リハビリテーション評価

FIM(Functional Independence Measure)の総論と採点のポイントについて

 

クライアントのADLを評価する国際的な方法としてはFIMやBIがあげられます。
以前、『FIMによる評価方法と採点基準や具体例についてまとめてみた!』でも触れましたが、改めてFIMの総論や採点のポイントについてまとめてみました!

FIM(Functional Independence Measure)とは?


FIMとは、1990年にニューヨーク州立大学バッファロー校のグレンジャーを中心に開発された機能的自立度評価法です。
リハビリテーション全体の経過記録の統一を意図したシステム(united date system:UDS)の一部になっていて、FIMでは被験者が実際に行っている生活動作の状況(しているADL)の状況を評価します。

FIMの項目について

FIMでは、

セルフケア:6項目
排泄コントロール:2項目
移乗:3項目
移動:2項目
コミュニケーション:2項目
社会的認知:3項目
…の計18項目から構成されています。

機能レベルは自立2段階、部分介助3段階、完全介助2段階の計7段階で評価され、ADLの変化に鋭敏とされています。

7段階の表示はそれぞれ得点を意味し、能力の程度は総得点で表示されます。

FIMの最高得点、最低得点は?

最高得点は126点、最低は18点になります。

FIMは国際的な評価ツール?

FIMはすでに数か国語に翻訳され、欧米、豪州などで広く使用されています。
日本では、慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室が発行しています。

FIMのエビデンスグレード

FIMは脳卒中治療ガイドラインのリハ評価尺度グレードBにあげられます。

FIM開発の歴史

1983年、当時既存のADL評価法に不満足なアメリカのリハビリテーション医が患者の能力低下の重症度および医学的リハビリテーションの治療効果を判定することができる評価方法を開発するという積年の必要性を満たすべく、State Univ.of NY at Buffalo中心にACRM(American Congress of Rehabilitation Medicine)、AAPM&R(American Academy of Physical Medicine and Rehabilitation)が後援して、Task Force(特別検討委員会)が設立された…という経緯があります。

FIMのコンセプトについて

FIMのコンセプトについてですが、

最も一般的で有用な機能評価項目を選択し、ほとんどのリハビリテーションの臨床家が同一の信頼できる方法で能力低下を評価できるような適切な評価尺度を決めること
…とされています。

FIMは万能ではない

FIMのコンセプトでも触れた「適切な評価尺度」というものは、FIMの認知項目を含む18項目の選択と、7段階の評価スケールを尺度となります。
もちろんこれらはあくまで最小限の項目であって、これだけでは、被験者の生活のすべてを網羅できるものではありません。
臨床でFIMを使用する場合はその点を理解しておく必要があります。

FIMの評価対象は「しているADL」

よく間違えられがちなのはFIMの評価対象のADLは、被験者が普段行っている生活動作…しているADLという点です。
もちろんその普段の動作は被験者が普段行っている場面で評価することが望ましいとされています。
この場合の“普段”の状態、環境についてはリハスタッフと看護師で統一する必要があります。

FIMの評価対象について

FIMの評価対象は7歳以上になっています(被験者が6か月~7歳の場合はweeFIMによる評価が推奨されています。)
また疾患や障害による区別はなく、あらゆる病態に対応しています。

FIMは1人の評価者で行わないといけないの?

FIMによる評価は各スタッフが得意な項目ごとに分担して行っても問題はないとされています。

FIM採点のポイント


FIMの採点のポイントとしては、食事や更衣といった各評価項目において、何を評価するのかという“定義”を明確にし、正しく理解することが必要です。
また、その定義とともに、7段階評価スケールの採点基準を理解することも必要(7,6点と5点と1点の採点基準の違いを押さえておくことがコツ)

何を評価するのか、という定義とは?

その項目の評価の対象、前提条件をしっかり確認することが必要になります。
例として…

食事

FIMでの食事の評価対象としては、食事が適切に用意された状態で、適当な食器を使って食物を口に運ぶ動作から咀嚼し、嚥下するまでを評価します。
つまり、配膳や下膳は評価の対象外となります。
また、「キザミ食」は安全性の配慮で6点となりますが、配膳後にきざむ工程がある場合は準備の5点となります。

*“もってきてもらう”ことが評価の対象外になるのは食事のみです。
更衣や清拭などでは“準備”として採点します。

FIMの食事における採点方法や具体例について

整容

FIMでの整容の評価対象としては、口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔、髭剃り(or化粧)の準備と動作が評価対象になります。
タオルの用意や歯ブラシに歯磨き粉をつけるといった工程は準備になります。
また、化粧や髭剃りが不要な場合は、それを除いて評価します。

FIMの整容における項目や具体例、採点方法などについて

6点の採点基準

6点は修正自立の状態になります。
これは、ある活動に際して、他人の介助は必要ないが、次のうち一つ以上が必要(補助具の使用、通常以上の時間、安全性の考慮)な状態です。

補助具

FIMでの評価における補助具とは、装具、義肢、車いす、杖、手すり、ポータブルトイレ、尿器、おむつ、リーチャー、改造した衣服etc

通常以上の時間

FIMにおいて“時間がかかる”、“通常以上の時間が必要”という場合は6点の採点になりますが、この時間がかかるとはどの程度を指すのでしょうか?FIMの規定では、通常かかる時間の3倍以上…とあります。

安全性の考慮

転倒リスクを考慮して、壁をつたって歩く、床上を四つ這いなどで移動、階段を手やお尻もついて昇降するなどの動作etc

5点の採点基準

5点は監視または準備の状態になります。
これは、被験者は身体に直接触れられなくても良いが、待機、指示または促しなどを必要とする場合が5点となります。
また、介助者が必要な物品を準備したり、装具を装着したりします。

食事の場合

FIMにおける食事動作の準備とは、エプロンをつけてもらう、配膳後に刻んでもらう、しょうゆをかけてもらう…などがあげられます。

更衣の場合

FIMにおける更衣動作の準備とは、服をタンスや棚からだしてもらったり、片づけてもらうこと。また装具の着脱のみ介助してもらう…などがあげられます。

排泄管理の場合

FIMにおける排泄管理の準備とは、尿器などの準備や後片付けなどがあげられます。

まとめ

FIMでもその点数のつけかたのポイントさえおさえておけば、間違いも少なくスムーズに採点することができます。
総論と一緒にしっかりと覚えておく必要がありますね!

作業療法士は語りたい!

FIMの採点のポイントとしては、各項目でなにを評価するのか、
そして7段階の採点基準を理解することの2つがあげられるってことだね!
採点も7,6点と5点、1点のポイントをしっかりとおさえると考えやすくなりますからね!
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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