FIMの運動項目の“セルフケア”の一つである“整容”を評価する際、「どの整容動作を評価するのか?」「採点方法はどのようにすればよいのか?」「“準備”ってどこまでなのか?」…といった疑問点について臨床や現場でよく聞かれます。
そこで今回は『FIMの整容における項目や具体例、採点方法』などについてまとめました!

整容の評価対象の課題

FIMにおける整容を評価する際、対象となる課題の動作とはなにがあげられるのでしょうか?

整容動作の評価対象は、主に以下の5つの動作になります。

  1. 口腔ケア
  2. 洗顔
  3. 手洗い
  4. 整髪
  5. 化粧または髭剃り

これらの5項目は互いに関連しない別々の動作になります。

整容項目の採点のポイント

クライアントの整容をFIMで採点する際のポイントとしては、

  • FIMの整容を評価する際は、基本的に上記の5つの項目で評価する
  • “爪切り”、“着替え”、“清拭”、“入浴”などの項目は整容に含めない
  • “髭剃り”と“化粧”が必要ない場合は、その他の4項目で評価する

整容における採点の考え方

整容項目での採点の考え方としては、5項目のうち何項目を行っているか?…ということになります。

つまり、

  • 口腔ケア(20%)
  • 洗顔(20%)
  • 手洗い(20%)
  • 整髪(20%)
  • 化粧または髭剃り(20%)

…となり、基本的にはこれら5項目を平均します(各20%)

その上で、整容の採点方法の考え方としては以下のそれぞれ2つの視点で考えます。

  • 5項目のうちいくつ行えているか?
  • 各項目の介助量を考え、全体の介助量に換算する

①5項目のうちいくつ行えているか?

例えば5項目のうち3項目行えていれば
3/5=60% (介助量は40%)

FIMの運動項目において、25%≦介助量<50%の場合は3点(中等度介助量)と判断されます。

②各項目の介助量を考え、全体の介助量に換算する

5つの項目別での介助量をそれぞれ考えなければならないので、以下の事例で考えてみます。

  • 口腔ケア:歯磨きは歯ブラシを自分で準備して磨くことができるが、磨き残しがないか、看護師の確認と助言が必要→5点
  • 洗顔:自分でタオルを準備し拭いている→7点
  • 手洗い:手洗い動作自体は両手を使用して可能だが、トイレの後、促しが必要→5点
  • 整髪:頭髪は後頭部を濡らしてもらい、乾かしてもらう→4点
  • 髭剃り:自分で電気シェーバーを準備し剃ることができるが、剃り残しを確認してもらう必要がある。→5点

この場合…

  • 口腔ケアは5点で介助量だけを考えると0%
  • 洗顔は7点で完全自立のため介助量は0%
  • 手洗いは5点で介助量は0%
  • 整髪は4点の最小介助のため、介助量は25%
  • 髭剃りは5点で介助量は0%

…つまり、0+0+0+25+0/5=5%

整容全体としては5%の介助量になります。

運動項目において、介助量<25%の場合4点(最少介助)となります。

FIM-整容の採点基準と具体例

では、整容の採点基準と実際の臨床や現場で多くみられる具体例を以下にまとめます。

7点(完全自立)

  • 5つの整容動作項目が全て自分でできる
  • 介助なしで自分でする、補助具不要
  • 病院で配られるタオルを使用して自分で拭いている(洗顔)

6点(修正自立)

  • 特殊な器具(義肢or装具を含む)が必要
  • 通常以上に時間がかかる
  • 自助具を使用するがその準備や装着を自分でしている

5点(監視または準備)

  • 整容に関する準備が必要
  • 安全のため、監視や助言が必要
  • 歯磨き粉をつけてもらう(口腔ケア)
  • 自助具を装着してもらう
  • トイレで手を洗う動作は自分で可能も促しを受ける必要がある(手洗い)
  • 自分で電気シェーバーを準備し剃ることができるが、剃り残しを確認してもらう必要がある(髭剃り)
  • 見えない後頭部の髪の乱れを指摘してもらう必要がある

4点(最小介助)

  • 整容動作の“75%以上”を自分で行う(介助量25%未満)
  • 整容動作5項目のうち、4/5項目は自分で行うことができる
  • 義歯を自分で磨くが、洗浄液につけてもらう(口腔ケア)
  • 頭髪は後頭部を濡らしてもらい、乾かしてもらう(整髪)
  • 髭剃りは一通り自分で行うも、少しだけ仕上げにそりなおしてもらう

3点(中等度介助)

  • 整容動作の“50%~75%未満”を自分で行う(介助量25%以上50%未満)
  • 整容動作5項目のうち、3/5項目は自分で行うことができる
  • 麻痺側の奥歯を磨いてもらう
  • 歯磨き粉をつけてもらい、自分で磨くが、右上下は磨きなおしてもらう

2点(最大介助)

  • 整容動作の“25%~50%未満”を自分で行う(介助量50%以上75%未満)
  • 整容動作5項目のうち、2/5項目は自分で行うことができる
  • 自分で前歯のみ磨いているが、他の部分は介助が必要

1点(全介助)

  • 整容動作の“25%未満”しか行えない
  • 整容動作5項目のうち、1~0/5項目しか行うことができない
  • すべて介助が必要

整容における“準備・助言”とは?

FIMの7段階における5点(準備・助言)ですが、整容動作の際はどのような場面があるでしょうか?
臨床や現場でよくある例としては…

  • 歯磨き粉を歯ブラシにつけてもらう
  • タオルを準備してもらう
  • 洗面道具一式を準備してもらう
  • 自助具を装着してもらう
  • 髪を櫛でとかしている時に後ろの乱れを教えてもらう

…などがあげられます。

化粧や髭剃りをしない場合の採点方法について

FIMの整容動作において、その被験者が化粧や髭剃りを元々しない(もしくは現在はする必要がない)状況下にある場合は、どのようにFIM-整容の採点を行えばよいのでしょうか?

その場合、“化粧、髭剃り”の項目を除いた残りの整容の4項目で考えることになります。

つまり、①口腔ケア、②整髪、③手洗い、④洗顔…の4項目で考えるため、各25%で換算して採点することになります。

まとめ

整容もFIMの運動項目のひとつであるので、何を評価課題とするのか、介助量はどの程度か、という視点で5つの項目を評価していく必要があります。

作業療法士は語りたい!

化粧や髭剃りを行う必要がない…ってクライアントの場合、残りの整容の項目で介助量を計算するんですね!
案外間違いやすいポイントだから注意が必要だね!