料理という作業活動は非常に作業療法をはじめとしたリハビリテーション場面で多用される機会がある活動です。
今回はこの作業療法における料理の目的と一般的特性についてまとめました。

料理とは?

そもそも料理とは、
食物をこしらえることで、同時に、こしらえた結果である食品そのもの
…を言います。

つまり食材や調味料などを組み合わせて加工し、それを行ったものの総称を意味します。

料理を行う目的について

作業療法において、料理を行う目的を考えると以下のような項目をあげることができます。

  1. ①食事の準備として
  2. ②役割として
  3. ③楽しみとして

①食事の準備としての料理

まず料理の目的として主たるものはこの“食事の準備として”があげられます。
食材を加工して食べられるようにすることという料理の定義からもわかるように、食材を食べやすく、料理しやすく切り、熱を加えるなどの加工を経た上で口にする。
その工程が簡単なものであれ、複雑なものであれ、食べていくためにはなにかしらの料理という作業活動は行っていく必用があります。

②役割としての料理

次に料理の目的として大きなものとしては“役割”としてです。
これは家庭内で家族の食事を料理するという役割であったり、職業としての役割だったりが当てはまります。
この役割としての目的となると、あくまで他者に対して提供する食事の料理を前提としているため、多少高度なレベルや頻度が求められます。

③楽しみとしての料理

もう一つの目的が“楽しみ”としての料理です。
レクリエーション的な意味合いを持つ作業活動に位置づけられますが、お菓子作りやキャンプでのバーベキューなどがイメージとして当てはまるかと思います。

料理の一般的な特性について

では、料理の一般的な特性について考えてみます。
至って標準的で当たり前なことですが、そのスタンダードを知ることが作業療法士として料理を作業活動に利用するためには必要なことになります。

場所について

料理を行う場所は一般的には“台所”になります。
仮に屋外で行う料理を想定したとしても、基本的には同じであり、調理台や調理用具、水場は必要になります。

料理を作業療法の作業活動として提供する場合、普段クライアントが料理を行っていた場所や冷蔵庫の位置、調理場の高さや蛇口までの距離といった環境に対して情報を集め、できる限りその環境に近い状況下で行う必要があります。

材料

料理には様々な材料が必要です。
そしてそれは様々な形や重さ、硬さといったバリエーションに富んでいること、触り心地や匂い、香りも様々です。
普段どのような材料を使用していたかも情報収集する必要があります。

用具

食材を加工するためには様々な調理用具を使用します。
包丁やまな板、皮むき器といったものから、炊飯ジャーやフードプロセッサーといった電化製品まで非常に多種多様です。
その分、クライアントの生活で使用していたもの、使用していないものもでてくるため、普段どのような用具を使用していたかも情報収集する必要があります。
最近ではガスレンジではなくIHクッキングヒーターを使用するケースも増えてきたため、きちんと確認しておく必要があります。

料理活動の特性について

料理には一般的で基本的な原則と、一連のプロセスがあります。
それこそ、“肉じゃが”というレシピで言えば、

材料:肉、たまねぎ、ニンジン、ジャガイモ、砂糖、酒、しょうゆ、みりん、油
用具:包丁、まな板、皮むき器、鍋、菜箸
手順:
・肉を一口大の大きさに切る
・人参、ジャガイモは皮をむき乱切りにする
・玉ねぎをくし形切りにする
・鍋に油をひく
・肉を炒める
・じゃがいも、ニンジン、玉ねぎの順に加えて炒める
・水、砂糖、酒、みりんを加える
・醤油を加え味付けをする
…といった具合です。

大まかな手順はどの人が行っても同じでしょうが、細かい点(材料や手順)では料理をする人によって変わってくるのがこの料理活動の特性とも言えます。
スタンダードを知ることは作業療法士にとっては必須ですが、決してそのスタンダードにクライアントが行ってきた方法を合わせるのではなく、許容できる違いも含めて評価的な視点で観察するという発想も必要なのかもしれません。  

まとめ

料理という作業活動は非常に作業療法の場面で多く利用されると同時に、非常に多様性に富むものになります。
クライアントが普段どのような場所で行い、どのような用具を使用し、どのような料理を行っていたかをしっかりと情報収集した上で提供しないと、クライアントが望むものとはかけ離れたものになってしまう危険性があるため注意が必要とも言えます。

作業療法士は語りたい!

料理を作業活動に利用する場合、作業療法士自身もある程度の知識と経験が必要になってくるからね。
得意不得意ではなく、知識として知っているということは、臨床において非常に武器になるでしょうね!
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