしれません。

利用者との相性が悪い

利用者との相性によっても就労移行支援事業所での過ごし方が変わってきます。
これも前述したスタッフとの関係と同じで、ムリに仲良くする必要はありません。
もちろん自分からケンカをふっかけたり、暴言を吐いたりもしてはいけません。
適切な距離感を保つということも身につけるべきスキルといえます。

対策としては、これもスタッフとの関係性改善の方法と同じになりますが、個人的には認知行動療法による認識や捉え方の歪みの改善が効果的だと考えます。

プログラムや支援内容が合わない

どうしても多種多様な、どの利用者にもマッチするようなプログラムや支援内容というものは現実的ではないのかもしれません。
人によっては合う合わないといったプログラムもあるかと思います。
しかし自分と合わないことをやらずにいる…ということは職業生活においては特に難しく、「我慢すること」を求められてしまいます。

プログラムや支援内容が合わない場合は、まず変更できるものがあるのかスタッフに相談する、その上で自分がどうそのプログラムや支援に“意味”を持たせるかを再考することが重要になります。
これは自分がやりやすい環境に調整する能力であり、さらに自分とは合わないものを分析的にみて、その中でも合うもの、受容できる要素をみつけ、受け入れてみる…という能力でもあります。
自分の“周囲の環境”と“自分自身”をマッチするための調整能力とも言えます。
これは就労後、仕事の内容だけでなく人間関係に対しても非常に有効な手段になり得ます。

朝起きるのが面倒

就労移行支援事業所でプログラムを遂行するということは、生活のリズムを整えるということでもあります。
意識した作業は非常に精神的な負担が大きいですが、それがパターン化して習慣化するとその負担は非常に軽減されます。
毎日の歯磨きや洗顔といった習慣は、それほど負担なく行えることと一緒です。
「朝起きるのが面倒」という考えはまだ決まった時間に起きることが習慣化されていない状態と言えます。
「無理やり決まった時間に起きる」のではなく、「どうやったら無理なく決まった時間に起きれるのか?」を考える方が行動の変容につながります。

漠然と意味がない気がする

「どうしてもくだらなく見える」「なんでこんなことしているのかわからない」「実際に仕事を紹介してもらったほうが早いんじゃないか?」
就労移行支援事業所に通っていると、そんな漠然とした不満が生まれ、就労移行支援自体意味がないものに感じてしまう人は多いようです。
どんな作業でもそうなのですが、本人がその作業を行う意味を見出すことができないとそれは全く持って意味を成しませんし、逆に害悪になる場合もあります。
かといって目の前のプログラムや作業に対して急に自分にとっての意味を見出すこと…というのはちょっと難しいかもしれません。

この場合作業療法士としての僕自身の考えですが、意味を見出そうとする前に、「自分の好きなモノやコトと抱き合わせにする」ことって案外効果的だったりします。
好きなアニメのキャラでも、趣味の自動車でもなんでもいいので、目の前の「やる意味が見えない作業」に少しだけ自分が興味ある要素を加えることです。
こうすることで、まず脳はその作業やプログラム自体に“興味”を持つようになり、徐々に負担なく行えるようになります。

作業療法士として「就労支援行きたくない問題」の対策案を考えてみた

思うに、職場の環境や業務内容が自分にとって合わない場合ってほとんどだと思います。
それを「仕事だから」「社会人だから」という理由で“我慢して”行うから、追い込まれ心を病むのだと思います。

就労のためには自分の周囲の”環境を変えようとすること”と“自分自身の捉え方を変える事”の2つが重要になります。
でも自分にとってベストな状態ってすぐにはわかりませんし、失敗を繰り返してようやくコツがわかりかけるものかと思います。

でも就労移行支援事業所はその失敗は繰り返していい場所ですし、コツをつかみやすくするためのアドバイスも得られる最高の環境だと考えます。
就労移行支援を利用する意味を見出すためには、この「失敗してもいい環境」って発想を持つと非常に有意義に過ごせるのかなと思うんです。

まとめ

「就労移行支援は意味がない」「就労移行支援に行きたくない」なんて考えている人は、「どうして自分はそう思っているのか?」という心理を深堀りして追求していくことで、理由が明確化します。
またその理由に対しての改善策を提案することと、その理由そのものへの捉え方を変える事とで、同じ時間でも非常に有意義な時間になり得るはずです。

作業療法士は語りたい!

「過去と他人は変えられない。しかし、今ここから始まる未来と自分は変えられる」って言葉がありますよね?
精神科医のエリック・バーンの名言だね。
端的に言っちゃえば「変えられないものを嘆くより、変えられるものからさっさと変えてしまったほうがお得よ!」ってことだろうね!