Rehabilitation

爪が割れる?高齢者の爪切り動作に関する問題点と、その対策について

 

高齢のクライアントにとって、爪切り動作はなかなか困難なADLの一つでもあり、爪の状態悪化に伴う切りにくさや、爪切りの介助をされること自体拒否的になってしまうケースもあるようです。
そこで今回は高齢者の爪切り動作に関する問題点と、その対策についてまとめました。

高齢者で起こりやすい爪のトラブルについて

高齢者や認知症のクライアントの爪で起こりやすいトラブルについては次のようなものがあげられます。

  • 深爪
  • 伸びすぎ
  • 肥厚
  • 陥入爪
  • 剥離
  • 委縮
  • 脱落
  • 爪の白濁
  • 爪周囲炎

以下にそれぞれ詳しく解説します。

深爪

高齢者の場合、視力低下も伴って爪切りを行おうとしてもつい深爪になってしまう場合が多いようです。
特に足の爪の場合、深爪の状態でいると立位や歩行の際足の指に力が加わり、爪の先の皮膚が力を受けて盛り上がり、結果として指先を傷つけてしまう場合があります。
また、手の爪の場合深爪しすぎると、指先にうまく力が入らず巧緻能力が低下してしまう場合もあります。

伸びすぎ

逆に高齢者の場合、セルフケアへの関心や意欲が低下し、爪を切ることも疎かになって爪が伸びっぱなし…なんてケースも良くみられます。

肥厚

高齢者の爪で多い症状の一つにこの“肥厚爪”があげられます。
爪白癬などが原因にあげられますが、長期間にわたる爪への物理的な圧迫によっても起こることがあります。
手の爪よりも足の爪での症状の方が多いため、爪切りの際に非常に難渋することが多いようです。

陥入爪

爪の縁が軟部組織に食い込んでしまうことで痛みや炎症、肉芽形成などを起こした状態を言います。
またこの陥入爪から二次感染を引き起こすこともあり、足の爪の場合は結果として歩行障害につながるケースも多くみられます。

剥離

爪が伸びた状態や肥厚爪の状態で、どこかにぶつけたりすると爪がはがれてしまうことがあります。
そのままの状態だと、痛みや感染の危険性が高くなります。

委縮

爪が萎縮することでその指が機能不全の状態に陥る場合があります。
足の小指の爪に多くみられることがあるようです。
爪甲委縮症とも呼ばれる症状です。

脱落

爪甲脱落症と呼ばれる症状で、爪が剥がれ落ちてしまう状態をいいます。
原因としては重い物で挟まった、強くぶつけたといった衝撃を与えて起こる場合や、過剰に負荷がかかった状態で起こることがあるようです。

爪の白濁

爪の色が白く濁ったようになっている状態です。
多くの場合、爪白癬やカンジタなどが背景に潜んでいることが多くあります。

爪周囲炎

ささくれなどが剥がされることで菌が入り、炎症が起きる状態を言います。
痛みを伴うため、手の爪の場合は巧緻動作で、足の爪の場合は立位や歩行に支障をきたすことが多いようです。

高齢者へ爪切り支援をする際の注意点

では、高齢のクライアントの爪切り介助や支援を行う場合はどのような点に注意をしたらよいのでしょうか?
主に以下のような注意点があげられます。

  • 爪は柔らかくしてから行う
  • 事前に説明をしてから
  • 爪切りの最中は声掛けを頻回に
  • 無理に短く切ろうとはしない
  • 爪に明らかな異常がある場合はすぐに主治医に連絡をすること

爪は柔らかくしてから行う

高齢者の爪は非常に硬くなっていることが多くあるため、ぬるま湯につける、濡れたタオルを当てるなどをして爪の状態を柔らかくしてから爪切りを行う必要があります。
この工程を飛ばして硬い状態のまま爪切りを行うと、切りにくいだけでなく爪が割れてしまう可能性もあります。

事前に説明をしてから

高齢でも特に認知症のクライアントに対しては、丁寧に何度も「これから爪切りをする」ということを説明し、同意を得たうえで行う必要があります。

爪切りの最中は声掛けを頻回に

高齢のクライアントでも、状況理解に乏しい状態では、いきなり爪切りを行おうとするとパニックに陥ることもあるため、細かく説明を加えながら行うことが望ましいと言えます。

無理に短く切ろうとはしない

爪を深く切りすぎたため、巧緻能力が低下した、歩きにくくなった…なんてこともあり得ます。
無理に短く切るのではなく、あくまで衛生保持ができ、怪我につながらないような長さに切るだけにとどめておくことも必要です。

爪に明らかな異常がある場合はすぐに主治医に連絡をすること

明かな爪周囲の炎症や痛みの状態がある場合は、自己判断をせずに主治医に連絡をして対応してもらうことも必要です。

まとめ

高齢者の爪のトラブルの種類や対応方法をしっかりと把握することを前提として、作業療法士は爪切り動作の評価や訓練を行うことができると思います。
また、爪のトラブルは結果としてADL動作への悪影響にもなることを理解しておく必要があります。

作業療法士は語りたい!

高齢のクライアントでも肥厚爪の方、多くみられますね!
爪の状態悪化に伴い、本人も家族も切り方が分からなくなってそのまま…なんてケースも多いようだね!
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