FIMの運動項目でも“セルフケア”に分類される“食事”の評価や採点方法についてですが、臨床現場では「“とろみ”や“きざみ食”などの食形態の場合は何点?」「胃瘻だとどうなるのか?」といった疑問点がよくきかれます。
そこで今回は『FIMの食事における採点方法や具体例』についてまとめました!

食事の評価対象の課題

FIMでクライアントの食事評価する際、その評価対象や範囲を明確にしないと評価者によって採点が大きく異なってしまう恐れがあります。

食事の評価対象の課題は次の4つになります。

  1. ①食べる準備
  2. ②口に運ぶ動作
  3. ③咀嚼
  4. ④嚥下

つまり、“食事が適切に用意された状態で、適切な食器を使って食物を口に運び、咀嚼し、嚥下するまでの工程を評価する”…ということになります。
それら各動作の介助量をもとに採点していきます。

食事項目の採点のポイント

クライアントの食事をFIMで採点する際のポイントとしては、

  • 食事の配膳・下膳は評価対象外
  • 4点〜1点を評価する場合は、上記の①食べる準備、②口に運ぶ動作、③咀嚼、④嚥下の4工程をそれぞれ“25%”と判断し、自分でできている工程数を乗算して介助量を算定し評価する

FIM-食事の採点基準と具体例

では、食事の採点基準と実際の臨床や現場で多くみられる具体例を以下にまとめます。

7点(完全自立)

  • テーブルの上に出された皿から全ての食事形態の食べ物を処理して食べ、そして茶碗またはコップから飲むことができる
  • フォークまたはスプーンを使用して食物を口まで運び、咀嚼し嚥下することができる

6点(修正自立)

  • 食べるのに通常以上の時間がかかる
  • 食物の性状の変更やきざみ食が必要
  • 安全性の配慮が必要
  • 特殊なスプーンを用いて自分で食べる
  • 胃瘻であるがチューブなどを自分で管理している(チューブは補助具と扱われる)

5点(監視または準備)

  • 運ばれた後で食物をきざんでもらう(配膳後きざむのは、手間がかかるため、準備の5点となる。配膳前なら減点されない)
  • しょうゆやドレッシングをかけてもらう
  • エプロンをつけてもらう
  • 誤嚥しないように食事の速さや一切れの大きさを監視している必要がある
  • ジュースのふたをとってもらうが、すくったりつついたりするのは自立している
  • 介助者に容器をあけてもらい、肉を切ってもらうが、その他は自立している
  • 食事はあらかじめ刻まれているが、運ばれた際に看護師が膳から余分な汁気を除く必要がある
  • 飲み物を注ぐのに介助が必要
  • 万能カフなど自助具を装着してもらう必要がある

4点(最小介助)

  • 食事動作の「75%以上」を自分で行う
  • 最後に食器に残った食べ物をかき集めてもらう
  • 口の中に食べ物が溜まっていないか介助者が指で確認する必要がある

3点(中等度介助)

  • 食事動作の「50%〜75%未満」を自分で行う
  • 食事用の装具を装着してもらい、スプーンで食べ物をすくう際に介助が必要であるが、そこから口に食べ物を運ぶことはできる
  • 皿の固定具と長いストローを用いる

2点(最大介助)

  • 食事動作の「25%〜50%未満」を自分で行う
  • 食べ物をスプーンで口元まで運ぶまで介助が必要だが、飲み込みは自分でできる

1点(全介助)

  • 食事動作の「25%未満」しか行えない
  • 咀嚼や嚥下は可能であるが、食物を口にまったく運べない
  • 経管栄養を受けていてその管理を介助者が行っている

食事における“準備”について

食事においてFIMで5点の判断基準でもある“準備”については次のように定義されています。

  • 目の前の食事に手を加えること
  • 補助具をつけること

では、実際どのようなことがあげられるのでしょうか?

具体的な例としては、以下のようなものが臨床の現場としてはよくみられる例になります。

  • 肉を切る
  • パンにバターを塗る
  • 蓋をあける
  • ジュースのストローをとりつける
  • 食べやすいように肉を切ってもらう
  • しょうゆやソースをかけてもらう
  • エプロンをする

食事における“監視”について

FIMでの5点のもう一つの判断基準である“監視”ですが、次のような具体例としてあげられます。

  • 食事の速さを監視する必要がある
  • 一切れの大きさを監視する必要がある

このどちらも、監視する目的としてはクライアントが誤嚥しないようにだったり、器をひっくり返したり、食べこぼさないようにするためになります。
「一人で食事するのを任せて、その場を離れるのが不安…」となれば、“監視”のレベルと判断できるという解釈でもよいかもしれません。

食事の4~1点の考え方

FIMの食事において、4~1点の点数の考え方としては以下のとおりになります。

  • 4点:自立度は75%以上(介助は25%未満)
  • 3点:自立度は50%以上75%未満(介助は25%以上50%未満)
  • 2点:自立度は25%以上50%未満(介助は50%以上75%未満)
  • 1点:自立度は25%未満(介助75%以上)/もしくは動作を行っていない

使用する物品について

FIMの食事において、一般的な物品(スプーンやフォーク)の場合は特に失点項目にはなりません。
ただし、何か特別加工してあったり、福祉用具としての物品を使用している場合は6点となります。
また、FIMの日本語版では箸またはスプーンなどのいずれを主に用いているかをチェックして区別するようにと推奨されています。

食事の注意点

  • 食事をFIMで評価する際の注意点としては、あくまで配膳されたあとに手を加えられた場合を“準備”ととらえられる点になります
  • 配膳や下膳行為は評価対象外になります
  • 配膳前のきざみなどの対応については6点相当になります
  • 咀嚼や嚥下より食物を口に運ぶことのほうが採点の重みがあるとされています

まとめ

FIMの運動項目でも、食事の場合は、準備、口に運ぶ、咀嚼、嚥下の段階別で評価するとスムーズに行うことができます。
どの動作、工程を評価対象とするのか?をしっかりと把握しないといけませんね。

作業療法士は語りたい!

FIMで食事を評価する際によく間違われるのが、
配膳、下膳は評価対象にならないってことと、
きざみ食やとろみを使用している場合はどうなるか?ってことだろうね!
食事って活動のどの範囲からどの範囲までがFIMの評価対象なのかを
明確にしないといけませんね!