Rehabilitation

脊髄損傷への洗顔動作に関する問題点とその目的について

 
脊髄損傷への洗顔動作に関する問題点とその目的について

脊髄損傷のクライアントは損傷部位より高位のレベルでの自律神経症状を呈し、そのため、洗顔動作に関わる問題点やその目的は他の洗顔動作とは少し異なります。
今回はこの脊髄損傷への洗顔動作に関する問題点とその目的についてまとめました。

脊髄損傷の洗顔動作に関わる問題点

脊髄損傷のクライアントで洗顔に関わる問題点として、以下のようなものが顕在化します。

・顔面紅潮による顔のほてり
・脂漏性湿疹
・鬱熱

顔面紅潮による顔のほてり

脊髄を損傷することによる自律神経反射亢進の症状の一つに、“顔面紅潮”があげられます。
この顔面紅潮によって顔のほてりを感じることが多くあります。

脂漏性湿疹

頭皮や顔といった皮脂が多く分泌する部分に起こりやすいのが脂漏性湿疹です。
この脂漏性湿疹によってかゆみやカサつきなどの症状がみられるようになります。

鬱熱

自律神経の発汗中枢があるTh4より高位の胸髄損傷、頸髄損傷の場合、汗をかく機能が低下、消失してしまいます。
そのため、気温が25度以上になると体内に熱がこもる“鬱熱(うつねつ)”状態になり、体温が上昇してしまいます。
この状態が悪化、継続すると熱中症と同じ危険な状態になるため、体温を下げる措置が必要になります。

脊髄損傷への洗顔動作を支援する目的について

上述した脊髄損傷のクライアントに起こりやすい症状をみると、

・衛生面のセルフケアとして
・体温調整の手段として

…と大きく2つの目的に分けることができます。

衛生面のセルフケアとして

脊髄損傷のクライアントは、身体的な障害により身だしなみである洗顔動作が行いにくいだけでなく、脂漏性湿疹といった症状も重なるため、より衛生管理としての洗顔動作が必要となります。

体温調整の手段として

脊髄損傷独自の問題点として、自律神経障害による体温調整困難の状態があげられます。
顔のほてりや鬱熱といった症状は、気分不良だけでなく生命の危険にもつながります。
洗顔動作のひとつとして、顔や頚部を冷やすという行為は、体温調整のセルフメンテナンスの手段の一つとしても必要なものになります。

作業療法士は語りたい!

広義の洗顔動作の主な目的として、①衛生管理、②社会生活における他者への配慮の2つをあげました。
しかし脊髄損傷の場合、そこに“体温調整”という重要な役割を担うことを作業療法士は知っておく必要があります。

作業療法士は語りたい!

脊髄損傷への洗顔動作支援の場合、狭義での洗顔動作とは異なるかもしれないけど、
動作工程上はほぼ同義だから、支援方法や評価する視点は同じであると言えるね!
洗顔動作…というよりは“洗顔関連動作”という表現がしっくりくるかもしれませんね!

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