Rehabilitation

洗顔動作に対しての評価バッテリー、検査について

 
洗顔動作に対しての評価バッテリー、検査について

洗顔動作はADLの中でも整容動作の一つとして扱われますが、作業療法やリハビリテーションの臨床、現場では「できるorできない」程度の評価で、その質や程度についてはあまり追求されてきていないような気がします。
そこで今回はこの整容動作でも“洗顔動作”に焦点を絞り、どのような評価バッテリーや検査方法が有効化を考えてみます。

洗顔動作への評価とは?

ADLの整容動作の一つである“洗顔動作”ですが、これを作業療法士が評価する際には、、

①日常生活内で行われている洗顔動作の自立度
②洗顔動作に対しての身体機能評価
③洗顔動作に対しての精神機能評価
④洗顔動作の質や達成度に対しての評価

…の4つの評価の視点が必要になります。

①日常生活内で行われている洗顔動作の自立度

クライアントが洗顔動作を行う際、どの程度自分で行え、実際にしているのか?…という日常生活内における“洗顔動作の自立度”を評価する必要があります。
この自立度を評価するためのバッテリーとしては以下のようなものがあげられます。

・FIM
・Barthal Index(BI)
・Kenny Self-Care Evaluation

FIM

“しているADL”を評価するFIMにおいては、洗顔動作は整容動作の判定基準内の一つの項目として扱われます。
FIMでは整容動作の自立度について7段階で評価します。

・関連記事:FIM(整容)

Barthal Index(BI)

“できるADL”を評価するBarthal Index(BI)において、洗顔は整容の項目内で扱われます(“洗面”という表現が多いようです)。
“自立”or“部分介助または全介助”の2段階で評価されます。
しかし、あくまで“整容(洗面、整髪、歯磨き、ひげ剃り)という括りでの扱いになっています。

・関連記事:Barthel Index(BI)

Kenny Self-Care Evaluation

“身体の清潔”項目内での“顔”が洗顔に当たります。
クライアントの能力を、できるか否かで評価するケニー・セルフケアですが、0点(すべて依存)から4点(自立)までの5段階で評価されます。

・関連記事:Kenny Self-Care Evaluation

②洗顔動作に対しての身体機能評価

洗顔動作の方法としては、大きく“両手による洗顔”、“片手による洗顔”、“タオルなどの物品を使用しての洗顔”の3通りの方法に分けることができるかと思います。
ただし、この3つのどの方法においても必要な身体機能に大きな違いはありません。

つまり、身体機能面への評価項目としては、

能力・機能 評価
関節可動域 ROM-T
筋力 MMT
感覚機能 感覚検査
姿勢保持能力(バランス機能) Berg Balance Scale(BBS)
上肢の操作性 STEF
手指の巧緻動作能力 パーデュー・ペグボード・テストオコナー手指操作性テストFQテスト

…などがあげられます。
*クライアントの疾患や症状、障害によって多少の違いはありますのでご了承ください。

③洗顔動作に対しての精神機能評価

整容動作のひとつである洗顔動作支援を行う上で、必要な評価については以下のとおりになります。

能力・機能 評価
意欲 CAS
問題解決能力 包括的作業療法評価尺度(COTE)
注意 TMTCATかなひろいテスト
身体の認識 身体失認の有無
前頭葉機能 WCSTFAB

④洗顔動作の質や達成度に対しての評価

洗顔動作に対する質や達成度の基準は現段階では定量化されているわけではないので、あくまで“見た目”や“感じ方”といった非常に定性的なものになるかと思います。
程度の差はあれ、どのような点に注目して洗顔動作の達成度について評価をすればよいのでしょうか?

作業療法をはじめとしたリハビリテーション医療、介護における洗顔動作の達成度の評価については、まだ先行研究はないですし、他の評価であっても「十分or不十分」といった大まかなものでしかありません。
何をもって“十分”で、何をもって“不十分”なのかは明確ではないのですが、評価するポイントとしては、

・顔のテカりの程度
・部位別による達成度の違い
・目脂や汚れの有無
・洗顔前後の気分の変化

…といった項目が考えられます。

まとめ

洗顔動作を評価するにあたり、どのような身体機能面、精神機能面を評価するのかを明確にしておくことは非常に作業療法プログラム立案への要素になると思います。
加えて、洗顔動作の達成度という“質”に関しての評価方法や基準はまだ未整備のため、なにかしらの基準があると、よりよい洗顔動作、整容動作支援へつながるのかなと考えています。

作業療法士は語りたい!

実際、この洗顔に対しての“質”の評価や研究は化粧品会社が多く論文を発表しているね。
直接的な生命に関わらない項目である洗顔ですけど、
健康生活を支援するという目的の作業療法士にとっては非常に追求すべきADLかもしれませんね!

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