“ベッド”でも様々ですが、介護用となると求められる機能は一般のものとは異なってきます。
では実際に、介護用のベッドに求められる機能とはどのようなものでしょうか?
本記事では“介護用のベッドに必要な機能”について解説します。
目次
介護用ベッドに必要な機能とは?
介護用のベッドに求められる機能についてですが、ここでは主に…
- 寝具としての機能
- 出入りの容易さ
- コミュニケーション機能
- 介護のしやすさ
…の4つにわけて考えます。
以下に詳しく解説します。
寝具としての機能
介護用のベッドでも、それは寝具の一つのため「安眠できるかどうか?」というのが選択のポイントになります。
利用者によってはいままで長年布団を使用していた生活だったのに、急にベッドに変更になりなんだか不安で寝られない…なんてケースもよく聞かれます。
そのベッドの高さや幅、マットレスの硬さなどに対しての好みは人それぞれです。
「介護が必要だからベッドを導入」という短絡的な判断ではなく、その利用者のいままでの睡眠環境、寝具環境に目を向けることが必要です。
その上で、「いかに安眠できる環境に設定できるか?」という視点で選定することが重要と言えます。
出入りの容易さ
ベッドへのアプローチを容易にするということは、利用者自身だけでなく介護者にとっても必要な機能と言えます。
ここで言うベッドへのアプローチというのは、
- 掛布団をはいで
- 起き上がり
- ベッドに座り
- ベッドから離れ
- 寝室からでる
…というベッドから出るプロセスと、
- 寝室に入り
- ベッドに近づき
- ベッドに座って
- 横になり
- 布団をかける
…というベッドに入るおプロセスを含みます。
ベッドは寝具ですから、夜になって寝るためにはベッドに入るアプローチ、朝になって起きるためにはベッドから出るアプローチを考えます。
ベッドへのアプローチを容易にするということは「いかに負担なく睡眠環境へ移動するか?」という支援につながります。
また、逆を言えばベッドを含めた寝室からリビングや他の部屋への移動を容易にするということは、寝たきりを予防するという点でも重要な視点と言えます。
そのためベッドの配置や柵の使用、立ち上がりやすいベッドの高さなどの環境設定が必要になります。
コミュニケーション機能
寝室やベッド環境を考える際、どうしても“睡眠”を軸に考えがちですが、実は意外に夫婦間のコミュニケーションの場としての視点も必要な場合があります。
よくあるケースが、いままで布団を並べて寝ていた夫婦が、一方が障害を持ったため寝室を分けたところ夫婦間の関係性に悪影響を及ぼした…なんてこともあります。
また眠っている際の呼吸状態やいびきの有無などに気づくことって、同じ寝室で寝ているからこそ…という場合もあります。
もちろんその利用者の障害の程度や住宅環境、寝室環境によって様々です。
だからこそ、介護ベッドの導入や寝室環境の設定を行う際は、支援する側がこの“寝室でのコミュニケーション”にまで配慮し考える必要があると言えます。
介護のしやすさ
介護用のベッドですから、アプローチも含め介護者にとって介護を容易にできるようにならなければ意味がありません。
一概にベッドの高さを高くすればよいわけでも、ベッド幅を狭くすればよいわけでもないのが選定の難しいところと言えます。
介護ベッドを導入する際、どうしてもベッドを利用する利用者本人に意識が向きがちです。
しかし、実際に介助を行う家族や介護スタッフが「いかに介護をしやすいか?」という視点でベッドの選定、ベッド周囲の環境設定を行うことも介護用ベッドを考える際には重要な視点と言えます。
導入の際は利用者、介護者からの意見を聞きつつ、実際の寝室環境で設置し、使用してみて不都合がある場合はすぐに再検討するという柔軟な対応が必要になると言えます。
介護用ベッドに必要となる機能は目的と同義である
介護用のベッドに必要となる機能を考えていくと、
…という視点と同じになると考えられます。
その導入する目的もケースによっては様々ですから、支援する側にはより幅広い寝具への知識と、柔軟な対応が求められると言えます。
まとめ
本記事では、介護用ベッドに求められる機能について解説しました。
- いかに良眠を得られるかという“寝具としての機能”
- ベッド環境にいかに容易に出入りができるかという“アプローチ機能”
- 夫婦間の会話を含めた“コミュニケーション機能”
- 介護者にとっての“介護を行いやすくするための機能”
- 導入や選定には、利用者本人や介護者の状況、寝室環境などに対しての幅広い視点が必要