職業・産業リハ

勤労と労働、仕事と働くことの意味や違いについて調べたらカオスになった件。

 

働くことを支援する作業療法…を考え、いろいろ情報収集していた際表現に迷うことがあるんですよね。
「勤労」と「労働」の違いについてもそのうちの一つ。
それぞれ同じような意味で使われていますが、どのように違うのでしょうか?
結論から言えば、調べていったらカオスになりました(苦笑)
あと解釈は諸説ありますので、あしからず…

勤労について

まず“勤労”という意味についてです。

辞書で引く“勤労”とは?

“勤労”とは…

1.心身を働かせて仕事に励むこと。
2.報酬を得て、定められた仕事をすること。労働。

…とあります。

②に“労働”との記載もあるので同義語として扱われているようですね。

英語で“勤労”の意味を調べる

“勤労”を英語で翻訳してみると“Labor”、“Work”、“Service”となります。
この“Labor”は“勤労”の意味の他、“手間”や“骨折り”といった意味合いも持っています。
“Labor”の語源をラテン語系でみると古代の奴隷制を連想させるイメージが付きまとっている…という見方を示す記述も多くあります。
また“肉体労働”の意味合いが強いとされていますね。

ちなみに“勤”の意味は?

“勤労”の“勤”の意味は

1.力を尽くしてつとめはげむ。
2.勤め先で仕事をする。勤め。
3.天子や主君にお目にかかる。(「覲 (きん) 」の代用字)

…とあります。

この言葉の成り立ちもみると「腰に玉を帯びた人」と「土地の神を祭る為に柱状に固めた土」を「力強い腕」でねりこむ…という形からのようです。

“勤”を英訳すると?

“勤”という言葉を英訳すると、“duty”になります。
これには“義務”という意味が強く付きまとって使われているようです。

じゃあ“勤労”の意味や解釈は?

これらのことをまとめると“勤労”の意味や解釈は…

義務が伴う手間がかかる(作業)

…と解釈できます。
なんだか…ネガティブなイメージですね。

労働について

では今度は“労働”という言葉について調べてみます。

辞書で引く“労働”とは?

“労働”とは…

1.からだを使って働くこと。特に、収入を得る目的で、からだや知能を使って働くこと。
2.経済学で生産に向けられる人間の努力ないし活動。自然に働きかけてこれを変化させ、生産手段や生活手段をつくりだす人間の活動。

…とあります。

収入を得る目的…って部分が前に出されていますね。

英語で“労働”の意味を調べる

“労働”を英語で調べてみると、“The Labor”、“Work”とのこと。
…やっぱりでてくる“Labor”の英単語。
意味や解釈は前述したとおりになります。

“働”の意味を考える

“労働”の“働”…つまり“働く”の意味を調べると…

1.肉体・知能などを使って仕事をする。一生懸命にする。
2.職業・業務として特定の仕事をもつ。
3.機能を発揮する。効果・作用が十分現れる。
4.そのものとしての力が生かされる。役に立つ。
5.悪いことをする。
6.語尾が変化する。活用する。
7.動く。体を動かす。
8.出撃する。出撃して戦う。

…とあります。

この言葉の成り立ちを考えると、「人が重い袋を持って動かしている」形から成り立っているようです。

“一生懸命”や“機能を発揮”、“役に立つ”や“活用する”といったポジティブな意味が目立ちますが、
“悪事を働く”なんていうように組み合わせ方ではネガティブな意味に変化してしまいます。

“働”を英訳すると?

じゃあ“労働”の“働”…“働く”を英語で調べると“Work”になります。
“Work”は“作業”や“創作”、そして“営み”なんて意味を含んでいます。

じゃあ“労働”の意味や解釈は?

そうなると“労働”という意味を解釈すると、

肉体、知能を使い、一生懸命作業すること

…なんて解釈ができると思います。

“労”という言葉の意味がやっかいだった!

“勤労”にも“労働”にも共通して使われている“労”という言葉。
実はこれがすべての元凶(笑)だったかもしれません。

“労”の意味について

調べると“労”の意味は…

骨折ってはたらく。心身を使ってつとめる。ほねおり。

…とあります。

“労”はそもそも“勞”の略字になります。
この“勞”は「たいまつを組み合わせたかがり火」が燃焼するように「力強い腕」を使用して「疲れる」…その疲れを「ねぎらう」を意味しているようです。

“労”を英語で調べると?

“労”を英訳すると、“Labor”の他に“Trouble”なんて言葉もでてきます。
…あまりポジティブな意味ではないでしょうね。

勤労と労働の違いについて

これらのことを再度まとめると…

勤労(Duty+Labor):義務が伴う手間がかかる(作業)
労働(Labor+Work):肉体、知能を使い、一生懸命行う作業

…やっぱり同じような解釈になってしまいますかね。

まとめ

国語辞書としては“勤労”も“労働”も同じように使われていますし、日常生活ではその違いを言及しようと特に支障はないのかもしれません。
ただどちらも「やらされている」って意味を含んでいますので、「働く」ことに対してのネガティブな印象を持ってしまいます。
働くことは決してネガティブなことではなく、社会生活においての自分の役割であったり、自己実現のための“手段”として捉える事は、前向きに仕事をすることに非常に重要な視点だと思います。
産業作業療法研究会では、嫌々働くのではなく、「前向きに」働くためのマインドセットなんかについても、伝えられたらいいですね!

作業療法士は語りたい!

同義語で“仕事”や“働く”もありますけど、これらの違いはあるんでしょうかね?
働くって“傍(はた)”を“楽(らく)”にするってことみたいよ!
あ、“はた”ってのはまわりの人って意味だから、働く=まわりの人を楽にすることって解釈ね!
勤労や労働はあくまで自分を軸に考えているけど、
働くってなると周りの人になにかしらの恩恵を与える意味を含むって解釈でしょうかね!
だろうね!
ちなみに“仕事”は“事に仕える”だから、
“役割に仕える”という解釈かな?
“働く”は目的であり、“仕事”はその目的を果たすための手段ってことでしょうかね!
だからこそ、“働く”を支援する作業療法は、
クライアントが誰かに価値提供をすることを支援する…って捉え方になるかな?
…ふ、深いです。

*ちなみに諸説あります。

【関連事業】
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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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