Rehabilitation

ドラマーに多い腰痛・椎間板ヘルニア – 原因・予防方法・対処方法について

 

よくミュージシャンやバンドのドラマーの方が腰痛で活動休止、脱退…なんてニュース、目にします。
どうしても他のパートよりも腰への負担が大きいのは否めないと思います。

そこで本記事では、ドラマー×椎間板ヘルニアについて解説します。

想定読者として…

  • ドラムを叩くとき腰が痛い
  • ドラマーとして活躍しているが腰痛が心配

…といった方を対象にしています。

ドラマーの腰痛の原因について

腰痛といっても原因は様々ですが第4、5腰椎の異常によるものがドラマーの方には多くみられます。
この第4、第5腰椎は腰椎の中でも大きな負担がかかる部分であり、骨盤や腹筋と共に上半身の負荷を支える大事な部分でもあります。
スムーズな動きを出すために骨格組織が少なくなっており、構造的なもろさを持ち合わせている場所になっています。

椎間板ヘルニアについて

椎間板ヘルニアとは、背骨の腰部の椎骨と椎骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板と呼ばれる軟骨が変性し、一部が飛びだすことをいいます。
飛びだした椎間板の一部が付近にある神経を圧迫しすることで、腰や足に激しい痛みやしびれなどの症状を起こします。

この症状は“坐骨神経痛”とも呼ばれ、椎間板ヘルニアの代表的な症状となっています。

ちなみに椎間板ヘルニアの“ヘルニア”とは「何かが飛びだすこと」を意味しています。

ドラマーの人はこの椎間板ヘルニアを患っている人が多いと言えます!

症状

脊椎の神経を圧迫しているため腰痛だけでなく下肢のしびれが起こります。主な症状としては…

  • 坐骨神経痛
  • 腰痛
  • 腰から足先にかけてしびれや痛み
  • 感覚障害
  • 冷感
  • 筋力の低下

…などがあげられます。

ドラム演奏時に腰痛だけでなく、バスドラムのペダルを踏む下肢に力が入りにくい場合などは高確率で神経を圧迫している可能性が高いです。

ドラム演奏はなぜ椎間板ヘルニアを引き起こしやすいか?

ドラム演奏における椎間板ヘルニアの原因としては、あきらかに腰椎への過度な負担によるものです。

特に第4、第5腰椎に関しては日常生活上の動作(立ったまま前屈をする、中腰になるetc)でも相当な負担がかかる上にドラム演奏が重なるので、ドラマーの方にとっては非常に発症しやすい病気と言えます。

原因の多くはペダル操作なのかもしれない

私見ですが、腰痛に悩むドラマーの方にお話しを聞くと結構バスドラムとハイハットのペダル操作が原因のような印象を受けます。

人間が動作をするときって、身体は「自由に動く部分(mobility)」と「その動きを支える部分(stability)」の2つに分かれます。
ドラム演奏で言えば、スティックでシンバルやタム、スネアを叩く際には、肩~体幹が固定的に働くからスティックを持っている手が自由に動かせる…といったことです。

仮にペダルに座って地に足を着けている状態での上肢での演奏のみだったら、その動きを支持するための力は腰から足にかかるのでいくらか分散されますが、
通常は右足でバスドラムのペダル、左足でハイハットのペダルを操作するので下肢は『支持』の働きができません。
両上肢、両下肢を自由に動かすために身体のどこが支持的に働くかと言えば、ペダルに座っている部分であり身体の中心に位置する『腰』になるのかと。

その演奏に加え、パンクやロック、ハードコアといったテンポが速い曲の場合はツインペダルになり余計に腰への負担が大きくなります。

ドラム演奏時の腰痛予防は?

腰痛を起こしてしまう前に、きちんと予防することが大事です。
ドラム演奏においての椎間板ヘルニアの原因は『腰椎への過度な負担』なのでこの負担を軽減することが最も効果的と言えます。

様々な方法があるかと思いますが、ここでは…

  • 体幹の筋トレ
  • 柔軟性を高める
  • 冷やさない
  • 姿勢に注意する

…について解説します。

体幹の筋トレ

体幹の筋トレを行うことで腰椎をしっかりと支えることになり負担がかかってもずれにくくできます。
体を酷使するドラマーこそ、普段から意識して筋トレは行わないといけません。

その1:フロントブリッジ(体幹前面の腹直筋や、腸腰筋、大腿直筋が働くエクササイズ)

その2:サイドブリッジ(体幹側面の腹斜筋群や腰方形筋、脊柱起立筋、中殿筋が働くことで体幹固定を行うエクササイズ)

その3:ダイアゴナル(わき腹と内もも(対角ライン)に効果的)

柔軟性を高める

筋はトレーニングすれば発達しますし強力なものになりますが、硬いままではその効果を発揮できない上にけがをしやすくなります。
きちんとストレッチをして柔軟性を高めておく必要がありますので、ライブ前やスタジオ練習前だけでなく、普段から心がけておかないといけません。

冷やさない

筋は冷えると柔軟性が低くなります。
ドラマーに限らず、なるべく普段から腰を冷やさないように注意しないといけません。

姿勢に注意する

「意識して」姿勢を正すことは筋トレの効果もありますし、腰への過負荷を避けることにもつながります。
演奏以外の日常生活でも、腰への負担が過度にかからないような姿勢をとることを心がける必要があります。

ドラマーが腰痛を起こした時の対処法は?

スタジオ練習やライブが目前なのに、腰痛を起こしてしまった場合は、痛みの軽減、症状の悪化を予防するために対症療法が必要です。

コルセット・腰痛ベルト

コルセットでしっかり腰回りを固定したうえで演奏を行うようにしましょう。
ただ、普段からコルセットを使用していると身体がコルセットに頼った状態になってしまい、コルセット離れができなくなるので注意してください!

湿布

軽い腰痛(腰の部分のみ痛い)程度なら直接腰に湿布を貼っても良いのですが、下肢にしびれがあるような椎間板ヘルニアの場合、湿布を貼って症状が悪化する場合があるようです。
その場合は直接腰に貼るのではなく、痛みの強い下肢の部分に貼ることで痛みが緩和する効果も期待できます。

まとめ

本記事では、ドラマーの方の腰痛や椎間板ヘルニアについて解説しました。

ドラマーの腰痛について

  • ドラマーの腰痛の原因の多くは第4、5腰椎の異常
  • 椎間板ヘルニアをわすらっているドラマーも多い
  • 原因としてはペダル操作による腰椎への過度な負担が考えられる
  • 予防法としては、体幹の筋トレ、柔軟性の維持などがあげられる

作業療法士は語りたい!

最近では[ALEXANDROS]のドラムの方が腰痛でライブができない…なんてニュースをみましたね。
長くドラムを演奏するためにも、予防が必要ってことだね!
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