Rehabilitation

FAB(Frontal Assessment Battery:前頭葉機能検査) – 目的・検査方法・解釈・カットオフ値・平均値などについて

 
FAB(Frontal Assessment Battery:前頭葉機能検査) - 目的・検査方法・解釈・カットオフ値・平均値などについて

前頭葉機能障害に対して行われる“FAB”は、作業療法をはじめとしたリハビリテーションの臨床や現場でよく使用される神経心理学検査の一つです。
しかしその方法や解釈についてはわかりにくく、大まかに「前頭葉機能に障害があるんだろうな…」という曖昧な表現で判断していることが多いような印象を受けます。
結果として前頭前野の評価ツールとしては有用だけど、実際の臨床や現場ではうまく使えない…って作業療法士も多いようです。
今回はこの“FAB”の検査方法や解釈、カットオフ値などについてまとめました。

そもそも前頭葉機能とは?

前頭葉機能とは、脳の”前頭葉”でも特に“前頭前野(前頭前皮質)”と呼ばれる領域が担う機能を指します。この前頭前野はいわゆる“人間らしさ”を司る領域で、思考や創造性を担う脳の最も高次の中枢になります。
機能としては、ワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、プランニング、認知・実行機能といったものを担っています。

また、前頭前野は、系統発生学的的には最も発達しており、個体発生学的には最も遅く成熟する脳部位と言われています。つまり、哺乳類のなかではヒトが最も発達していますが、ゆっくりと時間をかけて成熟する部位となります。
ただし、その一方で老化に伴い最も早く機能低下を起こすため、高齢者医療や福祉に関わる職種にとっては非常に抑えておくべき脳機能と言えます。

FAB(前頭葉機能検査)とは?

“FAB”はリハビリテーション医療でも特に作業療法の分野で広く使用される高次脳検査の一つです。
FABは“Frontal Assessment Battery”の略称になり、日本語では“前頭葉機能検査”と呼ばれて使用されています。

FABの開発について

FABは“Dubois”らによって開発され、2000年に「The FAB A frontal assessment battery at bedside」という論文が発表され、その後広く使用される検査となりました。

FABを使用する職種について

FABはリハビリテーション医療の分野では、作業療法士が主に使用する検査といえます。
理由としては、高次脳機能障害、認知症をはじめとした精神疾患のクライアントを対象に作業療法を行うことをする機会が多いことがあげられます。
その他に、精神科医や臨床心理士も心理検査の一つとしてFABによる前頭葉機能検査を行っています。

FABが広く使用されている理由について

FABがリハビリテーションや精神、心理の分野で広く使用されている理由としては以下のとおりです。

  • 短時間(約10分)で検査実施が可能なこと
  • 特別な用具を用いないこと
  • ベッドサイドでも行えること

FABはまだ発展途上?

広く使われている一方、FABの検査結果はまだ標準化されておらず、点数の基準値がはっきりしていないのが現状のようです。

FABの対象疾患について

FABの検査の対象疾患としては、

  • 脳卒中(脳梗塞・脳出血)
  • 頭部外傷
  • パーキンソン病
  • 統合失調症
  • うつ病
  • 認知症(アルツハイマー型認知症・前頭側頭型認知症etc)

また、最近は自動車運転評価のひとつとして使用されているケースもあります。

次ページ:FABの検査目的について

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