介護

混合介護とは? – 現状と課題、メリットとデメリットについて

 

介護生活を支える上で介護保険は必要不可欠なサービスです。
しかし、多様的な生活スタイルの現代では、現行の介護保険制度ではどうしても支援には限界があります。

そこで本記事では介護保険以外のサービスを利用する“混合介護”について解説します。

混合介護とは?

混合介護とは…

介護保険サービスを利用している要介護者が、介護サービス事業者が提供する介護保険外サービスを全額自費で利用すること

…を言います。

混合介護の現状

一見、介護保険サービスと介護保険外の自費サービスを利用しデメリットをカバーしあうことはとても合理的なように感じますが、現状では…

介護保険内でのサービスとそれ以外とで利用者に明確に示す必要がある

…といった課題があります。

例としては…

  • ヘルパーが介護保険の身体介護のあと、保険適用外の家事援助を行う場合は、いったん前者のサービスを終了させて、後者の家事援助サービスを提供することを伝えた上で開始する。
  • もしくは、別のヘルパーが訪問する

…といったものです。

混合介護は非効率的?

上記のような課題があるため、混合介護を行うにはやや非効率なケースがあるようです。
現在、この混合介護のルール緩和への検討もされているようですので、近い将来もっと効率的な質の高い在宅介護のサービスになり得るかもしれません。

混合介護のメリット・デメリット

では、この混合介護のメリット、デメリットとはどのようなものがあげられるのでしょうか?

メリット

混合介護のメリットとしては…

  • サービス内容が充実している
  • 介護者の負担の軽減
  • 競争促進からサービスの質や向上が期待できる

…などがあげられます。

以下に詳しく解説します。

サービス内容が充実している

介護保険でのサービスはあくまで“最低限”の介護を支援するためのサービスです。
混合介護を利用することで、より細かいところまで行き届いた充実感を感じられるサービスを受けることができます。

介護者の負担の軽減

混合介護を利用することは、サービスを利用できる時間も頻度も大きく底上げできることになります。
それは介護を行う家族の時間の確保、負担の軽減にもつながります。
その結果、社会問題となっている介護離職の回避や介護虐待の防止などにもつながります。

競争促進からサービスの質や向上が期待できる

介護保険外の自費サービスを含む混合介護がもっと緩和されれば、それに伴い様々な企業が参入してきます。
それは企業間、事業所間のサービスの競争を生みます。
その結果価格の引き下げ、サービスの質の向上、新しいイノベーションの創出などにつながります。

デメリット

では、逆に混合介護のデメリットとはなにがあげられるのでしょうか?

  • 被介護者に格差が生まれる
  • サービスの押しつけや詐欺まがいの業者の増加
  • 利益追求主義となるケアマネジャーの増加
  • 現場の事務処理の増加

…などがあげられます。

以下に詳しく解説します。

被介護者に格差が生まれる

混合診療の促進によって、所得の程度によって受けれる介護サービスが左右されるため、被介護者に格差が生まれる可能性があります。
今後“貧困”という社会問題も国内では大きくなっていくと考えられているため、よりこの格差に拍車がかかってしまうかもしれません。

サービスの押しつけや詐欺まがいの業者の増加

混合介護を含め多くの介護サービスの利用者は高齢の方です。
サービスを提供する事業所や企業が“儲け主義”に走ることから、認知機能が低下した利用者に対してサービスの押しつけや詐欺とも捉えられるような行為が増えてくる可能性があります。
これは法的な整備、コンプライアンスの確立、第三者による評価システムといった課題といえます。

利益追求主義となるケアマネジャーの増加

また、ケアプランによってサービス提供業者や事業所を決定する権利をもつケアマネジャーは、混合診療の発展に伴い自分にとっての利益が高くなるような業者の選定になる可能性があります。
業者の選定やサービスのプランニングにバイアスがかかってしまい、利用者自身に合わせたケアプランとは言えなくなってしまうかもしれません。

現場の事務処理の増加

利用するサービスの種類や幅が広がると同時に、提供する介護サービス側の書類が増える事で事務処理が複雑になり業務を圧迫してしまう…という恐れがあります。

まとめ

本記事では、混合介護について解説しました!

混合介護とは…

  • 介護保険サービスと一緒に、介護保険外サービスを全額自費で利用すること
  • 混合介護を利用する場合、介護保険内でのサービスとそれ以外とで利用者に明確に示す必要がある
  • そのため、混合介護は非効率的と言われている
  • 混合介護の規制緩和の動きがあるため、今後に期待
  • メリット、デメリットを知った上で利用を検討する必要がある
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