Rehabilitation

歯磨きの工程分析・動作分析について – 歯ブラシ・コップ・フロス・歯間ブラシ・舌ブラシ・マウスウォッシュの使用を前提として

 

歯磨き動作を工程分析、動作分析することで、クライアントがどの工程や動作要素に問題を抱えて、歯磨き動作を遂行する障害になっているのかを把握することができます。
今回はリハビリテーションでも特に作業療法における歯磨き動作の工程分析、動作分析についてまとめました!

歯磨き動作の工程分析

歯磨き動作の工程分析をする際、ここでは必要とされる最大限の歯に対してのケア(フロスや歯間ブラシの使用、舌磨きやマウスウォッシュの使用)を含んで分析しています。

①歯磨き用具を収納場所から取る
②歯磨き粉を歯ブラシにつける
③歯を磨く
④コップに水を汲む
⑤口をゆすぐ
⑥フロス、歯間ブラシでケアをする
⑦口をゆすぐ
⑧舌を磨く
⑨口をゆすぐ
⑩マウスウォッシュで口をゆすぐ
⑪口を拭く
⑫歯ブラシ、コップを洗浄する
⑬歯磨き用具をしまう

…といった13工程になります。
これらを、工程毎に構成している動作要素に分析してみます。

①歯磨き用具を収納場所から取る

この工程を遂行するのに必要な動作としては、

・収納場所へのリーチする
・収納扉の開閉する
・歯磨き用具を把持する
・歯磨き用具を近くまで運搬する
…の動作があげられます。

②歯磨き粉を歯ブラシにつける

この工程では、

・歯磨き粉を固定する
・歯磨き粉の蓋を開ける
・歯磨き粉を適量出す
・歯ブラシに歯磨き粉をつける
・歯磨き粉の蓋を閉める
…の動作があげられます。

③歯を磨く

実際に歯を磨くという工程で必要な動作としては、

・歯ブラシをつかむ
・歯ブラシのヘッドを口腔内までリーチする
・口を開ける
・前歯を磨く
・外側の歯を磨く
・奥歯を磨く
・歯の裏側を磨く
…の動作があげられます。

④コップに水を汲む

歯を磨いた後に口をゆすぐためには、

・蛇口の栓までリーチする
・蛇口をあける
・コップまでリーチする
・コップを把持する
・コップを把持したまま蛇口からでる流水まで運搬する
・コップに水を汲む

…という動作が必要になります。

⑤口をゆすぐ

この工程では、

・水を汲んだコップを口まで運搬する
・コップの水を口に含む
・口をゆすぐ
・洗面台のシンクに吐き出す
…といった動作があげられます。

⑥フロス、歯間ブラシでケアをする

歯を歯ブラシで磨くだけでは、歯間に挟まった歯垢は除去しきれません。
定期的にフロス、もしくは歯間ブラシを使用することが薦められています。
この工程では、

・フロス(歯間ブラシ)へリーチする
・フロス(歯間ブラシ)をつかむ
・口を開ける
・フロス(歯間ブラシ)でケアをする

⑦口をゆすぐ

*前述したとおりの為省略

⑧舌を磨く

口臭予防のためにも、舌磨きによって舌苔の除去が必要になります。
この工程では、

・舌ブラシへリーチする
・舌ブラシをつかむ
・舌を出す
・舌ブラシを舌まで近づける
・舌を磨く
…という動作になります。

⑨口をゆすぐ

*前述したとおりの為省略

⑩マウスウォッシュで口をゆすぐ

口臭対策や歯周病予防のためにも、マウスウォッシュの使用が薦められています。
この工程では、

・マウスウォッシュまでリーチする
・マウスウォッシュを把持する
・マウスウォッシュを近くまで運搬する
・マウスウォッシュを固定する
・マウスウォッシュの蓋を開ける
・マウスウォッシュを少量、コップに注ぐ
・コップを把持する
・コップを口にまで運搬する
・マウスウォッシュを口に含む
・口をゆすぐ
・洗面台のシンクに吐き出す
…という動作が必要になります。

⑪口を拭く

一通りの歯磨きに関するケアが終わったら、口の周りが濡れている場合があるのでタオル等でふき取る必要があります。

・タオルまでリーチする
・タオルを把持する
・タオルを口にまで運搬する
・タオルで口を拭く
・タオルをしまう
…といった動作が、この工程には必要になります。

⑫歯ブラシ、コップを洗浄する

歯ブラシや使用したコップなどは、衛生面を考えてもきちんと洗浄する必要があります。
この工程では、

・蛇口の栓までリーチする
・蛇口を開けて、水を出す
・歯ブラシ、コップまでリーチする
・歯ブラシ、コップをつかむ
・歯ブラシ、コップを蛇口からでる流水まで運搬する
・流水で洗う
・歯ブラシ、コップの水を切る(もしくはふき取る)
…という動作があげられます。

⑬歯磨き用具をしまう

最後に使用したは歯磨き用具を、きちんと決められた場所へ収納する工程に移ります。

・歯磨き用具へリーチする
・歯磨き用具を把持する
・収納場所までは歯磨き用具を運搬する
…といった動作になります。

歯磨き動作に必要な動作とは?

上述した工程分析、動作分析からみるに、一連の歯磨きに必要な動作は、

・リーチ動作
・把持動作
・運搬動作
・物品固定動作
・物品操作動作
・口唇開閉動作
・ゆすぎ動作
・吐出動作
…とまとめることができるかと思います。

まとめ

歯磨き動作に対して作業療法士として支援する際、クライアントがどの工程に問題を抱えているのか?という分析的な評価の視点が必要になります。
工程分析、動作分析などを行ったうえではじめて、訓練的なアプローチに移行する必要がありますね!

作業療法士は語りたい!

歯磨き動作に関しては、整容動作でも口腔内にアプローチする点で、他の動作とは異なる動作課題がありますね!
だからこそ、STが関わる機会が多いんだろうけど、
作業療法士が工程分析や動作分析っていう得意分野で積極的に関わることで、
もっと歯磨き動作に対しての支援が広がるんだと思うんだ!

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