リハビリテーション評価

FIM移乗(ベッド・イス・車いす)における項目や具体例、採点方法などについて

 

FIMの移乗…ベッドやイス、車いすへの移乗を評価する際、手すりを使用している場合は何点になるのか?
車椅子の位置を決めないといけない場合はどうするのか?といった疑問がでてくると思います。
そこで今回はFIM移乗(ベッド・イス・車いす)における項目や具体例、採点方法などについてまとめてみました!

FIM 移乗(ベッド、椅子、車いす)の評価対象について

FIMの移乗…特にベッドやイス、車椅子への移乗動作を評価する際の対象についてですが、

ベッド、椅子、車いすの間での移乗のすべての段階が評価対象
…となります。

歩行が移動の主要な手段である場合は、“起立動作”も評価対象に含みます!

FIMの移乗(ベッド、椅子、車いす)の点数別解説と具体例

では、FIMの移乗における、点数別の解説と具体例についてまとめてみます!

7点(完全自立)

・歩行の場合は、通常のいすの前に近づき、すわる、そこから立ち上がること。
・ベッドから椅子に乗り移ることで、これらを安全に行う。
・車いすの場合は、ベッドまたは椅子まで近づき、ブレーキをかけフットレストを上げ、必要ならアームレストをとり、そして立位で方向をかえるかまたは滑って移動し、そしてもとに戻ることで、これらを安全に行う。

6点(修正自立)

・スライディングボード、リフト、手すり、特殊な椅子や腰掛け、装具、杖のような補助具(adaptive or assistive device)(義肢・装具を含む)が必要。
・通常以上の時間がかかるまたは安全性の考慮が必要。
・義足を使用しているが、完全に自立している場合。
・車いすを使用して移乗が自立しているが、車椅子のアームレストが外れるなど移乗を容易にできるよう工夫されている。

5点(監視または準備)

・監視(たとえば待機、指示または促し)または準備(スライディングボードを置く、フットレストを動かすなど)が必要。
・車椅子のロックやいすの位置決めに介助or監視が必要
・布団や毛布の管理ができず、準備が必要だが、移乗は一人で可能。

4点(最小介助)

・患者は移乗動作の75%以上を行う。
・介助者が腰に触れ動作誘導するが持ち上げるような介助は必要ない場合。

3点(中等度介助)

・移乗動作の50%から74%までを行う
・手を添えてもらい、ある程度引き上げてもらうことが必要
・ベッドからの起き上がりが完全解除で、乗り移りが完全自立である場合

2点(最大介助)

・移乗動作の25%から49%までを行う
・身体を持ち上げながら、回してもらう必要がある

1点(全介助)

・移乗動作の25%未満しか行わない
・リフターに乗せてもらい、運んでもらう

ベッドから椅子への移乗を評価する際は、患者は仰臥位から始め、仰臥位までを行います!

FIM移乗において介助とは?

FIM移乗における“介助”とは、あくまで患者自身に手を触れることが前提となります。

FIM移乗の動作分析

FIM移乗は、移乗動作を“立つ”、“回る”、“座る”の3動作に分けて考えます。
その3動作のうちいくつの動作要素に介助が必要かどうかで介助量として判断します。

FIMの移乗を評価する際の間違えやすいポイント

では、実際にFIMの移乗を評価する際に臨床や現場でよく間違えやすいポイントを中心に解説します!

車いすの位置変え、セッティングについて

FIMの移乗において移乗しやすいように車いすの位置を変えたり、セッティングすることは“準備”にあたります。

抑制帯をしている場合

普段、歩き出しや転倒防止のための抑制帯を使用しており、移乗する際には抑制帯の介助をスタッフによって行われなければならない…という場合も、“準備”にあたります。

掛布団を片付ける場合

掛布団を自分で外すことができず、移乗する際にスタッフによって片付けてもらうことが必要という場合も“準備”にあたります。

移乗の往復で介助量が異なる場合

往きと戻りで介助量が異なる場合は点数の低い方を取ります。

昼と夜とで異なる場合

これも低い方の点数をとります。

ベッドからの起き上がりも評価対象

FIM移乗においてベッドからの起き上がり動作も比重は少ないものの評価対象となります。
例として、起き上がりのみ全介助で移乗動作は自立している場合は“3点”になります。

FIM移乗の介助の程度による採点イメージ

上記の内容と多少重複しますが、FIM移乗の介助の程度による採点イメージとしては…

4点:念のため手を触れられている
3点:軽く引き上げられる
2点:しっかり引き上げ、回してもらう
1点:してもらうばかり。2人介助。
…といったことになります。

まとめ

FIMの移乗といっても、実際は布団をどかし、起き上がり、移乗する…といった工程も評価対象となるので注意が必要です。
FIMの運動項目の採点基準を参考に、何が準備にあたり、介助量と点数の関係をしっかりと把握する必要があります!

作業療法士は語りたい!

“移乗”といってもただ単純にAの場所からBの場所へ移乗するだけをみるんではないんですね!
その移乗動作自体を行うに必要な前提条件もこの項目では評価対象としてみなければならないってことだろうね!
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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