クライアントの“作業”や“活動”を支援するためには手の機能を維持することも必要です。
そうなると多くの小さな骨で構成されている手根骨をしっかりと触診することで、トラブルの原因究明につながり、結果として手の機能維持、向上支援につながります!
そこで今回は「手関節と手根骨の触診のポイント」について解説します。

手関節について

手関節は2つの前腕骨(橈骨と尺骨)、8個の手根骨からなる複合関節です。
臨床的には手関節は次の3つに大別されます。

  1. 橈骨手根関節
  2. 尺骨手根骨関節
  3. 手根中央関節

①橈骨手根関節

橈骨手根関節の特徴としては、

  • 狭義の手関節とされている
  • 橈骨手根関節の運動は掌屈、背屈、橈屈、尺屈であり、特に手関節の掌屈運動はこの関節に負うところが多いとされている 

      
…などがあげられます。

②尺骨手根骨関節

 

尺骨手根骨関節については、

  • 尺骨と三角骨の間には厚い関節円板が存在する
  • 関節円板によって尺骨と三角骨の間は比較的大きな可動性を持つことができる

…といった特徴があげられます。

関節円板とは、線維性の板で,関節運動を円滑にしたり関節への衝撃を緩和する役目をする組織になります!

③手根中央関節

手根中央関節とは、豆状骨を除く近位列の手根骨、すなわち三角骨、月状骨、舟状骨と、遠位列の手根骨、すなわち有鈎骨、有頭骨、小菱形骨、大菱形骨との間にみられる複関節

手根中央関節の特徴としては、

  • 関節構造としては、“蝶番関節”、“楕円関節”
  • 関節面が一定ではなく、接触面積も小さいため運動域は大きく制限されている

…といった特徴があげられます。

手根骨の名称と触診のポイントについて

手首を痛めないためにも常に一定の柔軟性を保っていなければなりません。
以下に手根骨それぞれの触診の方法やポイントについて解説します。

名称 方法
豆状骨 手首の小指側に位置する丸い骨。比較的触りやすい骨なので、ここを基礎にして他の手根骨を触診していくことが多いです。
三角骨 豆状骨の背側:手関節を橈屈すると触診でき、尺屈すると消えるように感じます。
舟状骨 『解剖学的嗅ぎタバコ入れ』の中にあります。尺屈すると触診できます。
月状骨 橈骨の遠位で背側にある、リスター結節(背側結節)の少し遠位。手関節を屈曲させると触診できます。
大菱形骨 第1中手骨底の近位で、舟状骨の遠位にあり、第1指を屈曲や伸展させて動きを感じない骨。
有鉤骨 第4中手骨底の近位にあり、掌側では、豆状骨のやや外側遠位に鉤が触れます。
有頭骨 第3中手骨底の近位で月状骨の遠位に位置します。手関節屈曲で触診できます。
小菱形骨 第2中手骨底の近位で、手背の少しくぼんだ部位から触診できます。

手根間関節

手根間関節の特徴としては次のようになります。

  • 平面関節
  • 掌側、背側にある多くの靭帯と、関節腔にある骨間手根間靭帯によって補強されているため、可動性はごくわずか
  • この可動性の減少が原因不明の手首の違和感や痛みになる場合が多い

手根骨が原因による臨床上の症状

手根骨や中手骨の動きが固い状態だと、クッションとしての役割が低下するため手指や手関節に負荷を与えてしまうことになります。
この負荷が後々、腱鞘炎やバネ指などを引き起こし、楽器演奏をすることさえ困難になってしまいます。
また、「なんとなく手がうごかしづらい」といった症状を引き起こすこともあるようです。

まとめ

多くの手根骨が関与している手関節だからこそ、しっかりと触診することでクライアントの手のトラブルに対処できるようになると思います。
あらゆる作業や活動も、手の状態が安定していたうえで成り立っていますからね~。

作業療法士は語りたい!

手根骨別に触診による評価ができるってことは、同時に徒手的な治療として介入もできるってことだからね。
手の浮腫みや腱鞘炎の方への治療的な介入の一つとしても有用になりますね!

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