FIMの認知項目でもある記憶を評価する際、「その評価対象としてどのような状態をみるのか?」「段階別の依頼の場合それぞれどう採点すればよいのか?」といった疑問があるため少し評価しにくく難しいとされています。
そこで今回は『FIM(記憶)における項目や具体例、採点方法』について解説します。

FIM記憶について

FIMにおける“記憶”のとはどのようなものになるでしょうか?
定義としては、

施設または社会の場面において日常的な活動を行うときの認知と記憶に関連した技能
…とされています。

これは特に言語的、視覚的情報を記憶し再生する能力を指すことになります。

FIM記憶の評価のポイントについて

FIMで記憶を評価する際のポイントとしては、『日常的活動で情報を記憶し再生することができるかどうか?』を評価対象として考えます。

具体的には以下の3つの内容を覚えていられるかどうかで判断します。

  • 日常でかかわりの深い人
  • 毎日の日課
  • 他人からの依頼

①日常でかかわりの深い人

  • 家族
  • 担当スタッフ(医師、OT,PT,ST,看護師など)
  • 同部屋の他患者など

②毎日の日課

  • 起床や就寝の時間
  • 食事の時間、場所
  • 訓練の時間、場所など

③他人からの依頼

  • 紙をとってほしいと頼まれた(1段階の命令)
  • 水を汲んでほしいと頼まれた(1段階の命令)
  • 手を洗ってナースステーションに行くように指示された(2段階の命令)
FIMの記憶の項目では、あくまで日常生活を送るうえで必要な内容に焦点を当てているので
昔の思い出や1か月先の予定などは対象外であることに注意しないといけません!

FIM記憶の採点基準と具体例

では、FIMの記憶の項目を評価する際の点数別の考え方と、臨床や現場での具体例について以下に解説します。

7点(完全自立)

  • 『頻繁に出会う人』『毎日の日課』『他人からの依頼』の3課題を自分一人で記憶、再生することができる
  • 他人からの依頼を繰り返し聞き返す必要なく実行する

6点(修正自立)

  • 『頻繁に出会う人』『毎日の日課』『他人からの依頼』の3課題を記憶、再生するのにわずかに困難を伴う
  • 独自のまたは周囲のものからの手掛かり、促しまたは補助具を使うこともある
  • 通常以上の時間がかかる

5点(監視)

  • 3課題を記憶、再生するのに手帳やスケジュール帳、他者の補助が必要
  • 緊張しているとき、あるいは、不慣れな状況では促しが必要(たとえば手がかりまたは繰り返し、助言など)
  • 3課題が「10%未満」で記憶・再生できない

4点(最小介助・促し)

  • 3課題が“75%以上90%未満”の場面を認識し記憶している

3点(中等度介助・促し)

  • 3課題が“50%以上75%未満”の場面を認識し記憶している

2点(最大介助・促し)

  • 3課題が“25%以上50%未満”の場面を認識し記憶している
  • 半分以上の時間は促しが必要

1点(全介助)

  • 3課題が““25%未満”の場面でしか認識し記憶していない
  • あるいは効果的に認識し記憶しない

記憶における介助とは?

FIMの記憶の項目における“介助”とはどのようなことを指すのでしょうか?
定義としては、

日常的活動における情報(関わりの深い人、毎日の日課、他人からの依頼)について記憶や再生(実行)を促す
…となりますが、具体的には、

  • 助言(声掛け)する
  • 道具(ノートや日課表)を見るよう促す
  • 道具の使用、作成を援助する
  • 依頼を繰り返す

…などがあげられます。

まとめ

FIMの記憶で、その評価の対象は決してクライアントの過去の思い出や、遠い先の予定についてではないことに注意が必要です。
あくまで日常生活に関することや、依頼を覚えているかどうかといったことが対象になるんですね!

作業療法士は語りたい!

FIMの記憶の項目は少しテスト的に行う場合がありそうですね!
あくまで“しているADL”だけど、“階段”の項目と同じで“できるADL”をみる視点が必要かもね!