Rehabilitation

歯磨き動作に必要な身体・精神機能について

 

整容動作でも“歯を磨く”という動作に必要な能力や機能はどのようなものがあげられるでしょうか?
いつも何気なく習慣として行っている分、なかなか踏み込んで考えたことがなかったので、今回はこの整容動作でも歯磨きに焦点を当てて、必要な身体的、精神的機能や能力についてまとめました!

整容動作(歯磨き)に必要な機能・能力について

歯磨きを行うために必要な能力としては、どのようなものがあげられるのでしょうか?
主なものとして

①関節可動域
②筋力
③感覚機能
④姿勢保持能力(バランス機能)
⑤上肢の操作能力・手指の巧緻能力
…といった項目があげられます。

①関節可動域

歯ブラシや歯磨き粉を収納しておく場所までのリーチ、自分の口腔内までの歯ブラシを届かせるためのリーチを保障する肩関節、肘関節、手関節の可動域が必要になります。

②筋力

歯ブラシや歯磨き粉自体はそこまで重い物品とは言えませんし、歯ブラシの重さは10g前後、歯磨き粉の重さは未使用の状態で150g前後のものが多いようです。
しかし、電動歯ブラシを使用しているとなると150g前後のものが多く、通常の歯ブラシよりも重いことは確かです。
歯磨き粉はずっと持ち続けて、空間保持しているわけではありませんが、歯ブラシとなると、自分の口腔の高さにまで持ち上げ、その高さで保持し、歯の並びに合わせて操作する…ための筋力が求められます。
また歯ブラシを持ち続け操作しつづけるだけの握力、ピンチ力も必要になります。

③感覚機能

歯ブラシを把持したまま目的の歯列に合わせてブラッシングするという動作は、視覚での確認がしづらい分ブラッシングする側の手の感覚とブラッシングを受ける側の歯や口腔内の感覚も必要になります。

④姿勢保持能力(バランス機能)

歯磨きを安全に行うためには、最低限でも坐位姿勢の保持が必要になります。
また、奥歯を磨く際に歯ブラシの向きに対して協調的に頭部を動かし保持するための能力も求められてきます。
加えて、歯を磨いた後の口腔内の歯磨き粉を出すために洗面台のシンクに向かって下を向いた姿勢を保持する能力も必要になります。

⑤上肢の操作能力・手指の巧緻能力

歯磨きで求められる上肢の操作能力としては、歯磨き粉を歯ブラシにつける操作とブラッシング操作が主なものになるかと思います。
また、上下や前、奥の歯などに合わせてブラシヘッドを移動させるには、三指つまみによる歯ブラシの持ちかたが必要になるため、この三指つまみの能力も必要になってきます。

認知機能面

整容動作(歯磨き)を遂行するにあたって、必要とされる認知機能ですが、

・意欲
・前頭葉機能
・問題解決能力
・注意
・身体認識
・ワーキングメモリー
…といったものがあげられます。

意欲

そもそも歯を磨く事に対しての必要性を感じることや意欲が必要になりますし、前提となります。

前頭葉機能

歯ブラシ動作を行うためには、歯磨き粉を開けて、歯ブラシに歯磨き粉をつける~歯ブラシをしまう…までを適切な手順で行う能力が必要になります。

問題解決能力

“歯磨き動作”には、歯磨き粉がなくなった、歯ブラシがもう痛んでいる…といった消耗品を多用するが故のトラブルが多くあります。
そういったイレギュラーな状況になった場合にどのように対処するか、という問題解決能力も必要になります。

注意

歯磨きの手順や工程ミスに対しての注意を向ける能力や、他の侵害刺激があっても注意がそれないようにする能力も必要になります。

身体認識

感覚によるフィードバックにもよる部分ではありますが、歯磨きは視覚で確認できにくい部分への操作のため、非常に身体認識の能力が必要になります。

ワーキングメモリー

どの部分から磨いて、どこの部分をまだ磨いていないのかを把握しながら歯磨き動作を行うためには、ワーキングメモリ―能力が必要になります。

まとめ

何気なく習慣的に起こっている歯磨き動作ですが、様々な機能や能力によって成り立っていることがわかります。
歯磨きを含めた口腔ケアが不十分だと、感染症や肺炎のリスクも高まることから、疾病予防の観点からも作業療法士は支援に力を入れる部分だと思います。

作業療法士は語りたい!

視覚的に確認できにくい場所へのケアだからこそ、
きちんとできているか?の質を評価する方法が必要かもしれませんよね。
クライアント自身で自立できていたとしても、
磨き残しの有無まで確認するってことは少ないだろうからね。

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