Rehabilitation

更衣動作に関しての評価バッテリー、検査方法について

 

更衣動作を評価する際、作業療法士には様々な評価バッテリー、検査方法を選択する必要があります。
今回はこの更衣動作を評価する際に選択するべき評価バッテリーや検査方法についてまとめてみました!

“更衣”そのものに対しての評価

“更衣”というADL動作そのものが自立しているか?もしくは介助が必要かどうか?という視点での評価になります。
ここでの評価の目的としては、

・更衣の自立度の判別
・他職種間での情報共有
…といったものになります。

評価バッテリーや方法としては、

・FIM
・Barthal Index(BI)
・CAS(標準意欲評価法)
・Katz Activities of Daily Living Index(カッツインデックス)
・Kenny Self-Care Evaluation
・ADL-T
・ルーチン課題インベントリー(RTI:routine task inventory
・総合的基本生活技能評価(comprehensive evaluation of basic living skills)
…といったものがあげられます。

FIM

“しているADL”を評価するFIMにおいて更衣動作は、上衣、下衣の項目に分かれて評価されます。
FIMでは更衣動作の自立度について7段階で評価します。

FIM(更衣-上衣)
FIM(更衣-下衣)

Barthel Index(BI)

“できるADL”を評価するBIにおいて更衣動作は、自立、部分介助、全介助の3段階で評価されます。

Barthel Index(BI)

CAS(標準意欲評価法)

“質問紙による自覚的意欲評価”、“日常生活行動面での意欲評価”、“自由時間の行動観察”という多角的な視点で意欲を評価するCASですが、観察する日常生活の16項目の中に“更衣”があります。
この更衣に対して自発的に行うかどうか、という視点で5段階にわけて判別します。

CAS(標準意欲評価法)

Katz Activities of Daily Living Index(カッツインデックス)

カッツインデックスの6つの評価対象項目に“更衣”があります。
この更衣動作に対しての自立度を7段階で判定します。

カッツインデックス

Kenny Self-Care Evaluation(ケニー・セルフケア)

ADLを評価する方法であるケニー・セルフケアでは、評価対象の6つの項目に“更衣”が含まれています。
この場合、更衣動作の“上部体幹と上肢”、“下部体幹と下肢”、“足部”の3つの小項目を5段階で評価します。

ケニー・セルフケア

ADL-T

生田らによる“ADL-T”で評価対象である5つのADLの中に“更衣”が含まれています。
この更衣に対しての自立度を5段階で判別します。

ADL-T

ルーチン課題インベントリー(RTI:routine task inventory

ルーチン課題インベントリーでも評価対象であるADLの中に“更衣”が含まれます。
しかし非常に時間をかけて行う方法のため、実際の臨床や現場で有益な使用ができるか?というと難しいのかもしれません。

ルーチン課題インベントリー(RTI)

総合的基本生活技能評価

慢性期の精神疾患の方を対象として行われる“総合的基本生活技能評価(comprehensive evaluation of basic living skills)”の第1部で更衣の評価が項目にあります。
これに対して4段階で評価します。

更衣動作に必要な能力、機能に対しての評価

更衣動作に必要な身体・精神機能それぞれに対しての評価も、更衣動作遂行における問題点抽出には必要となります。
その身体・精神機能、及び能力とそれに対しての評価方法についてですが、

能力・機能 評価
関節可動域 ROM-T
筋力 MMT
姿勢保持能力(バランス機能) Berg Balance Scale(BBS)
上下肢の操作性 STEF感覚検査
手指の巧緻動作能力 パーデュー・ペグボード・テストオコナー手指操作性テストFQテスト
左右の判別 ゲルストマン症候群の有無
衣服の判別 BITVPTA
空間認識 BITVPTA
問題解決能力 包括的作業療法評価尺度(COTE)
注意 TMTCATかなひろいテスト
身体の認識 身体失認の有無
前頭葉機能 WCSTFAB

…となります。
*クライアントの疾患や症状、障害によって多少の違いはありますのでご了承ください。

まとめ

“更衣を評価”といっても、更衣動作そのものに対してなのか、更衣動作を構成する要素に対してなのかによって、選択する評価方法も変わってきます。
もちろん更衣動作を通して、ボトムアップアプローチとしての評価なのか、トップダウンとしての評価なのかによっても違いますが、なにより評価を行う作業療法士自身がきちんと目的を持って臨むことが必要になってくるのでしょうね!

作業療法士は語りたい!

作業療法士がクライアントの更衣動作に関して“評価”するとなると、更衣動作の自立度や要素的なことはもちろん、
ICFでいう参加の部分にどう影響を及ぼすのかまで評価の視点をもって関わる必要があるだろうね!
更衣の目的の“自己表現”や“社会参加の手段”という部分にまで支援することも重要でしょうからね!

“更衣動作”関連記事

更衣動作へのリハビリテーション(作業療法)
更衣動作に必要な身体・精神機能について
更衣動作に役立つ自助具・福祉用具10選
更衣動作に関連する衣服のパーツや部位の名前について
更衣動作の工程分析・動作分析について
更衣動作訓練の方法
脳卒中(脳出血・脳梗塞)への更衣動作リハビリテーション
高次脳機能障害への更衣動作リハビリテーション
認知症に対しての更衣をスムーズに促すための7つのコツ
パーキンソン病の更衣に対して行うべき14のコツ
慢性関節リウマチ(RA)のクライアントの更衣に対して行うべき8つのポイント
人工骨頭置換術の禁忌肢位と、更衣動作の際の注意点
脊髄損傷の更衣動作支援につながるポイント
うつ病と更衣(着替え)の関係性について?

 

ピックアップ記事

Sponsored Link

PAGE TOP