介護

介護予防について – 機能訓練以外に必要なアプローチとは?

 

介護予防の枠組みでは、“要支援”と認定され、その認定に見合ったサービスを受けることができる…。
「介護予防」と聞くと、ここまでは多くの医療従事者や介護福祉関係者は理解できていると思います。

ただ、その介護予防の目的やどのような縛りがあるのか?という点までは、なかなか深く理解できていないというのが実際かもしれません。

そこで本記事では、介護予防について解説します。

介護予防とは?

介護予防の定義についてですが…

要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと、そして要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと

…とされています。

いつから?

この介護予防は2015年の介護保険法の再改正によって導入された制度になります。

サービスの移行について

2015年の改正によって、「介護予防訪問介護」と「介護予防通所介護」の2つのサービスは、2017年度末までに国の介護保険の予防給付から外れて、市区町村の地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業)へと移行しました。
また、この2つのサービス以外の要支援者に提供されるサービスは、要支援者用として用意された「予防給付」から支給されることになりました。

目的

では、この介護予防の主な目的としてはどのようなものがあげられるのでしょうか?

介護予防の目的としては…

要介護状態になることを防ぐためのサービスを提供すること

…とされています。

毎日の食事を通じた栄養改善や、運動器具を使用しての運動機能や口腔機能の向上を目的としたトレーニング、ゲームやレクリエーションなどを通じて、高齢者が要介護状態へ進行しないようにする…というのが目的といえます。

要支援の認定について

介護予防の対象者は「要支援1」「要支援2」と認定された人のみになります。                 

要支援1

要支援1の状態としては…

  • 居室の掃除や身の回りの世話の一部に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
  • 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とすることがある。
  • 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。

…というある程度の基準があります。

要支援2

要支援2の状態としては…

  • 見だしなみや居室の掃除などの身の回りの世話に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
  • 立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とする。
  • 歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とすることがある。
  • 排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。

…という基準になります。

サービス利用するには?

介護予防のサービスを利用するには、介護予防サービス計画書の作成が必要になります。
窓口はその市区町村の“地域包括支援センター”です。

実際にプランを作成するのが、包括から委託を受けたケアマネジャーになることもあります。

関連記事:ケアプランについて

介護予防≠機能訓練?

介護予防のために行われていたアプローチとして多いのは…

  • 転倒予防
  • 体操
  • 筋力強化

…といった身体の機能訓練を中心としていました。

もちろんこのような身体機能の訓練によって介護が必要にならないように“予防”するという視点は重要です。

しかし、意図せずとも多くのリハビリテーションセラピスト、行政などがあまりにもこの

介護予防=機能訓練

…のイメージに固執してしまい、偏った手法を行っていたようにも感じます。

OT視点の介護予防とは?

僕自身は作業療法士であることから、どうしてもこの機能訓練に偏ったアプローチはむしろ苦手に感じています。
介助が必要な要介護者の方ならまだしも、基本的な生活が自立している要支援の方の場合は、セラピストが指導や介入する機能訓練よりも、

  • “体操教室”といった機能訓練を集団で行う場の設定
  • 本人の生きがいや趣味といった作業の創出支援
  • ボランティア活動やパートタイム就労といった役割の創出支援
  • 閉じこもりや意欲低下を予防するためのメンタルケア

…こういったアプローチが、今後もっと需要が高まる“介護予防”になるのだと思います。

まとめ

本記事では介護予防について解説しました。

介護予防とは…

  • 介護予防は2015年の介護保険法の再改正によって導入された制度
  • 要介護状態の発生をできる限り防ぎ、遅らせること、そして要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐ、もしくは軽減を目指すこと
  • つまり、要介護状態になることを防ぐためのサービスを提供することが“介護予防”
  • 地域包括支援センターが中心、窓口となる
  • 介護予防におけるアプローチは従来から機能訓練に偏りがちだった傾向がある
  • しかし、今後利用者の意欲や活動、役割などを創出する支援を含めたアプローチが求められる
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作業療法士は語りたい!

結局、与えられる予防方法ではいけないってことですよね!
要支援の利用者本人自身が、要介護にならないようにするための、
意識の変化や行動の変化につながるような場面設定が必要ってことだね!
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