FIMの認知項目の一つでもある“表出”を評価する際、「基準はどこにおいたらよいのか?」「認知症や失語症の場合はどうすればよいのか?」…と悩むことが多いと思います。
クライアントが失語症や構音障害、気管切開などでうまく自分の欲求を伝えることができない場合、特にこの“表出”の項目は重要になってきます。
そこで今回は『FIM(表出)における項目や具体例、採点方法』についてまとめてみました。

FIM表出の評価のポイントについて

FIMで表出の項目を評価する際「自分の欲求や考えを相手に伝えられるかどうか」を評価対象としますが、具体的には以下のような項目を対象としています。

  • (相手に)どのくらい伝わっているか
  • 評価者が聞き取るためにどのくらいの配慮(=介助)しているか

FIM表出の採点基準と具体例

では、FIMでクライアントの表出を評価する際の点数別の解釈と、臨床や現場での具体例についてまとめてみます!

7点(完全自立)

  • 複雑または抽象的な考えを、はっきりと流暢に表出することができる

6点(修正自立)

  • 複雑または抽象的な考えをほとんどの場面で表出することができるが、わずかな困難を伴う
  • 促しは必要としないものの会話増幅装置や方法を必要とする

5点(待機的介助)

  • 基本的欲求や考えの“90%以上”を表出している状況
  • 理解するために促し(例えば頻繁な繰り返し)が必要なのは10%未満の状況

4点(最小介助)

  • 基本的欲求や考えの“75%以上90%未満”を表出している状況

3点(中等度介助)

  • 基本的欲求や考えの“50%以上75%未満”を表出している状況

2点(最大介助)

  • 基本的欲求や考えの“25%以上50%未満”を表出している状況
  • 単語のみあるいはジェスチャーのみを用いる場合
  • 半分以上の機会では促しが必要

1点(全介助)

  • 基本的欲求や考えの“25%未満”しか表出していない状況

基本的欲求や考えの表出とは?

基本的欲求や考えの表出とは、

  • 患者の栄養、飲み物、排泄、清潔、睡眠など(生理的な欲求)のように、必要な日常の活動についてコミュニケーションする能力

…のことを示します。

複雑あるいは抽象的な考えとは?

複雑あるいは抽象的考えの例には、

  • 最近のできごとについての議論、信仰、他人とのかかわり

…が含まれます。

FIM表出における“介助”とは?

FIMで表出の項目を評価する際の介助についてですが、どのような介助が対象となるのでしょうか?

  • 表出に対しての介助とは、いわゆる“促し・聞き直し”になります

具体的には、

  • ゆっくり話させる
  • 繰り返させる
  • わかりやすく言い直させる
  • 特定の語や句を強調させる
  • 間をおかせる
  • 視覚またはジェスチャーによる手がかりを利用させる

…などがあげられます。

FIM表出における“簡単な課題”と“複雑な課題”とは?

FIM表出において“簡単な課題”とは、FIM理解同様“基本的な欲求について”があてはまります。
例としては、

  • 食事、飲み物、排泄、睡眠など生理的欲求
  • 疼痛など体調や症状…

…などがあげられます。

また、FIM理解において“複雑な課題とは、“複雑かつ抽象的な内容を含むもの”があげられます。
例としては、

  • 集団会話
  • テレビや新聞の話題(ニュース、ドラマなど)
  • 冗談
  • 金銭や宗教の話題、、、

…などがあげられます。
この両者の違いについてしっかりイメージできている必要があります。

まとめ

FIMの認知項目でも“理解”、“表出”はコミュニケーションを評価するためには重要な項目になります。
その評価対象はどの部分なのか、何が介助や配慮になるのかをしっかり把握してFIMの評価を行う必要がありますね!

作業療法士は語りたい!

FIMの表出でなにより重要なのは、
『自分の欲求や考えを相手に伝えられるかどうか』だからね!
その上で、簡単な課題と複雑な課題それぞれが、どの程度表出できるか?を評価するってイメージですね!