Brain

前頭葉の機能や構成要素、障害されることでの症状などについて

 

人間が社会生活を営むにあたって非常に重要な脳の領域である“前頭葉”。
今回はこの前頭葉の領域(場所、位置)や機能、構成要素、そして実際に起こる障害やリハビリテーションにおける検査、評価方法についてまとめました!

前頭葉とは?

“前頭葉”とは、哺乳類の大脳の葉のひとつです。
ヒトにおいてよく発達した部位であり、感情・注意・思考などの精神作用や随意運動を支配すること…つまり、行動の開始や抑制の機能を司ります。
また他の領域と密接に連絡するいわば、“脳の司令塔”の役割を担う領域になります。

領域(場所・位置)の定義

両側の大脳半球の前部に存在する“前頭葉”ですが、領域の定義としては、

中心溝より前方、かつ外側溝よりも上方
…となります。

平たく言えば、『大脳半球の中心を左右に走る溝より前方の領域』、もしくは、『頭頂葉の前側と側頭葉の上前方』といった表現になります。

機能

前頭葉の機能についてですが、

・感情・注意・思考などの精神作用
・行動の開始や抑制の機能
・生活をする上で必要な情報を整理、計画して処理・判断する機能
・自己を客観的に捉えることや感情を持つ機能
・言葉を発する機能
…などがあげられます。

構成要素

前頭葉は以下の下位要素で構成されています。

上前頭回
中前頭回
下前頭回
中心前回
前頭極
直回
眼窩回
前部帯状回
・一次運動野
・前頭前野

英語での読み方

Frontal lobe

ラテン語での読み方

lobus frontalis

略語

FL

前頭葉の障害

前頭葉が脳血管障害や頭部外傷によって損傷された場合、どのような障害が起こるのでしょうか?

・遂行機能障害
・易怒性、脱抑制
・易疲労性
・意欲、自発性の低下
・注意障害
・社会的行動障害
・精神的柔軟性の低下
・非流暢性失語
…などがあげられます。

遂行機能障害

“遂行機能障害”とは高次脳機能障害のひとつで、無計画でいきあたりばったりな行動をしたり、物事の優先順位をつけられない、効率よく作業が行えない…といった症状がみられる障害です。

易怒性、脱抑制

“脱抑制”とは「状況に対する反応としての衝動や感情を抑えることが不能になった状態」のことを言います。

易疲労性

この場合の疲労は肉体的に…というよりは、認知が要求される課題遂行に対して起こる疲労のしやすさをいいます。

意欲、自発性の低下

自発行動が減り、自分や周囲に対して無関心となります。
背外側前頭野の障害は性的興味の減少を引き起こすとの報告があります。

注意障害

前頭葉…特に“前頭前野”が障害されると、注意を集中することができなくなったり、ある一つの動作のみを繰り返し、別の動作に変えることがむずかしくなったりする“固執傾向”という症状がみられます。

社会的行動障害

前頭葉はその機能にり、非常に社会的行動に影響を与えます。
前頭葉の障害によって起こる“社会的行動障害”では、「会話の劇的な増加または減少」や社交性の極端な増加、もしくは極端な減少などがあげられます。
また、眼窩前頭野の障害は独特な性行動を引き起こし、社会的生活に悪影響を及ぼすことも多いようです。

精神的柔軟性の低下

心理的柔軟性、認知の柔軟性…などと同義のものです。
精神的柔軟性の低下は非常に精神健康への悪影響を及ぼします。

非流暢性失語

左半球には、ことばをしゃべるのに必要な運動性言語中枢(44、45野)があり、ここが障害されると発声はできても話すことができなくなります。

前頭葉の評価・検査

これらの前頭葉の機能を評価、検査する方法としては以下のとおりになります。

前頭葉とドーパミンについて

前頭葉とドーパミンとの関連性については以下のとおりです。

・大脳皮質のドーパミン感受性ニューロンの大半は前頭葉に存在します。
・ドーパミン系は報酬、注意、長期記憶、計画や意欲と関連付けられています。
・ドーパミンは、視床から前頭へと伝えられる感覚情報の制限、及び選択に関連しているとされています。
・米国国立精神保健研究所の報告によると、前頭前皮質におけるドーパミン活性の減少を起こす遺伝子変異はワーキングメモリ課題における成績の低下と課題中の前頭前皮質の機能の低下とに関係し、統合失調症のリスクをわずかに増加させると報告されています。

前頭葉と記憶の関係

何かを覚える時、自分が興味を持ったものやことの方が覚えやすく、忘れにくいって経験、だれでもあると思います。
その理由としては前頭葉…とくに前頭前野の意欲と関連していると言われています。

前頭葉と実行機能について

実行機能(遂行機能とも呼ばれます)とは、複雑な課題を遂行する際に、その課題のルールの維持や切り替え(スイッチング)、情報の更新などを行い思考や行動を制御する認知システム、認知制御機能のことを言います。
特に、

・新しい行動パターンの促進
・非慣習的な状況における行動の最適化
・人間の目標志向的な行動
…に関与しています。
これらの機能は前頭葉でも特に前頭前野に存在すると考えられています。

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