介護

排泄・トイレ介助について – 排泄支援に適切な介護保険サービスとは?

 

在宅生活では特に、排泄動作に関する介護は、介護者だけでなく介護を受ける本人にとっても非常に精神的な負担が大きいと言われています。
できる限り自立を目指すことが重要ですが、介護保険によるサービスを利用することも“負担軽減”のためには考える必要があります。

そこで本記事では、排泄動作(トイレ)の介助にフォーカスして解説します。

排泄介助における課題

まず排泄介助において表面化する課題とは何か?について解説します。

この課題は主に…

  • トイレ移乗
  • 尿便失禁の対応
  • 見守りの必要性

…があげられます。

以下に詳しく解説します。

トイレ移乗

利用者本人が移乗動作能力が低い場合は、トイレへの移乗介助が介助者の身体的な負担につながります。
また、下衣や下着の上げ下げおろしや、後始末の際の動的中腰位の保持などでも負担が大きくなります。

尿便失禁の対応

本人だけでなく介護者にとっても身体的、精神的に負担が大きいのが失禁への対応になります。
衣服やシーツを汚してしまった場合の処理や衣服の着脱、ふき取りやおむつの交換などは介護する側もされる側も負担が大きいものです。

また、認知症による“おむついじり”も当てはまります。

見守りの必要性

トイレ介助が必要な場合、実際に便座に座ったとしても排泄し終えるまで介護者は待機し見守りをしていないといけない場合があります。
時間的拘束という点からも負担が大きくなってしまいます。

在宅介護における排泄の問題

また、在宅生活で排泄に関する問題としては次のようなものもあげられます。

  • 便秘
  • 下痢
  • 頻尿・頻回便
  • 陰部の衛生状態
  • トイレ移乗時の転倒

便秘

便がでにくい状態…いわゆる便秘は、“糞便イレウス”などを引き起こす原因にもなり得るため、適切な対応が必要になります。
一般的な基準としては4~5日以上排便がない状態を言います。
入院中は看護師によってすぐに浣腸や摘便などの対応がされますが、在宅生活では下剤などの薬に頼らざるを得ません。

排便コントロールという点で、定期的に看護師の介入が入るようなケアプランニングが求められます。

下痢

下痢の原因にもよりますが、なにより便失禁につながることで介護負担が大きくなってしまうことが問題になります。
また激しい腹痛が長期間継続するとなると、重篤な内臓疾患の可能性もありますから、すぐに医療機関に連絡が取れるようにしておく必要があります。

頻尿・頻回便

尿意、便意が近く、頻繁にトイレに行くような状態は介護者の負担だけでなく、本人にとっても身体的な負担が大きくなってしまいます。
特に夜間に頻繁な場合は良眠を得られなくなってしまうため、生活リズムの乱れ、自律神経の不調などから健康を害してしまう場合もあります。

陰部の衛生状態

失禁やふき取りが不十分だと、陰部周囲が不衛生状態になっています。
これは尿路感染症や皮膚感染症といった病気を引き起こすきっかけにもなり得ますので注意が必要です。
高齢者の一人暮らしの場合は、なかなか陰部の衛生状態に気づかれず、感染症からの熱発を引き起こして初めて発見される…なんてこともあるようです。

トイレ移乗時の転倒

トイレでの転倒も在宅生活では多くみられます。
また、排便後に血圧低下を引き起こしそのまま転倒するというケースもありますので注意が必要です。

排泄介助に適した介護保険サービスについて

では、排泄介助にはどのような介護保険サービスを利用するとよいのでしょうか?

考えられるものとしては…

  • ホームヘルパー
  • 訪問看護
  • デイケア・デイサービス
  • 訪問リハ
  • 定期巡回・随時対応型サービス

…などがあげられます。

ホームヘルパー

ホームヘルパーによる排泄介助ですが、ヘルパーが訪問する時間にタイミングよく尿便意が起こるか…となると現実的ではありません。
となると…

  • トイレ環境の確認(生活援助)
  • 利用者本人の陰部周囲の状態確認(身体介護)

…といった“確認・チェック”といった役割を担うことも重要かと思います。

訪問看護

訪問看護による排泄介助ですが、ヘルパー同様タイミングよくトイレに行き介助できれば問題はないのですが、毎回上手くいくとは限りません。
そうなると、訪問看護による排泄介助としては…

  • 便秘への対応(摘便や浣腸など)
  • 陰部周囲の状態確認
  • 全身状態の確認

…といった、より医療的な利用者本人への確認・チェックを行うことができると考えられます。

デイケア・デイサービス

デイケア、デイサービスといった施設サービスでの排泄介助ですが、訪問サービスよりも利用者といる時間が長いため実際にトイレ介助を行う機会はあると思います。
また、週に利用する曜日も決まっていることから、利用日に合わせた排便コントロールを行う場合もあります。

  • トイレ介助の状態確認
  • 便秘への対応(摘便や浣腸など)
  • トイレ動作訓練(デイケアでのリハ)

…などが考えられます。

訪問リハ

訪問リハの場合は、利用者が実際に使用する環境下での訓練が可能なことから…

  • トイレ動作の評価と訓練
  • トイレ環境調整
  • 福祉用具の選定
  • 家族への介助指導

…などの役割を担う場合があります。

定期巡回・随時対応型サービス

“定期巡回・随時対応型サービス”とは、利用者の様子を1日に何回か見にきてその時々に必要な介助をうけることができるサービスです。
また、緊急時にも連絡をして対応してもらえる点から、

  • 定期的な時間でのトイレ誘導
  • 失禁した場合の対応

…といった支援を頼むことができます。

夜間対応型訪問介護

18時~8時といった他のサービスではフォローしきれない時間帯での介助を依頼できるのが“夜間対応型訪問介護”になります。

  • 夜間の定期的なトイレ介助
  • 夜間のおむつ交換
  • 夜間の失禁時の対応

…といった支援を依頼することができます。

排泄介助に必要なこととは?

このように、排泄介助のための介護保険サービスは様々であり、組合せによってはしっかりとトイレ介助をフォローすることができると思います。
日によって変動がある排泄行為に対しての様々なサービスの特徴を知り、組み合わて利用することで質の高い支援を行うことができるのだと考えます。

まとめ

本記事では、排泄介助にフォーカスをあてて利用できる介護保険サービスについて解説しました。

排泄介助には…

  • 様々なサービスの特徴を理解し、複数を組み合わせて対応することが重要
  • 排泄介助の課題(トイレ移乗、尿便失禁の対応、見守りの必要性)を明確にすることで、負担を軽減することができる
  • 排泄介助は利用者本人、家族の身体的・精神的負担も大きいことから、早急に解決すべき課題といえる
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トイレは我慢できない自然現象、タイミングが変わること、重篤な疾患につながる…という点で、
在宅生活での重要な課題になりますからね。
だからこそ柔軟な対応ができるように、複数のサービスを組み合わせるという発想が必要なんだろうね!
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