Rehabilitation

アトピー性皮膚炎 – 特徴・症状・原因・薬・食事などの注意点について

 

“かゆみ”って痛みと同じように非常に我慢するのが困難な症状と言われています。
このかゆみを伴う疾患として主なものに、アトピー性皮膚炎があげられます。

そこで本記事では、このアトピー性皮膚炎の…

  • 定義や特徴
  • 症状の特徴
  • 主な原因
  • ステロイドなどの薬
  • 保湿や食事における注意点

…などについて解説します。

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎についてですが、日本皮膚科学会による定義としては次のようになります。

アトピー性皮膚炎とは、増悪・寛解を繰り返す、瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、かゆみのある湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気

アトピー素因について

アトピー性皮膚炎患者の多くは…

  • もともとアレルギーを起こしやすい体質
  • 皮膚のバリア機能が弱い(外界の様々な刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能低下)

…といったアトピー素因を持ちます。

この両者を合わせて一般的な“アトピー体質”とされています。

加えて、アトピー性皮膚炎の患者の皮膚は炎症のない時でも、セラミドと天然保湿因子が不足しているという報告もあるようです。

人口・年齢差

アトピー性皮膚炎は、20歳以下のおよそ10人に1人が患っているとの推測がなされています。

特徴

アトピー性皮膚炎の特徴としては…

  • かゆみのある湿疹
  • よくなったり悪くなったりを繰り返す
  • アトピー素因を持つ

…という3つがあげられます。

症状

アトピー性皮膚炎の症状としては…

  • かゆみがある
  • 特徴的な湿疹と分布
  • 症状を繰り返す

…という3つがあげられます。
以下に詳しく解説します。

かゆみがある

アトピー性皮膚炎の主症状としては“かゆみ”があげられます。
このかゆみによってQOLの低下も招く可能性もあるため、早期に対応する必要があります。

また、かゆみに耐え切れず掻いてしまうことにより、皮膚が厚くゴワゴワした状態になったり、かさぶたができてしまうこともあります。

特徴的な湿疹と分布

アトピー性皮膚炎は…

  • 赤みのある湿疹
  • プツプツと盛り上がりのある湿疹
  • ジクジクと水分の多い湿疹
  • ゴツゴツしたしこりのような湿疹

…といった特徴的な湿疹が多くみられます。

また、湿疹ができやすい部位ですが…

  • 首回り
  • わきの下
  • ひじの内・外側
  • ももの付け根
  • ひざの表・裏側

…などに多くみられます。

症状を繰り返す

アトピー性皮膚炎の症状は軽快と悪化を繰り返していくという点も症状の特徴と言えます。

社会的問題点

アトピー性皮膚炎は、皮膚のかゆみだけでなくそれに伴う皮膚状態の悪化から、劣等感を抱くことがあるとされています。
極端な例になれば、外出機会の喪失や対人交流への恐怖、不安に発展し、社会生活状の問題になる場合もあります。

セラピストとしては、アトピー性皮膚炎の医学的な問題だけでなく、
この併発する社会的な問題にも支援をする必要があると言えます!

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因としては…

  • 体質的な要因
  • 環境的な要因

…が重なることで起こると考えられています。
以下に詳しく解説します。

体質的な要因

アトピー性皮膚炎における体質的な要因は…

  • 皮膚のバリア機能が低下した乾燥状態
  • ストレス
  • アトピー素因
  • 寝不足
  • 過労

…といったものがあげられます。

これらの要因が皮膚に備わっているバリア機能の低下を招き、アトピー性皮膚炎を起こす一要因になる…とされています。

ちなみに、皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織という3層から構成されており、表皮のいちばん外側にある“角層”が、バリア機能を担っています。
この人間の皮膚に備わっているバリア機能ですが、外からの刺激や雑菌などの外敵が体内に入り込まないようにするためと、体内から水分などが外部に漏れないようにするためという大切な機能を担っています。

環境的な要因

加えて、環境的な要因についてですが、主に…

  • アレルゲンの侵入
  • アレルゲン以外の刺激

…があげられます。

アレルゲンの侵入

アトピー性皮膚炎の人の皮膚は、上述したように皮膚のバリア機能が低下していることから、角質の細胞の間を埋めている角質細胞間脂質や水分を保つ天然保湿因子が減っている状態にあると言えます。
その結果、角層のバランスが崩れ、外部からさまざまな刺激やアレルゲンが侵入しやすくなります。

アレルゲンが皮膚から侵入すると、それを攻撃し、体の外へ排出しようとする免疫細胞と結びつき、これが“ヒスタミン”という物質を分泌します。
その結果炎症が起こります。

またバリア機能が低下した状態にある皮膚は、ちょっとした刺激でもかゆみが起こりやすい状態にあります。
そのため、さらに掻いてしまい、よりバリア機能が破壊されるという悪循環に陥りやすくなってしまいます。

