利用者の寝具であるベッドを選定しセッティングなどの設定を行ったりする際に、他の医療機関や福祉機関、福祉機器業者やケアマネジャーとの共通言語を理解しておくことが情報共有には必須だと思います。
そこで本記事では、共通言語としてベッドの主な部位の名称や寸法表示について解説します。
目次
ベッドの主な部位の名称について
ここではベッドの部位である…
- 底板(ボトム)
- 手元スイッチ
- マットレス止め
- 移動介助バー
- ベッド柵
- ヘッドボード・フットボード
…について解説します。
底板(ボトム)
ベッドの底板の部分は、一般的には3~5枚に分割され、それぞれがモーターによって動くように設計されています。
この分割のタイプですが、体幹部、臀部、大腿部、下腿部の4枚から構成されるベッドが多いようです。
大腿部の長さに注意
この底板についてですが、大腿部の長さが利用者の体格に合っていることが重要になります。
メーカーによっては…
- 2種類から選択するタイプ
- その場で利用者に合わせて調整可能なタイプ
- 汎用性が高い短めにしているタイプ
…などがあります。
実際に利用する前には、利用者自身がそのベッドに寝てみて、膝をあげたあと背をあげるギャッヂアップをし、、ずり落ちないかどうかをチェックする必要があります。
底板は通気性がよいものを!
底板の素材はメーカーによって銅線であったり、プラスティックであったりと様々です。
ただし共通することとしては、マットレスの下が蒸れることでカビが発生するのを防ぐため、通気性を良くする工夫をしているという点です。
それでも季節やベッドを置く寝室の環境、使用状況によって変わってくるので、定期的にカビの発生の有無をチェックし、通気性をよくするようにしておく必要があります。
マットレス止め
移乗動作などを行う際、マットレスが動いてずれてしまうことを防ぐ機能を担います。
ヘッドボード・フットボード
裏ワザ…的なイメージですが、このヘッドボードやフットボードは寝室内を移動する際の支えに利用することができます。
寝室にベッドをセッティングする際はこのヘッドボード、フットボードを手すりとして利用することを念頭に設置するというテクニックも必要だったりします。
手元スイッチ
手元スイッチがあるベッドは電動モーターで駆動するタイプのベッドであり、機種によっては次のような動きをすることができます。
- 背上げ:体幹部を上下させる機能で、75度程度まで背をあげることができる
- 膝上げ:膝の部分をあげる機能であり、これは背上げの際に身体が芦川に滑らないようにするため
- 昇降:ベッド全体を昇降させることで高さを変える
- 複合:背上げと膝上げなどいくつかのモーターを順次駆動させることで、体を起こしやすくするため
ベッド柵
ベッドの横に差し込んで使用します。
布団や身体の落下防止を目的としているため、身体を動かす際の手がかりとして使用するのは危険になります。
移動介助バー
ベッドから起き上がって、端坐位になった際の支えや、立ち上がる際の支えに利用するのがこの移動介助バーになります。
ベッドに固定されるタイプがほとんどですので、安心して使用できるのも特徴です。
ベッドの寸法表示について
利用者の体格に合った選定の時や、寝室にセッティングする際に必要なのがベッドの大きさになります。
このベッドの大きさ…つまり寸法の表示についても正確な知識を身に着けておく必要があります。
正確な名称、寸法を知ることは情報共有に必要
冒頭でも触れましたが、ベッドの名称や寸法についてきちんと知ることは他の機関との連携、情報共有に非常に必要なこととなります。
こういう細かいところにまで注意を払い、自分の知識としていくことが、連携やチームアプローチにつながっていくのだと思うんです。
まとめ
本記事では、ベッドの部位の名称や寸法について解説しました。
- ベッドの底板に関しては大腿部の長さや通気性に注意
- 手元スイッチはどの動きを伴うかを知ることが重要
- マットレス止めや介助バー、ベッド柵の機能を知ることは事故防止にもつながる
- ヘッドボード、フットボードは手すりとして利用できる
- ベッドの部位の名称、寸法は情報共有のための知識として重要