Rehabilitation

慢性関節リウマチ(RA)における歯磨き動作の問題点と支援のコツについて

 

慢性関節リウマチのクライアントにとって、歯磨き動作を行うことは関節可動域制限や痛みもあるため非常に大変なADL動作になります。
今回はこのリウマチの歯磨き動作における問題点と歯磨き動作支援のコツについてまとめました!

慢性関節リウマチにおける歯磨き動作の問題点

RAのクライアントが日常的に歯磨きを行う場合、以下のような問題点や主訴が表面化されます。

・歯磨き粉のキャップが開けられない
・歯磨き粉をチューブから押し出せない
・歯ブラシがにぎれない
・歯磨きをすると指の関節が痛む
・歯磨きをすると手首が痛む
・歯磨きをすると肘が痛む
・歯磨きをすると肩が痛む
・口を開けるときに顎が痛む

歯磨き粉のキャップが開けられない

RAのクライアントは手指の関節破壊もあることから、非常に握力やピンチ力が低下します。
この場合、歯磨き動作における歯磨き粉のキャップを開けるという動作工程が非常に困難になる場合があります。

歯磨き粉をチューブから押し出せない

同様に、歯磨き粉をチューブから押し出すことが困難になります。

歯ブラシがにぎれない

歯ブラシが重くて持ち上がらない…という訴えは少ないものの、歯ブラシ自体が握りにくく、ブラッシング操作がしにくいという訴えは多く聞かれます。

歯磨きをすると指の関節が痛む

細かいブラッシング動作を行うと、指の関節への負担がかかり、痛みを誘発する場合があります。

歯磨きをすると手首が痛む

また、ブラッシング操作などによって手関節への負担もかかり、結果として手首の痛みにつながる場合もあります。

歯磨きをすると肘が痛む

ブラッシング操作のためには歯ブラシが口腔内に届くように、上肢を持ち上げ続けていないといけません。
その際に肘関節への負担がかかり、肘関節が痛むようになるRAのクライアントもいらっしゃいます。

歯磨きをすると肩が痛む

RAの症状の進行度にもよりますが、歯磨き動作によって肩関節への負担がかかり、結果として痛みにつながる場合もあるようです。

口を開けるときに顎が痛む

多くのRAのクライアントから、顎関節の炎症や破壊による痛みの訴えが聞かれます。
また同様に咀嚼筋が痛むという場合もあるようです。

RAのクライアントに対しての歯磨き動作評価や訓練を行う際には、上記のような問題点や訴えに注意しながら行う必要があります。

慢性関節リウマチに対しての歯磨き動作支援のコツ

では、実際にRAのクライアントに対して歯磨き動作支援をおこなう場合、どのようなコツやポイントを抑えるべきなのでしょうか?
代表的なものとしては、

・歯ブラシの柄は太くする
・歯ブラシのヘッドは小さいものにする
・電動歯ブラシを検討する
・テーブルに肘をついて歯磨きをする
・口ゆすぎの際に首への負担に注意する

…などがあげられます。

歯ブラシの柄は太くする

リウマチのクライアントは非常に細いもの、小さいものを持つことが困難になります。
歯ブラシの柄を太くすることで、把持しやすくなるだけではなく、過剰な力を入れずにブラッシングすることができます。

歯ブラシのヘッドは小さいものにする

歯ブラシを持つが手に関節可動域の制限がある場合、奥歯を磨こうとしてもなかなか届きにくい場合があります。
歯ブラシのヘッドを少し小さめのものにすることで、奥歯までリーチしやすくなります。

電動歯ブラシを検討する

関節痛によってブラッシング動作が困難な場合、電動歯ブラシの導入も検討することも必要です。
ただしその際、電動歯ブラシ自体の重さや操作性に注意しないといけません。

テーブルに肘をついて歯磨きをする

関節可動域の狭さ、筋力の低下などによって、口の高さまで歯ブラシを持ち上げてブラッシング操作をすることが困難な場合は、座位姿勢で肘の高さまで高くしたテーブルに、肘をついて固定した状態で歯磨き動作を行うという方法も検討してみるとよいかもしれません。
ただしその際、歯ブラシを持つ上肢の動きは制限されるため、頚部や頭部の動きで代償する必要があり、頚部への負担を考えながら行う必要があります。

口ゆすぎの際に首への負担に注意する

ブラッシングの後、口をゆすぎ洗面台のシンクへ吐き出す際、頚部を過屈曲し頚部の関節へ負担んをかけてしまう場合があります。
過屈曲しないでも吐き出せるように洗面台のシンクの高さを調整する、ガーグルベースなどを利用するといった工夫が必要です。

歯周病はリウマチの原因にもなる?

歯周病の原因のひとつである“ポルフィロモナス菌”がリウマチ発症のきっかけになる可能性があるという報告があります。
つまり、歯磨きや口腔ケアが不十分だとリウマチの発症のリスクが高まる…ということになります。

まとめ

慢性関節リウマチのクライアントにとって、歯磨き動作での問題点は可動域制限、筋力低下、そして痛みによる動作不良です。
その問題点への対処方法のポイントをおさえておくことで、適切な支援につながっていきます。

作業療法士は語りたい!

いかに関節に負担なく痛みを増悪しないように歯磨き動作を行うか?が支援のポイントでしょうね!
そのために動作分析的な視点での評価が必要だね!

参考記事・論文

・http://www.zaitakuiryo-yuumizaidan.com/data/file/data1_20150916092858.pdf

“歯磨き動作”関連記事

歯磨き動作に必要な身体・精神機能について
歯磨き動作に対しての評価バッテリー、検査について
歯磨き動作に対しての自助具・福祉用具10選
歯磨きの工程分析・動作分析について
歯磨きの訓練方法
脳卒中(脳出血・脳梗塞)片麻痺への歯磨き動作リハビリテーション
パーキンソン病の歯磨き動作支援のための6つのコツ
認知症の歯磨き介助拒否に対して試してみたい10のコツ
脊髄損傷の歯磨き動作・口腔ケアにおけるいくつかの問題点
うつ病に見られる口腔内トラブルと、歯磨きができない状態への支援のコツについて

sponsored Link
 

ピックアップ記事

Sponsored Link

PAGE TOP