リハビリテーション評価

FIM移動(歩行・車いす)における項目や具体例、採点方法について

 

FIMで歩行や車いすによる移動動作を評価する際、装具は補助具としてみなされるのか?入院時、退院時それぞれ移動手段が異なる場合はどうすればよいのか?といった疑問がでてくると思います。
そこで今回は『FIM移動(歩行・車いす)における項目や具体例、採点方法』についてまとめてみました!

FIM移動(車いす・歩行)の評価対象課題について

FIMにおいて、車いす、もしくは歩行での移動能力を評価する場合、

50mもしくは15mの平地での移動動作
…がその評価の対象動作になります。

点数別解説と具体例

では、移動手段をFIMで評価する際の点数別の解説と、具体例についていかにまとめておきます。

7点(完全自立)

歩行、車椅子どちらの手段に関わらず、一切の介助や配慮を必要とせず自立して50mの移動が可能な状態が7点(完全自立)に値します。

歩行

杖といった補助具なしに最低50m歩行が可能な場合。

車椅子

介助や安全面の配慮を必要とせず、車いすで50mの移動が可能な場合。

6点(修正自立)

50mの移動は可能でも、補助具の使用が前提条件であったり、時間がかかったり、安全面への配慮や考慮が必要な場合が6点(修正自立)に値します。

歩行

最低50m歩行するが、下肢装具、義肢、特別に改良した靴、杖、歩行器を使用する場合。
もしくは通常以上の時間がかかったり、安全への考慮が必要な場合も修正自立の6点とみなします。

車椅子

最低50m自立して車いす(or電動車椅子)を操作することが可能な場合。
方向転換や、テーブル、ベッド、トイレまで車いすを操作して移動ができる状態などもあてはまります。
また、少なくとも勾配3%の坂を乗り越えることや、敷物の上、ドアの敷居で車いすを操作して乗り越えることができる状態も6点に値します。

5点(監視)

FIM移動において、50mの移動を監視や助言、準備といった支援があれば可能な場合は5点(監視)に値します。

歩行

最低50m歩行するために監視、指示または促しが必要な場合。

車椅子

最低50m車いすで移動するのに監視、指示、または促しが必要な場合。

4点(最小介助)

歩行、車椅子ともに最低50mの移動動作のうち75%以上を行う場合は4点(最小介助)に値します。

3点(中等度介助)

歩行、車椅子ともに最低50mの移動動作のうち50%から74%を行う場合は3点(中等度介助)に値します。

2点(最大介助)

歩行、車椅子ともに最低15mの移動動作のうち25%から49%を行う場合は2点(最大介助)に値します。
一人だけの介助が必要な場合も2点になります。

1点(全介助)

歩行、車椅子ともに移動動作の25%未満しか行わない場合は1点(全介助)に値します。
また、2人以上の介助が必要な場合や最低15mの移動も行わない場合も1点になります。

5点(例外・家庭内移動)について

補助具使用の有無にかかわらず、家庭内移動を想定した短距離のみ(最低15m)歩行や車いす駆動による移動が自立している場合は特例としての5点とみます。

つまり、病棟内のトイレまでの20mの距離の移動を、SLBと杖を使用して歩行自立しているクライアントは、
“50m移動できる”という判断基準は用いないで評価、採点する…ってことになるんだ!
…FIMルールややこしいです。。

入院時の評価を車いすでするべきか、歩行でするべきか?

入院時は移動手段として車いすを使用している場合でも、退院時の主な移動手段を用いて評価します。

つまり、このクライアントは退院時の主な移動手段は何になるか?って予測をした上でFIM移動の評価をする必要があるんだ。
ある程度の予後予測の能力が必要ですね!

車いすは電動の場合はどうなるのか?

車いすは電動、手動は評価に影響しません。
そのクライアントの主な移動手段に合わせて評価を行います。

まとめ

FIM移動(歩行・車椅子)のルールとしては、『何が主な移動手段か?』ということと、『50m移動が可能かどうか?』という基準から考えていくとよいのでしょうね!
ただし、5点の特例である15mの移動自立の条件も忘れないようにする必要があります!

作業療法士は語りたい!

入院時と退院時のFIM移動の手段をどちらに合わせればいいのか?って結構迷ってしまいますね。
退院後の生活での主な手段を想定したうえで、評価する能力が必要になってくるね!
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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