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“排泄”の目的と排泄障害が及ぼす生活への4つの影響について!

 

排泄という行為は、誰でも避けて通れない生理現象です。
今回はこの排泄という行為の目的や障害されることで考えられる生活への影響についてまとめてみました!

排泄とは?



“排泄”という誰でもごく自然に行う生理現象ですが、この定義としては以下のようになります。

排泄(はいせつ、英称:excretion)とは、老廃物(物質代謝の結果生じた不要物や有害物)等を、生物が体外遊離させる現象。
引用:wikipedia

排泄とは、生命活動を続けるにあたり生じる老廃物や、有害な物質を体外に排出する行為…ということになります。
ちなみに一般的に“排泄”にあたるものとしては、

・排便
・排尿
…の二つであり、呼吸や発汗などは“老廃物や有害な物質を体外に排出する”という点では“排泄行為”に当たりますが、一般的には切り離されて使われているようです。

そもそも排泄の目的とは?



人の身体を構成している多くの細胞は、血液によって運ばれた栄養分を燃焼することでエネルギー源にしています。
そのエネルギー源にするために燃焼した際の、いわゆる燃えカスや細胞の代謝による老廃物は、血液に戻され再度全身にめぐらされてしまいます。
これらの不要物や老廃物は、人の身体にとって不必要なものだけでなく、放っておくと有害なものになってしまいます。
そのため、それらは腎臓で濾過された後の尿として、胃や腸で消化吸収された後の便として体外に排出する必要があります。

排泄の社会的・心理的な意義



排泄は生きていく上で必要不可欠な生理現象であると同時に、非常にプライベートな行為とも言えます。
この排泄という行為が障害されることは、その人の羞恥心といった心理的、社会的な負担にもつながってくることが多くの場合あります。
クライアントの排泄を支援するということは、日常生活における必要不可欠な“生理現象”というADLの一面だけで捉えるのではなく、
羞恥心や社会生活といったQOLの側面からも捉える必要があります。

排泄が障害されることで考えられる生活への影響について



それでは上記のような排泄の定義、目的、意義などから排泄という行為がなんらかの理由で障害された場合に起こり得る生活への影響について考えてみます。
結論から言えば、
①尿毒症などの疾病発症のリスク
②衛生障害による感染のリスク
③介護者への負担の増大
④社会生活困難
…の4つが主な影響として考えられます。

①尿毒症などの疾病発症のリスク

排泄は前述したように体内の老廃物を体外に排出することです。
この老廃物は体内にいつまでも留めておくと、排尿障害の場合は高血圧や貧血、浮腫といった症状から、尿毒症やアシドーシスに伴う意識障害、排便障害の場合は大腸癌のリスクや逆流性食道炎につながるケースもあるようです。
体内にとって有毒である老廃物が、適切に排泄されないことでこういった内部機能障害化する疾病を発症するリスクが高まります。

②衛生障害による感染のリスク

排泄でも“コントロールできない”という状態…いわゆる“失禁”に伴う衛生面へのリスクも生活への影響の一つとして考えられます。
尿失禁や便失禁による陰部や臀部の皮膚への影響や感染症が代表的と言えます。
寝たきりの状態のクライアントの場合は特に、この皮膚への影響が褥瘡化するリスクが高くなりますので注意が必要です。

③社会生活困難

排泄は非常にプライベートな行為という点で、障害されることで社会生活を送ることが困難になる場合があります。
排泄は特に臭いや衛生面の関係もあることから、クライアント本人の羞恥心、他者からの嫌悪感につながりやすいと言えます。
「トイレにさえ一人で行けれれば就労できるのに…」というケース、非常に多いんです。

④介護者への負担の増大

排泄の障害は本人だけでなく周囲の人…介護をする方へも“負担の増大”という点で影響があります。
前述したように臭い、衛生面が主な負担増大の理由になりますが、介護度が重度のクライアントの場合は特に、毎日繰り返される排泄行為への介助は、介護者にとっても精神的、身体的な負担は大きくなると言えます。

まとめ

生活を送る上で欠かせない生理現象である“排泄”は、障害されることで非常に様々な影響を及ぼすことになります。
クライアント自身へも、クライアントを介護する家族へも、クライアントを取り巻く環境へも、影響力の強い排泄という行為に対しては、作業療法士はしっかりと支援する知識と技術を身につける必要があると言えます!

作業療法士は語りたい!

ADLの中でも排泄って非常にデリケートな部分だからこそ、濃度の濃い支援が必要なんだけどね。
その支援方法も、しっかりと体系化されていないってのも問題ですよね。
厚労省や行政がある程度ガイドラインは示しているみたいだけど、現場にきちんと反映されているかってのは疑問かもしれないね!
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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