FIMを使用して、クライアントの排尿管理(排尿コントロール)を評価する際に、「バルーンの場合はどうするのか?」「おむつを使用している場合は点数は下がるのか?」といった疑問が多くあがると思います。
そこで今回は『FIMの排尿管理における項目や具体例、採点方法』などについてまとめました!

排尿コントロールの対象範囲について

FIMにおける排尿コントロールを評価する際の対象範囲ですが、次のとおりになります。

排尿をしても良い状況で、タイミングよく括約筋をコントロールするところ

排尿管理、排便管理といった排泄コントロールの項目では、排泄前後の衣類の上げ下げや、陰部を拭く、トイレへの乗り移りをするといったことはこの項目での評価には含みません。

FIMにおける排泄コントロールの考え方

大前提として排泄パターンやその介助は多種多様であり、その評価に関して細かい取り決めはされていない…というのが実際のところになります。
これはFIMの評価方法上の限界というよりは、医療・介護技術の変化や社会・文化的背景の差異に対応しきれないということが原因としてあるようです。
逆に言えば、その対象者の全体像をとらえることが重要という解釈もできます。
FIMで排泄コントロールを評価する際は、この考え方を頭に入れておく必要があります。

排尿管理の評価のポイント

FIMにおいて、排尿管理の評価のポイントとしては、

  • 排尿の完全なコントロール
  • 排尿コントロールに必要な器具や薬剤の使用

…とされています。

つまり、排尿管理の機能的なゴールは尿道括約筋が必要なときだけ開き、そのほかのときは閉じていること…になります。

したがって、FIMの排尿管理の項目は以下の2つを評価対象とすることになります。

  • 排尿管理の成功の程度
  • 必要な介助のレベル

通常これらの2つのレベルは同レベルになります(例として、失敗が多いほどより多くの介助が必要)。
しかし、2つのレベルが正確に同じでない場合は、常に低い方のレベルを記録するというルールに従います。

排尿管理の採点手順

FIMで排尿管理を採点する際の手順ですが、まずは“介助の必要の有無”で判断します。

  • 介助なしの場合:7点or6点
  • 介助者ありの場合:5点以下

…とまずは大きく振り分けてから考えていくとスムーズに採点できます。

排尿管理の採点基準と具体例

では、FIMの排尿管理の実際の臨床や現場で多くみられる具体例を以下にまとめます。

7点(完全自立)

  • 完全かつ随意的に膀胱をコントロールし、決して失禁しない状態

6点(修正自立)

  • 「しびん」「差し込み便器」「簡易便器」「カテーテル」「おむつ」「吸収パッド」「集尿器」「尿路変更」「コントロールのための薬剤」を必要としているが、クライアント自身がそれを管理している場合
  • そしてそれらの器具や薬剤を介助なしに、準備、装着、試用、後片付けなどを行うことができる状態
  • カテーテルを使用している場合、クライアントは介助なしにカテーテルの水切りあるいは洗浄を行うことができる
  • 介助なしに洗浄用の器具を消毒、洗浄、準備する

5点(監視または準備)

  • 監視または準備、指示・促しが必要
  • トイレに時間を要す
  • 失禁するが、月に1回未満
  • 監視(たとえば、待機、指示または促し)、または器具の準備(取り付ける、空にする)が必要な場合
  • ときどき失敗するが、月に1回未満

4点(最小介助)

  • 排尿動作の“75%”以上を自分一人で行う
  • 最小限の介助が必要な場合
  • ときどき失敗するが、週に1回未満

3点(中等度介助)

  • 排尿動作の“50%〜75%未満”を自分一人で行う
  • 器具の取り扱いについては中等度の介助が必要
  • ときどき失敗するが、1日に1回未満

2点(最大介助)

  • 排尿動作の「25%〜50%未満」を自分一人で行う
  • 毎日失禁しているが介助者に伝えることができる

1点(全介助)

  • 排尿動作の「25%未満」しかできない
  • 毎日失禁していて、介助者へ伝えることができない

失敗の頻度による採点

7点:失敗しない
6点:失敗しない
5点:月に1回未満の失敗
4点:週に1回未満の失敗
3点:1日に1回未満の失敗
2点:毎日

介助量による採点

7点:介助者なし
6点:道具を使用すれば自立。投薬、内服を使用して自立
5点〜1点:どの程度介助を行ってもらっているかで採点する

排尿管理の注意点

FIMで排尿管理を評価する際の注意点については次のとおりになります。

  1. 排泄の前後のズボンの上げ下ろしは評価に含まない
  2. 空振りは減点しない
  3. 排尿誘導は介助と判断する
  4. 失禁をしても自分で片付けて介助が必要がなければ、FIMでは失敗ではないと解釈する

1. 排泄の前後のズボンの上げ下ろしは評価に含まない。

あくまでここでの評価対象の範囲は“排尿管理”であって、排尿動作に伴う他の動作は対象外とされます。

2. 空振りは減点しない。

FIMの排尿管理において、空振りは減点対象にはなりません。
クライアントによっては排尿をしようとしても尿意が収まってしまう、所謂“空振り”が起こりやすい場合があります。
空振りに関する介助負担は、実際の介護状態ではすでに採点されているため、空振り自体では点数はさがりません。
ただあまりにも非適切な反応であれば社会的交流や問題解決の得点がさがることになります。

3. 排尿誘導は介助と判断する。

基本的に排尿誘導は“介助”としてみなされます。

  • 2点:排尿時に患者は必ず趾も尿器を要求せず、看護師が時間誘導を行っている
  • 1点:看護師による時間誘導により通常のトイレを用い、こぼさずに排尿する

4. 失禁をしても自分で片付けて介助が必要がなければ、FIMでは失敗ではないと解釈する

FIMの点数で減点される条件としては介護量がひとつになります。
つまり、尿失禁をしても自分で処理をすることができるならば失敗ではないと解釈できます。

おむつを使用している場合の採点考え方

  • 毎日“失敗”していれば、2点以下
  • 介助必要、おむつも必要、おむつが頻繁にぬれている場合は2点以下
  • おむつへの排尿を介助者へ教えていれば2点、教えなければ1点
  • おむつをしていない&失敗が毎日ではないなら3点以上

昼と夜とで点数が異なる場合

低い方の点数を採択します。
ただし、記録には昼と夜両方の点数を記載しておくことを推奨しています。

まとめ

FIMの排尿管理は、その個人の状態によって様々な状況があるため一概に具体例をそのまま点数の基準にすることも難しい項目と言えます。
また細かい基準が決まっていないということは、逆に言えば全体像をとらえることが重要と解釈もできます。
より、FIMによる評価目的を果たすためにも、FIMの原則に従って採点をし、その判断根拠をきちんと記載しておくいことも重要と言えます。

作業療法士は語りたい!

FIMでも判断が難しいのが排尿管理や排便管理といった排泄コントロールと認知項目なんだよね!
個人差や状況によって様々だからこそ、俯瞰的な視点も必要なんでしょうね!
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