人間の情報処理のほとんど(87%程度)は視覚に依存していると言います。
重要な感覚である“視覚”に障害があるけど「パソコンを使いたい」というクライアントに対して「画面に近づいて!」のアドバイスは適切とは言えません。
その場合は、コンピュータアクセシビリティ機能である“拡大鏡”を試してみると解決できるかもしれません。
本記事では、視覚障害を有する人がパソコン操作をする際に有効な、“拡大鏡機能”について解説します。
目次
“拡大鏡”機能とは
拡大鏡の機能は、画面全体を拡大したり、一部分を拡大するといった視覚に障害がある方向けのコンピュータアクセシビリティ機能です。
Windows XPから拡大鏡の機能が搭載されていますので、現在流通しているWindowsのパソコンにはほとんど備わっていると考えてよいようです。
拡大鏡の基本動作について
ここではWindowで拡大鏡を使用する際の…
- 拡大鏡機能を起動するとき
- 拡大するとき
- 縮小するとき
- 拡大鏡機能を終了するとき
…の操作手順について解説します。
*便宜上Windows7を想定しています。
起動するとき
拡大鏡を起動する際ですが…
- [スタート]→[すべてのプログラム]→[アクセサリ]→[コンピュータの簡単操作]のフォルダ内にある拡大鏡起動アイコンを探す
- [スタート] ボタンをクリックし、検索ボックスに「拡大鏡」と入力し拡大鏡起動アイコンを探す
- [Windowsキー] + [+]キーのショートカット機能により直接拡大鏡を起動
…の3つの方法があります。
拡大するとき
拡大鏡の表示をさらに拡大していくときですが…
- マウスで拡大鏡のボックス内の[+]をクリック
- [Windowsキー]+[+]のショートカット機能で拡大
…の2つの方法があります。
縮小するとき
逆に拡大鏡の表示を縮小していくときですが…
- マウスで拡大鏡のボックス内の[-]をクリック
- [Windowsキー]+[-]キーのショートカット機能で縮小
…の2つの方法があります。
終了するとき
拡大鏡の機能を終了するときですが…
- 拡大鏡ウィンドウの[×]をクリックし終了
- Windowsキー + [Esc]キーのショートカット機能で終了
…の2つの方法があります。
拡大鏡3つのモードについて
この拡大鏡ですが次のような3つのモードがあります。
- 全画面表示モード
- レンズモード
- 固定モード
以下に詳しく解説します。
全画面表示モード
“全画面表示モード”は、そのままの意味で画面全体を拡大するモードです。
[Ctrl]+[Alt]+[Space]キーで元の画面に戻り、どのエリアが拡大されているのかがわかります。
また他のモードから[Ctrl] + [Alt] +「F」で全画面モードに切り替えることも可能です。
レンズモード
“レンズモード”はマウスポインターの周辺が拡大されるモードです。
マウスポインターを移動すると拡大している画面も追いかけてきます。
他のモードから[Ctrl] + [Alt] +「L」でレンズモードに切り替えることも可能です。
固定モード
“固定モード”は、画面の一部のみが拡大されディスプレイの上部に表示されます。
またレンズモード同様、マウスポインター周辺が拡大表示されます。
他のモードからは[Ctrl] + [Alt] +「D」でレンズモードに切り替えることも可能です。
拡大鏡機能を知ることは視覚障害支援につながる
視覚に障害を持つ方向けのコンピュータアクセシビリティ機能である“拡大鏡”については「こんな機能はじめて知った」という人も多いかもしれません。
WindowsのOSに搭載されている機能ですから無料で試せることからも、まず初めに使用してみるとよいかもしれません!
まとめ
本記事では、視覚に障害を持つ方向けのコンピュータアクセシビリティ機能である“拡大鏡”機能について解説しました。
- 画面全体を拡大したり、一部分を拡大する機能
- OSに搭載されているコンピュータアクセシビリティ機能のためコストが無料で使用可能
- 拡大鏡機能には全画面、レンズ、固定の3つのモードがある