Rehabilitation

洗濯の目的や特性、そして洗濯動作そのものがもつ治療的効果について

 

洗濯という家事動作をリハビリテーションである作業療法の観点から考えると、非常に治療的効果を含む作業活動と言えます。
今回はこの洗濯の目的や特性、そして洗濯動作そのものがもつ治療的効果について解説します。

洗濯とは?

家事動作の一つである“洗濯”の定義ですが、

衣類やリンネル類など布地を洗うこと
…とされています。
歴史的な背景からみると、もともと川や池、泉等の水場で、手で揉んだり、足で踏むなどをして行われていました。
現代の国内ではほぼ電化製品で自動洗濯機を使用して行う家事動作として浸透しています。

洗濯の特性について

洗濯動作ですが、上記したようにほとんどの場合電化製品による自動洗濯機を使用することが前提ですが、まれに靴下や下着といった比較的軽量で小さな洗い物は、洗面台で洗濯板を使用しての手洗いによって行われる場合もあるようです。
しかし、洗濯した後の工程で大きく分かれるのが特徴でもあり、ベランダや外の物干竿にかけて洗濯物を“干す”という手段を取る場合、衣類の乾燥機を使用する場合とに分けられます。

洗濯の目的について

その方法は様々ですが、洗濯の目的とは以下のような言葉でまとめられます。

  • 衣服の衛生管理として
  • 社会生活の維持のため

衣服の衛生管理として

洗濯の主な目的としては衣服やリンネル等を衛生的に維持するためといえます。
衣服やリンネル等を衛生的に維持することは、感染を予防するためにも必要なことといえます。

社会生活の維持のため

長く同じ衣服やリンネルを使用していると、汚れや匂いなどが付着します。
これは社会的生活を送る上で他者に不快感を与える場合があります。
洗濯をし、清潔な衣服などを身につけることは、社会生活を営む上での最低限の身だしなみとされています。

洗濯の治療的効果

では、作業療法プログラムにおいて“洗濯”という作業活動にはどのような治療的効果が期待できるのでしょうか?

  • 衛生的な生活を維持することできる
  • 軽度の運動負荷をかけることができる
  • 脳トレとして
  • 精神的なリラックス効果として
  • 社会的な役割として

衛生的な生活を維持することできる

衣服やリンネルを定期的に洗濯し、清潔な状態を保つことは衛生的な生活維持につながります。
これは本人の健康的な精神衛生につながるだけでなく、適切な社会生活の維持にも必要なことと言えます。

軽度の運動負荷をかけることができる

洗濯動作でも、洗濯物を洗うという作業活動の運動強度は2.0METs(メッツ)で、服や洗濯物の片づけは2.3METsとされています。
これらおおよそ、ストレッチやゆっくりとしたウォーキングと同等の運動強度に値します。

脳トレとして

洗濯動作そのもの…というよりは他の家事動作と組み合わせて同時進行することは、効率性や注意分配機能が求められるため、前頭葉をはじめとした脳機能が求められます。
そのため様々な家事動作を組み合わせて行うこと自体が、脳トレとして汎用でき、認知機能の低下の予防につなげることができます。

精神的なリラックス効果として

洗濯物を乾かした後の柔らかさや匂い、さっぱりとした感じなどはリラックス効果として期待できます。
最近は様々な香りの柔軟剤やアロマジェルといったものがあるため、嗅覚刺激由来のリラックス効果は高まりそうだと考えられます。
また、洗いあがりの肌触りのいいタオルの感触にもリラックス効果があることが研究で報告されています。

社会的な役割として

洗濯という家事動作は、家庭においては主婦業的な仕事でもあります。
また、職業的にはクリーニング業という仕事があります。
どちらにしろ、社会的な役割としての“洗濯”という観点も必要と言えます。

まとめ

家事動作の一つである洗濯ですが、ただ衛生的な生活保持のためだけでなく、様々な効果も期待できることがわかります。
日常生活を営む上でのごく普通の家事動作にも、視点を変えれば療法的な効果が含まれているということは、作業療法士として知っておく必要があると思います。

作業療法士は語りたい!

でも洗濯って結構負担かかりますよね…
クライアントの耐久性や動作能力、そして生活上の必要性といった点を把握したうえで提案する必要はあるだろうね!
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