Rehabilitation

CDRによる認知症評価の方法と注意点、自動車運転におけるカットオフ値についてまとめてみました!

 

家族や介護者への聴取のみで対象の認知症クライアントの臨床症状を評価し、重症度を判定する方法の一つとして、“CDR”があげられます。
今回はこのCDRの評価項目や採点方法、また自動車運転においてのカットオフ値などについてまとめてみました!

CDRについて


CDR(Clinical Dementia Rating)は認知症の重症度評価法の一つで、本人の日常の生活状況を十分に把握している家族や介護者から情報を収集することで可能な評価になります。

CDRのメリットについて

周囲からの“聴取”することで実施可能なので、言語機能の低下や覚醒低下、または拒否が強くて積極的な介入が困難なクライアントに対しても実施できる点がメリットとしてあげられます。

CDRのデメリットについて

CDRは質問項目が非常に多くあるので、検査自体に30~45分程度を要してしまうことがデメリットとしてあげられます。

重症度の段階について

CDRによる認知症の重症度判定ですが、上記の6項目を総合して、

健康(CDR0)
認知症の疑い(CDR0.5)
軽度認知症(CDR1)
中等度認知症(CDR2)
高度認知症(CDR3)
…のいずれかに評価します。

評価項目

CDRの評価項目としては、以下の6項目があげられます。

①記憶(Memory)
②見当識(Orientation)
③判断力と問題解決(Judgement&Problem Solving)
④社会適応(Community Affairs)
⑤家庭生活と趣味・関心(Home&Hobbies)
⑥介護状況(Personal care)
…の6項目になります。
以下に各項目について詳しく解説します。

①記憶(Memory)

重症度 症状
CDR0 記憶障害なし・特に若干の物忘れをするが思い出すことが可能
CDR0.5 一貫した物忘れ・不完全な想起
CDR1 中等度の記憶障害・特に最近の出来事に対して日常生活に支障
CDR2 重度の記憶障害・高度に学習した記憶は保持、新しいものはすぐに忘れる
CDR3 重度の記憶障害・断片的記憶のみ残存

②見当識(Orientation)

重症度 症状
CDR0 見当識障害なし
CDR0.5 時間的関連性に軽度の障害がある以外は見当識障害なし
CDR1 時間的関連性に中等度の障害がある
検査上は場所の見当識はあるも他では地理的失見当あり
CDR2 時間的関連性に重度の障害がある
通常時間の失見当識がみられ、しばしば場所の失見当あり
CDR3 人物への見当識のみ

③判断力と問題解決(Judgement&Problem Solving)

重症度 症状
CDR0 日常生活での問題解決に支障なし・過去の行動に関して判断も適切
CDR0.5 問題解決および類似や相違の理解に軽度の障害
CDR1 問題解決および類似や相違の理解に中等度の障害・社会的判断は通常保たれている
CDR2 問題解決および類似や相違の理解に重度の障害・社会的判断は通常障害されている
CDR3 判断不能・問題解決不能

④社会適応(Community Affairs)

重症度 症状
CDR0 仕事、買い物、商売、金銭管理、ボランティア、
社会的グループで普段の自立した機能を果たせる
CDR0.5 上記の活動で軽度の障害がある
CDR1 上記の活動のいくつかには参加できるが、
自立した機能を果たすことはできない・表面的には普通と言える
CDR2 家庭外では自立した機能を果たすことができない
一見家庭外の活動に関われるように見える
CDR3 家庭外では自立した機能を果たすことができない
一見して家庭外の活動に関われるように見えない

⑤家庭生活と趣味・関心(Home&Hobbies)

重症度 症状
CDR0 家庭での生活、趣味や知的関心は十分に保たれている
CDR0.5 家庭での生活、趣味や知的関心が軽度に障害されている
CDR1 家庭での生活に軽度であるが明らかな障害がある
より難しい家事はできない・より複雑な趣味や関心は喪失
CDR2 単純な家事はできるが、非常に限られた関心がわずかにある
CDR3 家庭で意味のあることはできない

⑥介護状況(Personal care)

重症度 症状
CDR0 セルフケアは完全にできる
CDR1 時に励ましが必要
CDR2 着衣や衛生管理、身繕いに介助が必要
CDR3 本人のケアに対して多大な介助が必要・しばしば失禁

採点方法上の注意点

CDRを実施し採点を行う方法として注意点は以下のとおりになります。

①家族情報・本人の診察、全体的な印象で決定する。
②認知機能の障害にのみ基づき、通常のレベルからどの程度低下したか?で判定すること。迷う場合はより重症なほうを採用する。
③失語がある場合、それぞれのカテゴリーについて「言語」と「非言語機能」を評価すること。
④片麻痺など身体機能障害の場合には、1ランク健常に近づけ、矢印を記載する。
⑤記憶を主要カテゴリー、それ以外は2次的と考える。

CDRの有用性

MMSEとの相関性が高いことからも非常に信頼性の高い検査であるといえます。
事実欧州では非常によく使われている評価法の一つのようです。

自動車運転評価にも使用


都道府県公安委員会提出用の書類にも、CDRについての所見を記載する欄がありますので今後CDRの点数は一つの基準として扱われる可能性があるといえます。
欧米のガイドラインではCDR2以上では運転中止を強く勧告すべき…ともあるので、一つのカットオフ値として判断してよいかもしれません。
しかし決してCDR0.5~CDR1の方の自動車運転が安全か?ということはなく、重要なのは同乗者による危険性の指摘である…とも言われています。

リハビリの様々な検査のカットオフ値についての記事一覧はこちら

まとめ

認知症を検査する方法は様々ですが、そのクライアントの症状や状況によっては家族や介護者といった人的環境からの情報が有益の場合もあります。
CDRを使用することで、そのクライアントの認知症症状を客観的に判断する…という視点も必要なのかもしれませんね!

作業療法士は語りたい!

自動車運転証の診断書に必要な重症度判別検査ってCDR以外何があるんですか?
管轄の都道府県によって多少の違いはあるのかもしれないけど、
CDR以外にはFASTや介護保険の認知症自立度などを記載する欄があるようだね!

CDR評価用紙(pdf)

CDRの評価用紙はこちらから

【参考文献】
認知症の作業療法―エビデンスとナラティブの接点に向けて

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