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eスポーツ×リハビリが障害者の社会参加の一つとして成り立つのかもしれないって話。

 

作業療法士としてリハビリテーション医療に関わっていると、非常に障害を持つ人の社会参加について考えさせられます。
その方法の一つに、eスポーツが選択肢としてあげられると思うんです。
今回はオリンピック種目にもなるかもしれないと今話題のe-スポーツを、作業療法士の視点でまとめてみました。

eスポーツとは?

“eスポーツ”とは“エレクトロニック・スポーツ”の略で、複数のプレイヤーがコンピューターゲーム(ビデオゲーム)上でスポーツや競技として対戦する一つのゲームの分野といわれています。
日本ではまだそこまで社会浸透していないのですが、海外の大会ではすでに高額な賞金がかけられるものものあり、年収1億円のプロゲーマーも現れています。
世界の競技人口は5500万人以上のようです。

eスポーツは“仕事の流儀”でも取り上げられている

過去にはNHKの番組であるプロフェッショナル「仕事の流儀」でもeスポーツが取り上げられていました。

eスポーツが障害者の社会参加に成り得る理由

ではこのeスポーツが障害者の社会参加に成り得る理由について触れたいと思います。

結論から言えば、

①移動障害の制限がない
②選択肢が広い
③年齢、体力、性別の差を問わない
④コミュニケーションがとりやすい
⑤コミュニティが築きやすい
などがあげられます。

①移動障害の制限がない

eスポーツはオンラインにつないだビデオゲームによるものなので、操作画面と操作するデバイスさえあれば成立します。
そのため特に歩行といった移動手段は必要ありません。
さらにはその環境設定次第ではベッド上で寝たままでも行うことができるので、移動や姿勢保持の制限なく実施可能です。

②選択肢が広い

最近発売されたNintendo Switchの“スプラトゥーン2”をはじめとしたビデオゲームソフトはどんどんオンラインゲームとしての役割も担ってきています。
すでに多くのタイトルがオンラインゲーム化しているので自分に合った、自分が楽しいと思えるソフトを活用できる選択肢が広いことになります。

③年齢、体力、性別の差を問わない

障害の有無だけでなく、年齢、体力、性別の垣根もeスポーツの世界では超えていると思います。
極端に言えばその「実力」だけが問われる世界でもあるので、障害を持つ人の自己表現としてもかなりフラットな世界になっていると考えられます。

④コミュニケーションがとりやすい

eスポーツ上でのコミュニケーションはチャットがメインになるためキーボード入力さえ可能ならコミュニケーションとして成立することができます。

⑤コミュニティが築きやすい

eスポーツへの参加を軸に、自身のSNSやウェブサイトといったものを組み合わせることで十分自分のコミュニティを構築することができます。
しかもオンライン上のため、距離の制約もないことから世界規模でのコミュニティ構築の可能性も秘めていると言っても過言ではありません。
これは僕(30代中盤)が昔慣れ親しんだ「スーパーマリオ」や「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」といった“仲の良い友人たち数人”と楽しむツールの規模をはるかに超えています。

障害者によるeスポーツの実例

では実際でどのような障害者の方がeスポーツで活躍しているのでしょうか?
数例ですが国内外合わせてご紹介します。

Brolylegs氏

人気格闘ゲームである『ストリートファイター』の大会で多くの成績を残しているプレイヤーです。
その操作方法は頬と舌でコントローラーを使用するのですが…動画を見る限り特にコントローラーにカスタマイズは加わってないようにみえます!!!

Kotwicz氏

Kotwicz氏は足でのみパッド操作を行うプレイヤーです。
Youtubeでの動画投稿やFacebookページの開設など、オンラインコミュニティを多く築いている印象を受けます。

市川脩 氏

脳性麻痺である市川氏は四肢と体幹障害を有していますが、趣味のゲームが攻してアメリカのラスベガスでのeスポーツ大会に招待されたこともあるとのこと。
操作方法は顎と頬を使ってのパッド操作のようですね!

参考記事:Open Session

e-スポーツがアジアオリンピックに?

アジアオリンピック評議会の発表によると、2022年開催のアジア競技大会でe-スポーツが正式なメダル種目になることが決定しています。
そして2024年のパリオリンピックでも正式種目になるとの可能性もあるようです。

今後の課題

e-スポーツの普及に伴うことで、障害を持つ人の社会参加、自己実現の機会が増えることは事実でしょうけど、その分様々な課題が顕在化してくると思います。
操作のための環境整備、他の社会参加資源とのバランスなど物理的、社会的な課題が見えてくるのかもしれません。
オリンピック競技に決定されるという点からも、それは障害の有無に関わらず広い範囲での課題とも言えます。

まとめ

障害を持つ人の社会参加、自己実現の一つの選択肢として“e-スポーツ”に注目して今回ご紹介してみました。
まだまだ未開拓な分野ではありますし、様々な課題もあるかもしれませんが、この資源とプラットフォームは非常に魅力的と感じています!

作業療法士は語りたい!

e-スポーツのオリンピック競技化の流れを考えると、
競技参加人口増加と社会認知を広げる点からも国が力を入れてくるのかもしれないですよね!
そうなるとゲームコントローラー開発に企業が作業療法士からのコンサルテーションを求める…
なんてこともあったりして!
!!!
それ、実現したら面白いですね!!!!!

【参考記事】
障害者プレイヤーが魅せる、eSportsの新たな世界
アジアオリンピック評議会が「e-Sports」を競技種目に

 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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