このアレルゲンの例ですが…

  • ダニ
  • ハウスダスト
  • 食物(卵・牛乳・大豆)
  • ほこり
  • カビ
  • 花粉
  • 動物の毛やフケ

…などがあげられます。

アレルゲン以外の刺激

アトピー性皮膚炎の増悪原因や症状は、人によって非常に様々です。
一つだけの要因でなく、いくつもの要因が重なって影響するいわゆる“多因子性の病気”と言えます。

アレルゲン以外の刺激…例としては…

  • 衣類による摩擦
  • 乾燥
  • ひっかき傷
  • 洗剤や石鹸
  • 化粧品

…といったものが要因となる場合もあります。

アトピー型皮膚炎の薬について

アトピー性皮膚炎の主な治療方法としては、薬物療法があげられます。

この薬物療法による治療の目的としては…

  • 炎症の緩和
  • 皮膚のバリア機能の強化

…があげられます。

ステロイドについて

アトピー性皮膚炎の治療についてですが、ステロイド外用薬やタクロリム軟膏が処方される場合があります。

  • 乾燥肌の治療のための保湿薬
  • 皮膚の炎症への治療

…のために処方されますが、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏は炎症を低減させるものの、保湿力はほとんどないと言われています。

そのためここ最近では、新たな飲み薬の開発やかゆみを抑える注射薬の開発が行わ、少しずつ実用化されてきているようです。

アトピーと保湿について

アトピー性皮膚炎は体質的に皮膚バリア機能の異常があります。
そのため多くは乾燥肌になります。
アトピー性皮膚炎の炎症が起こることで、さらに皮膚バリアが破壊され、乾燥肌が重症化してしまいます。

対策、予防としては…

  • 皮膚を正しく洗う
  • ただしく保湿する

…と言われています。

こすって刺激を与えないように皮膚を洗うこと、肌の乾燥状態に注意し刺激の少ない自分に合った保湿剤を使用する…といったことが必要です。

新生児期の早いうちから全身に保湿剤を塗ることで、アトピー性皮膚炎になるリスクを3割減らすことができたという報告もあります!

アトピー性皮膚炎と食事について

様々な要因が影響を及ぼすアトピー性皮膚炎ですが、食物アレルギーも大きく影響を及ぼす場合があります。
ちなみに、乳幼児のアトピー悪化原因の70~80パーセントは卵と牛乳といわれています。

そのため早期に皮膚テストなど厳密な検査を行いアトピー性皮膚炎の悪化の原因の食物を特定しておくことが必要と言えます。
そして、医師や栄養士の指導のもと、その食物を食べない…もしくは減らす方法の“食物除去療法”が効果的になります。

また、アトピー性皮膚炎を予防するための食事の習慣としては…

  • 暴飲暴食は避ける
  • できる限りの規則正しい食事の習慣を身につける

また、「アトピーになるから」といってあれもこれも食べないのではなく、最小限の制限にするということも必要です。

アトピー咳嗽について

アトピー咳嗽(がいそう)とは…

咳喘息とまったく同様の症状で、気管支拡張薬が効果のない病気

…をいいます。

症状の特徴としては、ゼーゼー、ヒューヒューや呼吸困難がなく、慢性に咳だけが続くことがあげられます。
風邪の後に2週間以上こういった咳が続いたらこのアトピー咳嗽を疑うとされています。

食環境や生活環境の変化、ストレス過多によりアトピー咳嗽の症状が悪化している人も多くなっているようです。

Q&A

アトピーはうつる?
アトピー性皮膚炎は免疫機能の変化によって引き起こされる病気です。感染性の病気ではないため他の人にうつるということはありません。
アトピーは大人になっても発症する?
昔はアトピー性皮膚炎は比較的子供の病気…というイメ-ジがありましたが、最近は大人のアトピー性皮膚炎の症例が増えてきているようです。この大人のアトピー性皮膚炎の原因としては、ストレスが主で再発や悪化の引き金になるケースが多いようです。

まとめ

本記事では、アトピー性皮膚炎について解説しました。

アトピー性皮膚炎とは…

  • アトピー性皮膚炎とは、増悪・寛解を繰り返す、瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患
  • 体質や皮膚バリア機能の低下といったアトピー素因が背景にある
  • かゆみ、湿疹、そして軽快と悪化の繰り返しといった症状特徴がある
  • 皮膚状態の悪化に伴う社会生活障害にもセラピストは支援する必要がある
  • 主な原因としては、体質的、環境的の2つがあげられる
  • 薬物療法の目的としては、炎症の緩和と皮膚バリア機能の強化
  • 対策としては、保湿と食事に注意すること

作業療法士は語りたい!

アトピーという皮膚疾患に対しても、セラピストは多くの支援ができるだろうね!
それには医学的な観点のみならず、生活上の注意点などを軸にした支援が求められますね!
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