リハビリテーション評価

FIMの排便管理における項目や具体例、採点方法などについて

 

FIMの排便管理(排便コントロール)を評価する際に、差し込み便器やポータブルトイレを使用している場合はどうなるのか?下剤や摘便での処置を受けている場合は減点になるのか?といった疑問があります。
今回はFIMの排便管理における項目や具体例、採点方法などについてまとめてみました!

排便管理の評価のポイント

FIMの排便管理の項目において、評価のポイントとしては、

・排便のコントロール
・排便コントロールに必要な器具や薬剤の使用
…となります。

排便管理の機能的ゴールについて

FIMの排便管理の機能的ゴールは、

肛門括約筋が必要なときだけ開き、そのほかのときは閉じていること
…になります。

このために被験者である患者は器具、薬剤あるいは介助が必要となります。

FIMの排便管理の評価対象について

つまり、FIMの排便管理の項目の評価対象としては以下の2点になります。

①排便管理の成功の程度
②必要な介助レベル

…通常の排便管理に関してはこの2つは同レベルであることがほとんどです(例:失敗が多いほど介助が必要)。
しかし、2つのレベルが正確に同じでない場合は常に低い方のレベルを記録するというFIMのルールに従います。

尿が便に、尿道が肛門に変わっただけで、排尿管理と考え方は同じといえます!

排便管理の項目採点の考え方

ざっくりとですが、FIMの排便管理の項目における採点の考え方やコツをまとめてみます!

・毎日“失敗”していれば2点以下
・介助が必要、おむつも必要、おむつが頻繁に汚染されるなら2点以下。
 (その場合、おむつ内の便失禁を介助者へ教える場合は2点、教えなければ1点)
・排便管理のためにおむつをしていない場合、失敗が毎日ではない場合は3点以上

排便管理の各点数の考え方と具体例

では、以下にFIMの排便管理の点数別の考え方と具体例についてまとめてみます!

7点(完全自立)

完全かつ随意的に肛門をコントロールし、決して失禁しない。
排尿管理では“膀胱”であったが、ここでは“直腸や肛門”ではなく、“排便”となっています。
つまり排便機構はより複雑で関連因子が多いということであり、より広い視野で考える必要がある…ということになります。

6点(修正自立)

「差し込み便器」「簡易便器」「指による刺激」「便軟化剤」「座薬」「緩下剤」または「定期的な浣腸あるいはコントロールのための他の薬剤」を必要としているが、患者がそれを管理している。
便失禁などの失敗はしない状態。

5点(監視または準備)

良好な排便パターンを維持する、あるいは瘻孔用器具を取り扱うにあたって監視(たとえば、待機、指示または促し)、または器具の準備が必要。
または、患者はときどき失敗するが、月に1回未満である。

4点(最小介助)

座薬、浣腸、器具を用いて良好な排便パターンを維持するために最小限の介助が必要。
患者は排便に関する課題の75%以上を行う。
またはときどき失敗するが、週に1回未満である。

3点(中等度介助)

座薬、浣腸、器具を用いて良好な排便パターンを維持するために最小限の介助が必要。
患者は排便に関する課題の50%から74%までを行う。
またはときどき失敗するが、1日に1回未満である。

2点(最大介助)

介助しても患者は頻繁に、またはほとんど毎日汚染された状態であり、瘻孔用の器具が留置してあるかどうかに関わりなく、おむつまたはその他の吸収パッドを必要とする。
排便に関する課題の25%から49%まで行う。

1点(全介助)

介助しても患者は頻繁にまたはほとんど毎日汚染された状態であり、瘻孔用の器具が留置してあるかどうかに関わりなく、おむつまたはその他の吸収パッドを必要とする。
排便に関する課題の25%未満しか行わない。

排便管理における器具とは?

FIMの排便管理における“器具”とはどのようなものがあげられるでしょうか?
以下にまとめてみます!

・差し込み便器
・簡易便器
・おむつ
・便軟化剤
・座薬
・緩下剤
・指による刺激
・定期的な浣腸
・その他の薬剤など

排便管理における介助とは?

FIMの排便管理における“介助”とは以下のようなものがあげられます。

・座薬挿入
・腹圧援助
・浣腸
・摘便

浣腸を1度だけでも使用した場合

便秘が続き、一度だけ浣腸を使用したとする場合、これはあくまで“臨時”の対応と判断され、普段の状態、普段の対応ではないことから、減点対象とはなりません。

定義で設定された採点のめやす

上記のような排便管理の採点のポイントやコツをまとめると、以下のような目安で採点をすることができます。

6点:週1回程度、下剤を自分で(判断して)内服する
5点:良好な排便パターンを維持する、あるいは器具を取り扱うにあたって監視(たとえば待機、指示または促し)、または器具の準備が必要
4点:毎日(もしくは隔日に)座薬を挿入してもらう
3点以上:「排便管理のためのおむつをしていない
2点以下:介助しても頻繁に汚染された状態で、(排便管理のため)おむつが必要な状態である
2点:おむつ内の便失禁を介助者へ教える
1点:おむつ内の便失禁を介助者へ教えない

まとめ

排尿管理も排便管理も、個人差が大きい分非常にFIMでの採点が難しいとされています。
しかしポイントさえおさえておき、事例を重ねることで採点のコツをつかむことができるんだと思います。

作業療法士は語りたい!

リハビリテーションの現場でも、介護の現場でも排泄動作…特に“排便”に関しては、
本人も介護者も非常にナーバスになりやすい問題なんだ!
臨床や現場で“排泄ケア”が十分に取り組まれていない2つの理由とは?』でも触れたように、評価やケアの方法が統一的ではないことも問題ですよね!
生活を支援する作業療法士としては、FIMを含む排泄ケアに関する評価、介入はしっかりと学んでおく必要があるだろうね!
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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