立位での移乗や座位での移乗動作が困難な場合、全介助での移乗を取らざるを得ませんがこの方法は場合によっては、介助者への負担が大きくなってしまいます。
そういったときは、福祉機器であるリフトを使用することも検討すると良い場合があります。
そこで本記事では、このリフトを使用しての移乗動作について解説します。
目次
リフトの種類について
現在、移乗動作を支援する福祉機器として様々なリフトが市販されています。
ここでは…
- ベッド固定式リフト
- 据え置き式リフト
- 床走行式リフト
- 浴室用リフト
- 立位支持型リフト
…について解説します。
ベッド固定式リフト
ベッド固定式リフトは、主にベッド周辺で…
…に利用します。
国内で開発されたリフトの場合は畳でも使用できるタイプがあること、また比較的安価で手に入ることなどが特徴としてあげられます。
据え置き式リフト
据え置き式リフトは、他の種類の中でも比較的使用しやすいタイプと言われています。
据え置き式リフトは主に…
- 綿レール型リフト
- 面レール型リフト
…の2種類があります。
綿レール型リフト
ベッド-車椅子間の移乗といった限定的に使用する場合は、簡易な綿レール型リフトが選ばれることが多いです。
面レール型リフト
“据え置き式面レール型リフト”と呼ばれるものは、部屋の四隅に柱を設け、2本の横行レールを支え、そのレールにリフト本体が走行するレールを吊り下げたタイプになります。
部屋の中ならどこでも移乗できるタイプになるため、非常に汎用性が高いリフトになります。
床走行式リフト
比較的多く使用されているのがこの“床走行式リフト”になります。
リフト自体がキャスターで移動できるため、浴室やトイレ、玄関といった場所でも共通して使用できることもメリットとしてあげられます。
しかしその反面、畳や絨毯の上では動きが悪くなってしまうというデメリットもあります。
浴室用リフト
浴室に設置し、入浴の際の移乗動作を支援するのがこの浴室用リフトになります。
脱衣所から吊り上げ、洗い場、浴槽の間を移動するため、脱衣所と洗い場の間に段差があったとしても特に問題にはなりません。
そのため、設置さえすれば浴室の住宅改修などは必要なくなるというメリットがあります。
立位支持型リフト
一般的にリフトはどうしても座位姿勢の状態で移乗するのを想定していますが、この立位支持型リフトは利用者を立ち上がらせて移乗することを支援します。
そのため、トイレへ行く際の下衣の上げ下げや、パンツ、オムツの着脱がしやすくなるというメリットがあります。
吊り具の種類について
リフトを使用して移乗動作を支援する際、リフトの種類を選ぶことも重要ですが、利用者本人を吊り上げる“吊り具”もしっかりと合ったものを選ぶ必要があります。
リフトの選定の際は、リフト自体よりもこの吊り具の選定を重視した方がいいとも言われています。
吊り具の選定のポイントとしては…
- 本人の身体機能に合わせる
- リフトの使用場面を考える
- 介護者の操作能力を把握する
…ということが必要になります。
その吊り具の種類についてですが…
- シート型吊り具
- 脚分離型吊り具
- トイレ用吊り具
…が主に流通しているタイプになります。
シート型吊り具
シート型吊り具は柔らかく薄手の素材でできており、タイプによってはメッシュタイプ、合成ムートンタイプがあります。
吊り上げられたとき、利用者の体を包むような形になるため、快適で安心感があるという意見は多く聞かれます。
しかし、座位で着脱できずベッド上の臥位姿勢で脱着するしかないというデメリットがあります。。
脚分離型吊り具
脚分離型吊り具は、両脚の間を通すことでしっかりと支持するため、利用者にとっても安心感を与えるタイプの吊り具です。
座位姿勢、臥位姿勢どちらでも着脱が可能というメリットがある反面、装着の手順を正確に行わないと不快感を与えるだけでなく転落などの事故の原因にもなり得ますので注意が必要です。
トイレ用吊り具
文字通り、トイレへ移乗することを想定した吊り具です。
吊り上げた状態でパンツやおむつを着脱するので、利用者との接触面積は小さく設計されています。
そのためやや不快感を感じる場合が多いようです。
リフト選びは身体機能、使用状況、操作者の能力によって
実際リフトを使用し移乗するのって本人も操作する側も不安感を感じる場合がほとんどです。
そのため介護者である家族に導入するとなると、結構慎重に行わないといけません。
どのリフトを使用するのか、吊り具はどうするか、そもそもリフトが適応かどうかは、利用者本人の機能のみならず、操作する介護者の操作能力にも配慮して選ぶ必要があります。
まとめ
本記事では、移乗動作を支援する福祉機器である“リフト”について解説しました。
- 固定式や床走行式、据え置き式などの種類がある
- 浴室用、トイレ用など専用のタイプもある
- どのリフトを使用するか?よりも、どの吊り具を使用するか?が重要
- 本人の身体能力や介護者の操作能力などを考えた上で選定する必要がある
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