評価

FIM移乗(トイレ)における項目や具体例、採点方法などについて

 

FIMで“トイレへの移乗動作”を評価する際に「手すりを使用している場合は何点?」「ポータブルトイレや尿器の場合は?」「車椅子のセッティングや位置替えが必要な場合は減点になるのか?」といったものがよく聞かれる疑問点としてあげられます。
そこで今回は『FIM移乗(トイレ)における項目や具体例、採点方法』について解説します。

FIM 移乗(トイレ)の評価対象について

FIMにおける移乗(トイレ)を評価する際、対象となる課題の動作とはなにがあげられるのでしょうか?

これも他の移乗の項目同様、端的に説明すれば以下のとおりになります。

便器に移ることおよび便器から離れること

ちなみに、この移乗(トイレ)項目は他のトイレ関連動作(排尿管理排便管理トイレ動作)と混同しやすいので注意が必要です。

FIM移乗(トイレ)の採点基準と具体例

では、FIMの移乗(トイレ)の採点基準と実際の臨床や現場で多くみられる具体例を以下にまとめます

7点(完全自立)

  • 歩行の場合、トイレの前に近づき、すわり、そこから立ち上がることが一人でできる
  • 車いすの場合、トイレまで近づき、ブレーキをかけフットレストを上げ、必要ならアームレストをとり、そして立位で方向をかえるかまたは滑って移動し、そしてもとに戻ることで、これらを安全に行うことが一人でできる

6点(修正自立)

  • スライディングボード、リフト、手すり、特殊な椅子や腰掛け、装具、杖のような補助具(adaptive or assistive device)(義肢・装具を含む)があれば一人でできる
  • ベッド横のポータブルトイレで自立している
  • 一人でできるが、通常以上の時間がかかる
  • 安全性の考慮が必要

5点(監視または準備)

  • 監視(たとえば待機、指示または促し)または準備(スライディングボードを置く、フットレストを動かすなど)が必要な場合が5点と採点されます

4点(最小介助)

  • トイレへの移乗動作の75%以上”を行う(介助量<25%)
  • 便座から立ち上がる時にお尻を軽く支えてもらうが、その他は自分でできる

3点(中等度介助)

  • トイレへの移乗動作の“50%~75%未満”までを自分で行うことができる(25%≦介助量<50%)

2点(最大介助)

  • トイレへの移乗動作の“25%~50%未満”を自分で行う(50%≦介助量<75%)
  • 日中はトイレで4点だが、夜間はポータブルトイレで2点

1点(全介助)

  • 移乗動作の“25%未満”しか行わない、もしくは行えない場合

ポータブルトイレを使用している場合

FIM移乗において、ポータブルトイレは“補助具”として扱われます。
なのでポータブルトイレを使用している時点で、5点以下…とみることができます。

車いすの位置を治してもらう場合

これは移乗(ベッド・イス・車いす)の場合同様、車椅子の位置替えやセッティングは“準備”になりますので、
この段階で5点以下…とみることができます。

下衣の上げ下げが介助の場合

あくまでFIMの移乗(トイレ)では、その評価対象は“便器に移ることおよび便器から離れること”になりますので、下衣の上げ下げの介助量は評価対象ではなくなります(この場合は“トイレ動作”の項目で評価します)。

尿器やおむつ介助の場合

被験者がトイレを使用せず、尿器やおむつ介助によって排泄を行っている場合は、トイレ移乗動作を行っていない(25%未満の動作)と判断でき、1点と採点することになります。

まとめ

FIMでトイレへの移乗動作を評価する場合は、その評価対象動作もはっきりとしているため、比較的評価しやすいかと思います。
しかし、そのなかでも何が補助具として扱われるか、どんな介助が準備とされるのかを明確にしておく必要があります。

作業療法士は語りたい!

これはまだわかりやすいでしょうね!
他のトイレ関連動作と混同しないように注意…さえしなければね!(笑)
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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